小論亭日乗

WIE小論文添削講師太田が、小論文に関係のあることやそうでもない日々のよしなしごとをつれづれに書きつづるブログです。

組み立てる技術

2008-07-25 18:25:15 | Weblog

 今日は旅行のお話ではなく、久しぶりに小論文のお話をしようと思います。

 私が高校生だった頃に比べると、「自分の文章を公表する」機会は格段に増えました。それには、インターネットの普及が大きいですよね。複数の個をつなぐ場が設定されたことで、個人の意見や感情が発信しやすくなったのです。

 例えば、趣味のあれこれについて書くサイトを個人で持っている人も増えましたし、ブログを使ったり、SNS上で「日記」を付けることも、さほど珍しい行為ではなくなりました。

 しかし、こうした他者に読まれる文章を書く機会が増えているにもかかわらず、年々「小論文を書く力が向上している」という状況にはなっていません。なぜでしょうか?

 それは、残念なことに、これらがあくまで「日記」でしかないからです。日記とは、何を行い、何を考えたかを皆に伝えようとするのではなく、これらに関する自分の記録や整理のために、つけられるものです。

 つまり、細切れの行為やそのときの感情を書き留める技術には長けてきても、それらを貫く思考が他者にも通じるよう、論拠として組み上げる技術については、いまだおきざりにされちゃっているというわけ。


 ですから、作文はよく書けるんだけど、小論文では思った通りの評価が得られないという方は、この弱点を補強する必要があるかもしれません。

 小論文を書く下準備として、書きたいことをメモにだーっと書き出したら、設問の要求に沿ったご自身の思考をもっともよく伝えるために、どの順番でそれらを並べ、どういった言葉でつないでいったらいいのかを考える訓練をしてみて下さい。


 自分の持っている材料を、どのように組み立てて、他者にも読み取れる意図を持った作品にするか。小論文の技巧とは、そこにかかっていると言えるでしょう。
 なおこのときは、自動筆記みたいに、意図が偶然に生み出されることを狙って、でたらめに並べちゃだめですよ? 自分が狙った通りの意図が伝わらねば意味がないことを、くれぐれもお忘れなく…。

ミュージアムに望むこと。

2008-07-24 17:24:22 | Weblog

 今回、北欧を旅行していて嬉しかったことがあります。それは、博物館や美術館に併設されているカフェの充実度。ワンプレートの定食スタイルではありましたが、写真のようにちゃんとしたお昼ご飯が、少なくとも4、5種類は用意されていたんです。しかも良心的な価格で(とはいえ北欧は税高・物価高で、昼食でも数千円はかかっちゃうのでしたが)。

 ちなみに写真は、スウェーデンはマルメの美術館カフェで供されたもの。ショットブラールという伝統料理で、ミートボールにベリーのジャムをかけ、ゆでた(ふかした?)ジャガイモといっしょにクリームソースで食べるもの。大変美味でございました。ヨーロッパサイズで日本人には多めだったのですが、ぺろりと平らげてしまった。


 私設博物館やデパートの特別展規模なら話は別ですが、大きい博物館や美術館になると、じっくり見るならどうしても半日ぐらいは費やしてしまいます。そうすると、自然、食事をする場所が欲しいな、ということになりますよね?

 でも、日本の美術館や博物館のカフェって、純粋に喫茶店みたいなものがほとんどで、お値頃の食事が食べられる場所って、まだまだ少ないんですよね。どこかの名門レストランを招致して、豪勢なお料理をお高い値段で供するところはありますけど…。

 こうなると、取れる選択肢としては、余所にあるプチプライスのレストランにたどり着くまでひもじさを我慢するか、喫茶店のケーキで済ますか、ということになります。あるいは、展示物を駆け足で見て、ご飯の時間にひっかからないようにする、という方法も考えられます。でも、せっかく見に行ったのに、それは何とももったいないことではないですか。

 だから、美術館や博物館という場所を作るにあたっては、こうした副次的なサービスのことも、一つ考えて頂きたいなと思った次第なのでありました。
 図書館には割合に食堂が併設されているものですから、そう難しいことじゃないのでは…。

?に出会う旅

2008-07-23 18:43:57 | Weblog

 見知らぬ土地を旅していると、今までに見たことのあるようなものに、ふいに出くわすことがあります。
 そういうものを見つけ、驚くと同時に、それらの共通点を探ってみるのも、旅の楽しみの一つかも知れません。


 今回の旅行でも、そういった発見がありました。写真はオスロ市庁舎の天井なのですが、この模様、どこかで見たことがあると思いませんか?
 少なくとも太田は、これを見て「アイヌの紋様にも似た感じのがあったなあ…」と思ったのでありました。

 アイヌは、自分や家族の着物や手持ちの道具に施すため、いくつかの基本パターンを使って、めいめい思い思いの紋様をつくり出すのだそうです。その基本パターンとは、例えば渦巻き(モレ)とか棘がある模様(ア)だとかいったようなもの。

 このうずまきや棘模様、オスロ市庁舎の天井にも読み取ることができるのです。土地が違えども、同じ北方系民族ということで、何か共通する文化があるのでしょうか? また、この両者のルーツが、遠い過去の時代に交流を持ったということも、ないことではないでしょうね。
 あるいは、氷雪や寒風などの風物に対する人間の感じ方には、人種を問わず共通点があるのかもしれない。


 こうしたちょっとした発見や驚きをきっかけにして、人間の知的関心や興味というものは湧いてくるのかも知れません。そういったものを刺激してくれるという点でも、旅は良いものと感じました。
 興味を持って調べた知識は身につきますし、後々活用できる(そう、例えば小論文試験などにも!)情報になってくれやすいですからね。

 それを証拠に太田だって、今まであまり知らなかった紋様について、にわかに興味や感心が湧いてきましたよ。まずは図書館で、いくつか文献を調べてみようかな…。

論文修業、身を助くか?

2008-07-22 18:43:56 | Weblog
 ご無沙汰しております。1週間以上もお休みを頂いてました。その間何をしていたかと言いますと…。以前にも少し触れたかと思いますが、念願の北欧旅行に行ってきたのです。

 英語をちょっぴりかじっただけの人間が、よくもまあ北欧で個人旅行(2人で行ったのですけど)なんかを企てたものです。しかし何とか無事に帰還し、こうしてブログを書くことができているという。すごいもんです(笑)。


 旅行中は、現地の言葉はまったく分からず、基本的に英語でやりとりをしてました。欧州圏ですから、9歳かそこらの子でも十分に英語話せるんですよね。ただし、発音はやはりお国なまりが出ますから、聞き取りには類推が必要でした。

 この類推に必要なのが、今までの知識と状況を総合して、相手を分析することなんですね。例えばホテルの受付、切符の券売機、店員さんなどが言いそうな言葉って、けっこうそれぞれ決まってくるでしょう? ホテルの受付なら開いてる部屋の種類とか朝食の時間、店員さんなら、商品のサイズや色の種類とか…。
 「この場ではこういうことを言いそうだな」という予測が、聞き取りを大きく助けてくれるのです。

 これって、結構小論文を書く力にも通じるところがありませんか? 今まで蓄えた知識や現状をもとに、設問の意図を理解し、最適な答えを導き出す、というのが小論文の原則であることは、常々お話している通りですものね。


 小論文の試験勉強は辛いかも知れませんが、この頭の使い方に習熟しておくと、楽しい旅行の時なんかにも役立つ(こともある)わけです。
 ですから皆さん、今小論文の試験勉強で苦しんでおいて損はないかも!?
 特に最近では、中高の修学旅行など、海外に行く機会はどんどん増えてますものね…。

アメトムチ

2008-07-10 18:17:54 | Weblog
 今回も引き続き、夏休みのお話をさせて頂きます。

 夏休みは、皆さんの自由に一日を過ごせますよね。そりゃ夏期講習に行くとか、ある程度のしばりはあるでしょう。中には、まだまだ部活継続中、というツワモノもいるかもしれません。それでも基本的には、「今日一日何しよう?」という決定権は、皆さんが持っているわけです。

 こうなると重要なのが、バランスを考えること。昨日は生活面でのバランスのお話をしましたよね。今日は、学習面というか、作業面でのバランスについてのお話です。

 自分の自由に勉強のスケジュールが組めるわけですから、極端に言えば、「毎日12時間勉強!」ということもできるし、「1日30分…」ということも可能ですよね。ただ、皆さんの学習進度にもよりますが、「一日30分だけじゃ不安だよ!」というのが現状じゃないかな。かといって、12時間も勉強してたんでは、頭がパンクしちゃいますよね。
 さてさて、効果的な学習スケジュールは、どうやれば立てられるんでしょうか?

 スケジュールを決めるときは、時間を重視するのではなく、「何をやるか?」を重点的に考えるべきだと、太田は思います。●時間勉強! とか言っても、具体的に何をするのかがきちっと決まっていないと、いたずらに机の前に座るだけ…てなことになりかねませんからね。

 そのためにはまず、夏休み全体の作業目標を考えること。例えば、「単語帳を最後まで終わらせる」とか、「歴史の参考書の現代史の部分を重点的に押さえる」とか。
 各教科で具体的な目標が立ったら、それを実現するために、週単位でどれだけノルマを課せばいいかを決めましょう。あんまり詰め詰めにしないようにね。

 これ、「週単位」というところがミソなんです。日単位でノルマを課すのは、いろいろと障害が大きいからお勧めしません。
 自宅での勉強スタイルに慣れないうちは、どうしても作業に時間がかかってしまいますから、日単位でノルマを決めていたんでは、初めのうちは、なかなか達成できないことが多いもの。

 そうなると、「あーあ、できなかった…」という嫌な気持ちは残るし、結局はみ出た分を取り返そうとするから、次の日もノルマ達成できなかったりして、悪循環なんですよ。
 それよりも、今週はこれだけやる! と決めておけば、はかどる日・はかどらない日のでこぼこを、1週間でうまく吸収できるでしょ?

 で、ノルマが早々と達成できて、週末に時間が空いたら、ノルマ達成のごほうびと考えて、その日はめいっぱい遊んじゃって下さい。そうすると、人間は現金だから、ごほうびを求めて、さらなる作業効率アップが期待できちゃう、という…。

 そう。自分を飴とムチで動かす。これが、スケジュールを組む秘訣だったりするのです。


※というわけで、太田これから飴期間に入ります。1週間ほどブログはお休みにさせて頂きますので、悪しからずご了承下さいませ。
 どんな飴だったかについては、また再開後にお話させていただきますね!

しばっていこー!

2008-07-09 18:32:58 | Weblog
 もうすぐ夏休みですね。受験生の皆さんは、ここが頑張りどころですから、いろいろと張り切って学習計画を立てていることでしょう。WIEの小論文講座も、夏のお供ということでしょうか、現在お申し込みが増えている状況です。本当にありがとうございます。

 夏の学習計画を成功させるためには、無理のない勉強プランを立てることが、まず重要ですよね。能率と適度な休息の関係についてのお話は、前にもしたことと思います。
 で、実は、もう一つ大事なのは、生活の基本パターンを決めて、それに沿って行動すること。無視されがちですが、これは本当に重要なことなんです。


 普段は、学校が皆さんの生活パターンを決めてくれてますよね。遅刻しないためには、朝何時に起きて、何時にご飯を食べて、何時に出かけるか、とか。さらに、何をどれだけ勉強するかということだって、基本的には学校が決めてくれてますしね。

 こういう生活リズムが崩れちゃうと、人間の作業効率にもろに影響してくるんです。
 例えば昨日、太田は諸事情あってお昼を取るのが遅れ、14時過ぎからのご飯となったわけなのですが、その後の作業の集中度が、めためたに落ちてしまったんですね。変にお腹一杯で、気分もぼんやりしてしまうし。いや、つくづくあれはいけなかった。

 いつもお腹が空く時間に栄養をとり、眠くなる時間には眠り、目が冴えている時間に勉強をする。人間は意外に習慣に縛られている生き物ですから、どこかでバランスが崩れると、思いもかけないところにその影響が出てきたりするものなんですね。実地で思い知りました(こんなんばっかし)。

 ね? だから、夏を乗り切るためには、学校の無い間自分の生活を縛る枠を決め、なおかつそれに縛られるよう、努力しなければなりません。

 「しまったー! こんな時間まで寝ちゃったー!」
 「なんだか頭がぼうっとして、単語がノルマ分覚えられないよう」
 「夏休みもうすぐ終わっちゃうのに、まだ計画半分もこなしてない!!」
なーんてことにならないよう、くれぐれもご用心下さいね…。

つながる強さ

2008-07-08 17:55:11 | Weblog
 昨日は添削研修のため、WIEは全社的にお休みを頂きました。受講生の皆さんやこのブログを読んで頂いてる皆さんには、ご迷惑をおかけしましたね。
 でもその分研修はみーっちりとやらせて頂きました。だから、この埋め合わせは、今後の添削できっちりと、ね(笑)!


 しかし、昨日の研修を受けていて、つくづく一人の力の限界と、共に何かをする人のいる心強さを感じましたよ。

 小論文を書くという作業は孤独なものですが、その添削もまた、孤独なものです。基本的には一人で、ある人の発した思考を受け止め、評価を下さねばなりません。

 確かに、よいしょよいしょで「はーい、よく書けたね~」と言うだけなら、話は簡単なのです。でもそれではお客様のためにならない。お客様の答案を真剣に受け止め、次につながる添削にする責務が、我々講師にはあるのです。

 けれど一方で、まだ成長過程にある若い方達に対し、ネガティブな評価について、どの程度まで言うべきなのかという迷いもあります。こんな厳しいこと言って大丈夫かしら…? とか、ダメ! ということで、いたずらに自信ややる気を削いでしまわないか、とかね。

 こうしたもやもやが積もると、講師だって人の子ですから、悩んだあげく適切な添削ができなることもあります。こういうとき、一人だととても苦しい。

 でもね、昨日の研修では、皆が日頃添削で気をつけていることや視点を変えたアドバイスなんかが、積極的に交換されていました。私も僭越ながら、少し自説を披露したり…。

 こうしたやりとりを通して、同じ仕事に携わる仲間がいるんだな、つながってるなと思えたこと、ほんとにこの収穫は大きかったです。

 というわけで心機一転、太田は今日もびしばしと添削に励むのでした。
 願わくは、一人で悩む受講生の方たちにとって、WIEの添削が強いつながりとなれますように…。

ポイ捨て禁止

2008-07-04 18:34:02 | Weblog
 この間答案の添削をしていて、何件か白紙の答案に出くわしました。通信欄を読んでみると、「まったく何も思い浮かびませんでした」とのこと。
 うーん、これには正直、困ってしまいましたねえ。

 「ここまで考えたけどまとまらなかった」、「漠然と書くべきテーマは理解したけど、細部を埋めることができなかった」というなら、その方向性を活かして、アドバイスすることもできます。

 でも、「まったく何にも思い浮かばなかった」というのなら、手の打ちようがありません。仕方なく、「講師ならこう考えて、こう書きますよ」という、一方的な解説と解答例を見せただけ、で終わってしまいました。


 確かに戻ってきた添削を見れば、「なるほど、こう書くのか」という、一つの方法を知ることはできます。でもこれでは、他の小論文を書くときに活かせる、考え方の訓練をしたことにはなりません。

 だって、示されたものは、皆さんの思考とはまったく別物でしょ? こっちに乗り換えるなら、皆さんは、自分の考えを、行き詰まったところでぺーん! と投げちゃったことになるからです。
 詰まっちゃ投げ、詰まっちゃ投げしてたんでは、考える訓練にはならないの。

 解答例を示してもらう、という勉強法では、類似の問題には対応できるかも知れない。でも、まったく別種の問題が出たら、また「まったく何も思い浮かばない」となってしまうでしょう。

 これでは、時間やお金という犠牲を払って、小論文の訓練をしているのに、何とももったいないお話です。WIEを利用して下さってる受講生の方達には、少しでも前進につながるような、添削の活用を心掛けて頂きたいなあ。


 ですから、まったくの白紙答案を提出するのは、できるだけ避けて下さいね。これでは講師が、「皆さんの思考」に寄り添い、それを活かし伸ばすためのアドバイスができません。

 文章にならなくてもいいのです。この問題に取り組む皆さんの思考がどのようであったか、講師に伝えて下さい。
 どこまで思考が進んだのか、どこで行き詰まってしまったのか。その点を示して頂ければ、「その時はこう考えればよかったんだよ」「こういう路線で行くなら、こういう構成が考えられるね」といった、皆さんの思考訓練につながるアドバイスができるんですから。

 そうすれば、皆さんはその結果をふまえて、行き詰まっていた思考を先に進めることができるでしょう? こうして答えが見えるまで考え続けていって、だんだんと小論文を書く力は向上していくものなんですよ。

楽しむために。

2008-07-03 18:16:22 | Weblog
 私事で恐縮ですが、今、ちょっと旅行に行く計画を立てているんです。それも、小さい頃から行ってみたかった北欧です! ビッケやリンドグレーン、ニルスにレゴ…うーん、想像するだけでよだれが出そう。

 とは言っても、自分が行きたいところに全部回ってくれる都合のいいパックツアーなんてありません。そこで、いろいろと自分で手配しなきゃいけなくなります。

 必要最低限のチケットは旅行会社が手配してくれますが、何を食べよう、どう回ろう? なんて、ガイドブックと首っ引きで旅行日程を決めて。現地の情報を知るために、時には英語のサイトを必死で解読したり。
 何より、私は絶対に生還し、また皆さんの小論文をびしばし添削しなきゃいけませんので、安全のための知識取得も欠かせませんしね。


 はたから見てたら、「なんでそんなしんどいこと…」と思われるかもしれないですが、後で「楽しむため」には、この作業は絶対に必要でしょう。
 それに、本を読んで調べたり、現地の状況を頭に描くといった、事前の準備作業をいかに念入りに行うかで、その後の楽しみの深さが変わってくると思うのです。


 考えたら、小論文試験も、これとちょっと似てるかも知れませんね。
 書く前の準備をいかに入念に行うかで、その完成度が驚くほど変わってくるという…。その結果、良い評価が得られたら、そりゃあ、人間素直に「うれしい」「楽しい」「やってよかった」と思えるってものです。


 ま、そうはいっても、旅行の準備は複数でできますが、小論文は一人で挑まねばなりませんよね。この点、非常に苦しい作業であることは確かです。

 だったら、添削講師を仲間に引きずり込んじゃいましょうよ。それはとても簡単なことで、分からないことがあれば質問したり、通信欄にいろいろな感想を書いてくれるだけでいいんです。

 私だけじゃなく、WIEの講師は絶対に、それを無視することはありませんよ。
 皆さんの辛く苦しい旅に寄り添い、最後には喜びを分かち合う同行者でありたい、と思っていますから。

確答する者たれ

2008-07-02 17:38:38 | Weblog
 本日も引き続き、推薦・AO入試についてお話を。
 こういった入試につきものなのが、面接ですよね。

 今ではけっこう小中高と私学受験が珍しくなくなってきて、皆さんある意味面接慣れしてるかもしれません。それでもやっぱり、「緊張してうまく話せないよう…」というお悩みを抱えている方もいることでしょう。

 今回はそういう方のために、いくつかアドバイスをしたいと思います。

 まず、提出書類に書いた内容は、できるだけ頭に入れておくよう心掛けましょう(提出前の書類コピー、手元保管は常識ですぞ?)。面接は大抵、これらの書類に沿って行われます。ですから、これらの書類は、言わば面接のシナリオみたいなもの。

 「ああ、何聞かれるんだろ…こわいよう!」という気持ちで緊張しちゃうこともあります。その点、「聞かれること」をあらかじめ頭の中に入れておけば、落ち着いて面接に臨めそうですよね。
 もちろん、先生やお友達の協力を仰ぎ、「こう聞かれたらこう答える」の想定シミュレーションを行っておくと、さらに良いかと思われます。

 次に、努めてはっきり・ゆっくり・低めの声で話すよう心掛けること。もじょもじょ小声でしゃべったり、「あー、うー…」と言いよどんだり、「…。」とひたすら沈黙で応えることは、こと面接の場ではお勧めできないです。

 面接では、話す内容だけでなく、話し方・そぶり・外見も採点ポイントになるものです。といってもかわいければ受かるとか、そういう話ではありません。

 要は、「年相応に成熟している」「落ち着いている」「自分の発言に自信・責任を持てる」ことをアピールするのが肝心。ですから、普段以上に、「はっきり・ゆっくり・低め」に話すことを心掛けて欲しいのです。
 特に、いつもより低めの声を出そうとすると、お腹を使うことになりますね。腹式呼吸は、心を落ち着ける基本ですから、その点でもお勧めなのです。

 確かに、難しいこと・知らないことを聞かれたら、誰だって内心はたじろぎます。でもそこであわてちゃダメ。
 皆さんはまだ成長段階にいるわけですから、難しいことは知らなくたって、まだ十分に許されます。この気持ちをもって、「どーん」と面接に臨もうではありませんか。

 例えば、知らないことを聞かれたら、逆に皆さんから、「分からないので教えて下さい!」と、面接官である教授陣の見解を求めるのも、一つの解決策かも知れません、よね?

 ま、常識的な範囲でこれをやると、「そんなことも知らないの?」となるリスクの方が高い訳なんですが…