以下の内容は、当院ホーム・ページの、「神経内科のご案内」の項をご参照いただいて、どんな症状の時に神経内科を受診していただき、神経内科ではどんな病気を治療するのか、予備知識をお持ちいただいている事を前提にお話しいたします.
日本神経学会は、神経内科の診療内容をより明確にする目的で、神経内科という診療科の名称を脳神経内科に変更する事を学会として決定しています.この決定がなされてすでに大分時間が経っていますが、当院はいまだにだらだらと神経内科という診療科名を標榜しています.それにはいくつかの理由があります.
神経内科を脳神経内科に変更したからと言って、所期の目的が達成されるとは思われません.神経内科という語に、神経系の部分である脳が含まれていない、と考える方が不自然です.もちろん、そんなことは分かっている、これは利用する側、つまり患者さんの立場に立っての判断であると言われるかもしれません.脳神経外科の対語である、と.しかし、患者さんに混乱を与え、神経内科の診療内容を分かりづらくしている要因は他にあるように思われます.
①精神科は、標榜する診療科名あるいは医療機関名の一部として、「精神科」、「神経科」、「診療内科」、「メンタル・ヘルス」、「ストレス・ケア」、「心の...」、「ハート・・・」など実に様々な名称を用いています.「神経科」と「診療内科」が患者さんの頭の中で結合して、「神経内科」になっても不思議ではありません.本来、「神経科」あるいは「診療内科」を受診するはずだった方が、「神経内科」を受診される所以です.私の患者さんで、激しい胸痛で「ハート・・・」なる医療機関を受診したら、心の痛みを扱う科だと説明されて、あわてて循環器科を受診した方がおられました.大事に至らなかったから良かったものの、危ない現実です.神経内科には、このような百花繚乱のネーミングはありません.診療科の呼び名は一つに統一されている方が良いでしょう.
②精神科という診療科の持つ強いイメージ、患者さんに与えるスティグマを軽減させる目的で、歴史的に様々な呼称が生まれた可能性はありますが、結果的に神経内科の守備範囲に対する誤解を与えていることは事実です.
③本来、「神経内科」を受診すべき患者さんが「脳神経外科」を受診されることがあります.先日、先生は脳卒中のことをよくご存じですね、神経内科でも脳卒中を視るのですか、と尋ねられたことがあります.一昔前に戻ってしまった様な気分でした.たいていの神経内科の病棟では、入院患者さんの大部分は脳卒中なんですよ、と説明しようとしてやめました.当市では、現状がそうではないからです.神経内科の専門医は圧倒的に都市部に偏在し、市立病院に神経内科の常勤医も病棟もない現実があります.まずは、このような危機的状況を打開し、脳神経外科、精神科の先生方との機能的な協力関係を築いていくことが重要です.
頑張らないといけません.
日本神経学会は、神経内科の診療内容をより明確にする目的で、神経内科という診療科の名称を脳神経内科に変更する事を学会として決定しています.この決定がなされてすでに大分時間が経っていますが、当院はいまだにだらだらと神経内科という診療科名を標榜しています.それにはいくつかの理由があります.
神経内科を脳神経内科に変更したからと言って、所期の目的が達成されるとは思われません.神経内科という語に、神経系の部分である脳が含まれていない、と考える方が不自然です.もちろん、そんなことは分かっている、これは利用する側、つまり患者さんの立場に立っての判断であると言われるかもしれません.脳神経外科の対語である、と.しかし、患者さんに混乱を与え、神経内科の診療内容を分かりづらくしている要因は他にあるように思われます.
①精神科は、標榜する診療科名あるいは医療機関名の一部として、「精神科」、「神経科」、「診療内科」、「メンタル・ヘルス」、「ストレス・ケア」、「心の...」、「ハート・・・」など実に様々な名称を用いています.「神経科」と「診療内科」が患者さんの頭の中で結合して、「神経内科」になっても不思議ではありません.本来、「神経科」あるいは「診療内科」を受診するはずだった方が、「神経内科」を受診される所以です.私の患者さんで、激しい胸痛で「ハート・・・」なる医療機関を受診したら、心の痛みを扱う科だと説明されて、あわてて循環器科を受診した方がおられました.大事に至らなかったから良かったものの、危ない現実です.神経内科には、このような百花繚乱のネーミングはありません.診療科の呼び名は一つに統一されている方が良いでしょう.
②精神科という診療科の持つ強いイメージ、患者さんに与えるスティグマを軽減させる目的で、歴史的に様々な呼称が生まれた可能性はありますが、結果的に神経内科の守備範囲に対する誤解を与えていることは事実です.
③本来、「神経内科」を受診すべき患者さんが「脳神経外科」を受診されることがあります.先日、先生は脳卒中のことをよくご存じですね、神経内科でも脳卒中を視るのですか、と尋ねられたことがあります.一昔前に戻ってしまった様な気分でした.たいていの神経内科の病棟では、入院患者さんの大部分は脳卒中なんですよ、と説明しようとしてやめました.当市では、現状がそうではないからです.神経内科の専門医は圧倒的に都市部に偏在し、市立病院に神経内科の常勤医も病棟もない現実があります.まずは、このような危機的状況を打開し、脳神経外科、精神科の先生方との機能的な協力関係を築いていくことが重要です.
頑張らないといけません.