フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月13日(日) 晴れのち曇り、一時雨

2022-11-14 14:10:51 | Weblog

8時、起床。

フォカッチャ、目玉焼き、牛乳、紅茶の朝食。

フォカッチャはイタリア料理で出て来る平たいパン。昨日、「パン日和あをや」で購入した。食パンよりも味わいがある。

朝刊に白木のみるの訃報記事が載っていた。「小柄」とあるが「小さい人」だった。『てなもんな三度傘』(1962‐68)で藤田まこと共演して人気を博した。それは私の小学校時代とほぼ重なっている。「ヒーロー」というのとは違うが、「愛すべきキャラクター」の一人であった。ご冥福をお祈りします。

昨日のブログを書いてアップしてから、昼食を食べに出る。今日は1時から句会(オンライン)があるのだ。階段の途中でチャイが「散歩に連れてってくれるの?」という目で見ている。悪いな、時間がないんだ。

近所の蕎麦屋「吉岡家」へ行く。

天せいろ(950円)を注文する。

そば湯を飲みながら、選句の最終選考をする。句会の資料(投稿作品一覧)は事前に主宰の紀本さんが作成してLINEで送られてきており、自分なりの一次選考はすませてある。

コンビニで仏花を買って帰る。

松本旅行のときに「ガルガ」で購入した水差(阿久津真紀の作)に仏花を生ける。

1時から句会(第52回)が始まった。今日のリアル参加者は8名(さやかさんが少し遅れて参加)。投句参加が3名。

紀本さんが30句を読み上げる。

今回はなかなかレベルが高いように思った。

私は以下の5句を選んだ。

天 「みんな敵」少女つぶやく芋煮会

物語を連想させる句である。地方の田舎町。閉塞的な環境の中で周囲を不機嫌なまなざしで見つめる思春期の少女がいる。町内会主催の芋煮会に「めんどくせいな」といいながら、芋煮そものものは嫌いではないので、家族と一緒に参加するも、河原で芋煮をつつきながら、「みんな敵」と吐き捨てるようにつぶやくのである。ほどなくして少女は家出同然に上京し、街でスカウトされ、芸能事務所に所属し、オーデションを受けて欅坂46の第一期生としてデビューすることになる。平手友梨奈という名前で。

地 餃子焼く力士わんさと土俵入り

たしかにフライパンに並んだ餃子は雲竜型の土俵入りをしている力士に似ている。賑やかで楽しい句。「わんさと」がきいている。

地 秋夕焼世界の終りはさりげなく

レイ・ブラッドベリの短篇SF小説集『10月はたそがれの国』に納まっていそうな作品のタイトルみたいである。世界の終りは阿鼻叫喚とは限らない。

人 カラフルないったんもめん空っ風

いったんもめんは『ゲゲゲの鬼太郎』の人気キャラクターだ。本来は白いが、夕日に染まっているのだろうか、それとも風に飛ばされて宙を舞うマフラーがいったんもめんのようにみえるのだろうか。「空っ風」という言葉の軽やかさとマッチしている。

人 朝寒し働かない日は卵なし

私はほぼ毎朝目玉焼きを食べるが、体重がオーバー気味の時には抜いたりする。この句では「働かない」日は卵を抜くらしい。燃料補給の必要がないからか。いや、自分で主体的に抜くのではなく、食べさせてもらえないのかもしれない。働かざる者食うべからず。奴隷の日常を詠んだ句なのかもしれない。

全員の集計結果と作者は以下の通り。

14点 木犀の風をまといて不意の客 渺

今回の特選句(同点の場合はリアル出席者が優先される)。月代さんと羽衣さんが天を付けた。一体「不意の客」とは誰なのか、ドラマを感じさせる句である。「木犀の風をまといて」が少々芝居っぽくて私は採らなかったのだが、NHKの朝ドラ『半分、青い』に登場した漫画家、秋風羽織(豊川悦司)が一瞬頭をかすめた。

14点 木枯らしやマークシートの穴深し 明子

直美さんと犬茶房さんが天を付けた。私はマークシート以前の世代だが、試験監督でマークシート式の解答用紙を配ることはある。「しっかりと塗ってください」と受験生に注意を呼び掛けるが、「すみません。強く塗りすぎて穴が開いちゃいました」と手を上げる受験生にはまだ遭遇したことはない。

12点 「みんな敵」少女つぶやく芋煮会 月白

私が天を付けた。渺さんも蚕豆さんも地を付けたが、多数派の女性陣は恵美子さんが人を付けただけだった。ジェンダーバイアスのかかった句(不良少女に惹かれる男性陣=直美さん評)なのだろうか。

11点 餃子焼く力士わんさと土俵入り 恵美子

渺さんが天を付けた。私も地を付けた。もっと票を得てもよい句だと思うが、餃子好きの人が少なかったのかな。フードバイアスかもしれない。

10点 ふと母の声する十一月の風 月白

月白さんはこのところ「母もの」のよく作られている印象がある。彼女にとって今年はそういう年なのであろう。

10点 ストーブのまえの犬ころ首太し 犬茶房

恵美子さんが天を付けた。犬を詠む犬茶房さん。わかりやすい符丁の一致である。「犬ころ」は子犬を連想させるが、「首太し」は成犬を連想させる。どちらにしろ「ストーブのまえ」という状況はちょっと危険なものを感じさせる。どんなストーブなのか気になる。

8点 棘はみな置いてきたのマロンパイ 明子

あやこさんが天を付けた。「生まれ変わった私を見て」とマロンパイが言っているのである。選んだのは全員乙女・・・と思ったら蚕豆さんが人を付けていた。

8点 三日目に消えたマフラー朝の路辺 羽衣

蚕豆さんが天を付けた。よく目にする光景であるが、落とし主に還ったのか、誰かが持ち去ったのかがわからないというところが、「消えた」という表現のもつミステリアスなところである。

7点 秋時雨ストロングゼロ四本目 犬茶房

さやかさんが天を付けた。他の選者もみなのん兵衛なのだろう。私には縁のない世界である。

(以下、時間の関係でコメントは省略します)

4点 宅配の人こないまま初嵐 明子

4点 芋頭100円入れて散歩道 あやこ

4点 朝粥に卵落として風邪楽し 羽衣

4点 旋盤の音絶えて久し秋の暮れ 蚕豆

4点 蝕去りて月ぬるぬると蘇る 渺

3点 桃色の雲は冬雲朝ぼらけ 羽衣

3点 秋夕焼世界の終りはさりげなく 渺

2点 小男の無間地獄の落葉掃き たかじ

1点 カラフルないったんもめん空っ風 直美

ちなみに選外だった私の2句は、「四方山(よもやま)の街を歩けり冬隣」と「赤き月風なき空に浮かびおり」である。前者は松本旅行、後者は皆既月食を詠んだ句である。

次回の句会は1月22日(日)13時から。兼題は「音を詠む」。

散歩に出ようかと思ったが、少し頭痛がするので横になる。居眠りをしている間に雨が少し降ったようである。

本日の東京の新規感染者数は6922人。

夕食は鮭、牛筋煮込み、椎茸バター焼き、味噌汁、ごはん。

食事をしながら『ダーウィンが来た!』と『鎌倉殿の13人』をリアルタイムで観る。

甘納豆を摘まみながら、

『山下達郎のサンデー・ソングブック』を聴きながら、今日の句会ブログを書く。

妻が書斎に入ってきて、「『霊媒探偵・城塚翡翠』が大変な展開になっている」(もっとも妻は原作を読んでいるからそうなることはわかっていたのであるが)と言う。ちょっと書斎に行ってリアルタイムで一部を観たが、翡翠が突然キャラ変をして「私みたいに綺麗でかわいい子が、“ぼっち”なわけがないでしょ?」と不敵な笑みを浮かべながら、これまでの諸事件の推理を長々と(30分はある!)しかも余裕しゃくしゃくで語っている。役者としての見せ場でもある。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。

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