まるぞう備忘録

無題のドキュメント

台所酵母実験4。

2020-11-16 09:55:36 | まるぞうレシピ


さまざまな菌がいるからできる、面白い酒造り。 300年以上続く寺田本家に学ぶ、自然のままを“受け入れる”在り方。
THINK ABOUT
・・・
雑菌大歓迎。味の違いを楽しむ、昔のままの酒造り
ー寺田本家さんの酒造りのこだわりを教えてください。

私たちは、自然発酵にこだわった酒造りをしています。通常、日本酒は主に麹菌、乳酸菌、酵母菌の3種類の微生物を活かし、そのほかの菌はなるべく排除して造られます。培養酵母を使ったり、余計な菌のいない無菌室で酒を造るところもあります。その方が発酵をコントロールしやすく、狙った味わいになりやすいからです。

しかし私たちは、それ以外にもさまざまな雑菌を歓迎して酒造りをしています。まず、お酒を造るタンクには蓋をせず、オープンな状態を保っています。発酵期間も通常は1カ月半程度のところを3カ月とっているので、いろいろな菌が入りやすくなりますね。また、外部からの菌は一切購入せず、蔵の中に住んでいる菌を活かして造ります。

もともと蔵に住んでいる菌なので、その時々で何が現れるかは変化します。たとえば、酸味を出す酢酸菌や酪酸菌、ぬか漬けなどを白くかびさせる産膜酵母菌など。酵母菌の中にもいろいろな種類がいて、あんまりアルコールを出さない無糖度の菌もいます。加えてうちは手で触れながら造るので、人間の皮膚の常在菌も一緒になっていると思います。

そんな風にいろいろな微生物がいることで、より濃醇で味わい深い、個性的な酒ができると考えているんです。

・・・
ー雑菌が多いと、味のコントロールが難しいのではないでしょうか。

そうですね。一定の味を再現するのは難しくなります。私たちは一年間の間にタンク50本分の酒を造るのですが、極端に言えばその1本1本で違ってくると思います。

味が変化しますから、時には自分たちで飲んでみておいしくなかった、ということもありますよ。例えば発酵が進みすぎると、酸味が強くなりすぎることがあります。また、酵母菌の一種であるキラー酵母菌が出現すると、あんまりアルコールが出なくて酒造りが止まってしまったりすることもある。これはお酒の世界では「腐造」と言って、よくないことと考えられています。キラー酵母菌が出ると酒造の主が夜逃げしたという逸話があるくらいです。

でも私たちは、それはそれで「あり」だと思っているんですよ。毎年、どんな微生物がいてどれくらい発酵したかを見ているのが面白い。だからあえて味の違いが出やすい方法で酒を造っているんです。酸っぱくなりすぎた時は、数年熟成させて味わいをまろやかにし、頃合いを見てお出しするなど工夫しています。
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https://corp.netprotections.com/thinkabout/2135/


 私の記事をきっかけに、自家製天然酵母で国産小麦のパンを焼いてみようという方がいらっしゃるのはありがたいです。ただ私もパンらしいパン、ヨメが食べてくれるようなパンになるには10回近く試行錯誤をしました。酵母培養に一週間ほどかかるとか、失敗したパンを一人で食べきらないといけないなど、私の場合一ヶ月に焼ける頻度は3回程度でした。だからここまで来るのに何ヶ月もかかりましたが、失敗のパンでも美味しく食べられますから、焦らず自然のペースで楽しんでください。



よくある失敗の原因と対策
(まるぞうの数多くの失敗実体験に基づくノウハウ)


失敗1 膨らまない

原因1) 生地の中の糖分が足りないのでは?
 生地をちょと食べてみてください。ほんのり甘いのならまだ膨らむ余地があります。甘みがなければもう酵母が糖を食べ尽くしたのでこれ以上は膨らまないです。次回は申し少し砂糖の量を増やしてみるのが良いと思います。
 膨らまない生地はフライパンでパンケーキのように薄く焼いて食べると美味しいです。

原因2) 発酵時間不足なのでは?
 天然酵母はドライイーストと異なり膨らむのに時間がかかります。生地を食べてほんのり甘みが残っているなら、もう半日か1日様子をみてみましょう。
 ゆっくり育つ生地は味わいも深くなる。人生と共通しますね。

原因3) グルテンが足りないのでは?
 私がご紹介したのは「高加水」という水分が多い生地です。捏ねなくても数時間放置すると水和してグルテンが出来る方法です。
 生地をヘラで持ち上げて「ビヨ〜ン」と生地が伸びれば問題ないですが、伸びずにブチブチ切れる場合。寝かせてもブチブチ切れる場合は、酵母液の中にタンパク質を溶かす酵素(プロアテーゼ:麹菌などに多い)が入っているかもしれません。

 その場合も私はフライパンでパンケーキのように焼いて美味しく食べました。
 プロアテーゼは30℃以上で活発になるので、生地の温度は低めで発酵させる必要があるようです。面倒くさければ、酵母液を作るところからやり直した方が早いかもしれません。



失敗2 パンが固い

原因) 膨らみ不足では?
 上記の生地にあるように膨らみ不足です。膨らまないには必ず原因がありますから、症状から原因をさぐって改善すれば必ず上達します。

 でも固いパンは薄くきってスープパスタのようにすると美味しくいただけます。
 小麦粉を水で練って焼いたものですからパスタ(ペーストの語源。練ったものの意味)です。パンとしては失敗でもパスタとしては成功であります。料理法を変えれば良いのだ。



失敗3 パンが酸っぱい

原因1) 乳酸菌が増え過ぎちゃった。
 乳酸菌のほのかな酸味は天然酵母パンの風味です。酵母と乳酸菌は相性が良いのです。ぬか床と同じ。乳酸菌がいるから他の腐敗菌を防いでくれます。
 ただ生地の温度が高いと乳酸菌が増える傾向があります。生地の温度は30℃を超えないように、夏場は冷蔵庫で冷やしながら。

原因2) 酢酸菌が増え過ぎちゃった。
 問題は酢酸菌のお酢の酸っぱさです。酵母菌やパン種をちょこっと食べてみてください。酸っぱいでしょうか。
 酸っぱい場合は、酢酸菌が増えています。酸味が気にならない方はこのまま継続して結構です。が、酸味が苦手な方は酵母菌またはパン種を作り直しです。

対策1) 酸素が足りないと酵母菌はアルコール発酵をしてそのアルコールが酢酸菌の養分となります。だから酵母菌やパン種は密閉しないか、ぬか床のように定期的にかき混ぜて酸素を与える。

対策2) 酵母液やパン生地の糖分が枯れると酵母の数が減って酢酸菌が活発になると考えられます。
 ですから酵母菌は舐めて甘みがなくなっていたら砂糖を足す。パン種も一週間に一度は小麦粉を足すという餌やりは、生地の酢酸菌を抑える効果があると思います。
 一週間に一度はパンを焼くのが良いペースではないでしょうか。



失敗4 パンに焼色がつかない

原因) 過発酵では?
 いくらオーブンの温度を200℃以上に上げても白いままという場合は、生地がすでに過発酵です。
 夏は本当にすぐ過発酵します。酵母が生地の中の糖分を使い切って、小麦粉のデンプンも使い切った状態です。生地の中に糖分がないので、いくら焼いても焦げ目(糖分のカラメル化)が起きません。
 この場合は生地の糖分もデンプンも枯渇してるので、焼いたパンは味気ないです。しくしく。

対策1) 生地が2〜2.5倍に膨らんだら、それ以上発酵が進まないように冷蔵庫に入れるかさっさとオーブンで焼く。

対策2) あるいは次回はもう少し生地のレシピに砂糖を加えるのが良いかもしれません。

 発酵が終了してオーブンに入れる時に、
・生地の砂糖の糖分は酵母が全部食べてくれて
・でも小麦粉のデンプンの糖はまだ残ってる

 くらいの塩梅がちょうど良いです。砂糖が多すぎると甘いパンにります。単純に私の個人的な好みで甘いパンではなく、小麦の味のリーンな素朴パンが私の好みというだけなのですが。



失敗5 生焼けなんだけど

原因1) 焼き温度が低いのでは?
 オーブンの温度が低いか、焼き時間が短いかもしれません。特に電気オーブンだと設定値より実際は低いことがあるようです。

原因2) 表面が先に焼けちゃったのでは?
 今回のように高加水生地の場合、表面が先に焼けて固まると、中の水分が外に出ないことがありがちです。庫内は蒸気で満たして表面を乾きにくくするとか、生地に切れ目(クープ)をいれて中の水分が逃げやすいようにするといいと言われます。
 オーブンの蒸気機能がない場合は、オーブンに入れる前に霧吹きで生地の表面を十分湿らせるといいようです。



質問1 本当に捏ねなくていいの?

 国産小麦パンの失敗は捏ね不足にある。最低でも20分以上は捏ねることは必要と教わりましたが。

見解) 加水率80%以上の高加水の生地なので、小麦粉が水分を吸えば時間とともにグルテン化します。捏ねても捏ねなくてもどちらでも良いです。捏ね作業は脳の快感らしく私は好きです。
 
 ただ高加水生地のグルテンは切れやすいのでヘラで静かに伸ばして静かにたたむ。優しく優しく。薄い層を多重化して空気を織り込む。で十分だと思います。くれぐれも力任せにしないように。

 通常加水生地で(60〜65%)捏ねても捏ねてもベタベタするという人は、力が強すぎて逆にグルテンをブチブチ切っているケースが多いように思います。また体温で発酵が進んでしまっていることも多いようです。とくにドライイーストは発酵しやすい。通常加水生地だと夏場は本当に難しいです。

 (通常加水生地でも、本当は生地を混ぜたら捏ねる前に生地を1時間ほど冷蔵庫に入れて小麦粉を水和させる。イーストが発酵する前に小麦粉のグルテンを生成させる。オートリーズだと捏ねすぎという失敗は防ぎやすいのでは。と思います。)



質問2 本当に二次発酵いらないの?

見解2) 一次発酵して2〜2.5倍に生地が膨らんだらそのまま焼いても美味しいパンが出来ます。
 ただこの時点でパン生地を少し食べてみて、まだほんのり甘ければ二次発酵して生地を膨らませる余地はあると思います。

 ただ私の経験ではパン生地を食べて甘みがなくなったら、あとはいくら30℃以上にあげてももう膨らみません。乳酸菌で酸っぱくなり始めるだけです。それは酵母の栄養の糖分を使い切ったのだから当たり前です。あとは30℃以上で元気になる乳酸菌や、生地の中のアルコールをお酢に変える酢酸菌が活発になるだけです。

 一次発酵したらパンチして空気を抜いて二次発酵しましょう。と多くのテキストに書いてありますが、私の場合は、一次発酵で糖を使い切ることが多いので(多分砂糖の量を抑えているため)そのあとパンチするともう膨らまない固いパンになってしまいます。

 私のようなリーンな素朴パンのレシピは生地の糖分が少ないので一次発酵で膨らんだら、大切な気泡は潰さないようにそっと成形して、そのままオーブンで焼くのがいいようです。

 特に今回の私のレシピのように生地の半分をパン種にして循環させる場合。パン種の小麦のデンプンはもう糖になって酵母に消費されていますから、ただでさえ糖が枯渇しやすいと思います。



質問3 発酵の見極めはフィンガーテストじゃなくていいの?

 テキストの多くは指に粉をつけて生地に挿してみるフィンガーテストで一時発酵を見極めましょうとあります。
 ただ私は生地を食べて味をみて発酵を見極めています。でもさ〜そんなことしている人見たことないよ。でも私のつたない経験ではこれが一番確実なんだよね〜。
 酵母は生地の糖分を食べて増えているわけです。だから自分も酵母の気持ちになって生地を食べれば状態がわかる。

・生地がまだほんのり甘ければまだ発酵できる余地あるよ。
・生地にもう甘みがない。塩味だけならもう膨らまないよ。

 酵母液も生地も、匂いを嗅ぐ。味をみる。自分が生地の中の酵母の気持ちになると、いろいろなことがわかります。



それでも失敗したぞ〜。という方は
・レシピ配合
・レシピ手順
・オーブン温度と時間
・生地や酵母液の味
・失敗の状態

 などを書いて送ってください。私のつたない経験で推測できる原因を一緒に考えます。



 このシリーズひとまず終わり。
 ほとんどの方はあまり興味がない話題だったでしょうが、自家製天然酵母国産小麦パンで苦労している人は世の中には少なからずいらっしゃるようなので、私の失敗体験からのノウハウをデジタルの海に保存しておきます。検索でたどり着く方もいらっしゃるでしょう。

 次回は個人的に玄米粉と雑穀をまぜたパンのレシピに挑戦する予定です。





おまけ(読者の方によって教えて頂いたこと)
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まるぞうさん、今、他の責任者(そこは人間関係のせいで何人も辞めています)から、自分の所で現場責任者として来てくれないかと相談を受けています。
今働いている所は私が責任者であり、業績も系列の中で一番です。そして、人間関係も落ち着いているのです。年収は保証してくれるそうですが、何だか考えがまとまらなくて。
もう、いろいろありますね~。

→ 迷われている場合は、現状維持で様子見はいかがでしょうか。なんとなくひっかかるところがあるうちは。

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うちは、夫も私も米の方が好きで、パンはそんなに食べないのですよね。たまに買っても食べきれず冷凍することの方が多いし。
まるぞうパン屋さん♪をオープンしてもヒットしそうに思えますー☆

→ 私もご主人と同じでパンはあまり好きではないのです。ご飯党です。最近流行りのリッチなふわふわ食パンは、特に好んで食べようとは思わないです。
でもリーンな素朴パン。噛めば噛むほど小麦の風味が滲み出てくるパンは美味しいなと思うのでそれを目指しました。
国産小麦を、いろいろな酵母菌や乳酸菌が時間をかけて熟成させた生地を焼いたものは風味が豊かです。

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今日は、同行ツーリーングの記事を何度も読み返しました。子供同士の事ですが、声を掛け合いよい方向に歩めますようにと、思いました。親である私自身も、ここから何を学べるのか…自分を見つめたいと思います。

→ 子供にとって親が暖かく静かに見ていてくれていることが一番元気になると思います。
 それは酵母を育てるのと同じです。基本は放置ですが、1日に何回かは匂いを嗅ぎます。数日に1回は砂糖を少し与えます。親の愛情の想い(口うるさいのではなく、無関心放置でもなく、静かに見ていること)が子供の心の栄養になるんだなというのが私の経験則です。

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まるぞうさん、来週自転車で行ける所にカルディがあるので、ドライレーズンと春よ恋の小麦粉買って作ってみます。上手くゆくかな!

→ 上手く行かなかったら教えてください。

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二次発酵が上手くいかない原因についてですが、表面がイガイガな状態である事ではないかと思います。生地にも、作業台にも、手にも、打ち粉をして、底になっていた面を上にして左右から中心に向かってたたむ、中心を中にしてもう一度たたむんで長方形になったら、左右からもう一度繰り返すと、表面がパンと張ります。(パンチして折り込む時には、上になっていた面を内側に包む様にする)
表面を張らせた状態にしておかないと、ガスが抜けてしまって上手く膨らめないのだと思います。

→ コメントありがとうございます。
今回は一応念の為、成形後二次発酵35℃90分行いました。が、やはり膨らみませんでした。


焼き上がり断面を見ると上層部は大きな気泡がありますので、やはり表面はきちんとグルテン膜は機能していたと思います。
しかし下部は気泡が少なくつまっています。これは丸く成形した時に下部の気泡が潰れてしまったこと。しかし生地の糖は枯渇しているのでもう発酵することなく潰れたままになったのかなと推測しています。

私のレシピの砂糖は3%(しかしパン種も発酵している状態でデンプンの糖もだいぶ消費されているので実質2%程度か)

・通常の食パンだと砂糖分量4〜6%。
・甘めのリッチなパンだと砂糖分量7〜10%
なのでそもそも私のレシピはバゲットと同じ、糖が少ないハングリーな生地なのです。

次回はもう少し砂糖の量を増やしてみようかなと思います。コメントありがとうございました。

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いかに手早く手抜きして料理を作るか、ということばかり考えていた私は、反省して家族に申し訳ない気持ちになりました。

→ 家事は手早く手抜きするのはとても大切だと思います。多くの忙しいお母さんや奥さんはそんな時間をさけない方が大部分だと思います。ですから申し訳ない気持ちになる必要はないですよ〜!

私の発酵食品実験は趣味ですので、興味があって「その趣味やってみようかな」という方は無理しない範囲でお試しください。

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まるぞうさん感謝です。このパン子供にたべさせたい~!やってみま~す!

→ もし上手く行かなかったら教えてください。

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