大賀ハスのふるさとの会

東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催・ ハス文化の継承と普及を行うため組織されたボランティア団体です

2022年7月14日 蓮の開花報告: バージニアと普蘭店蓮が咲きました!

2022-07-15 20:44:09 | ハス
ハス品種見本園の一般開放が始まり、多くの皆様に世界の花蓮をご覧いただいています。ただいま咲いている品種の一部をご紹介します。

2022年7月14日現在、開花数約190、蕾数約370です。
まずはアメリカの黄蓮、バージニアをご紹介します。花は黄色で、一重の中型種です。アメリカはバージニア州の自生種。花は甘いキャラメルのような香りがします。
バージニア蓮の花弁の先は丸く、舟底形で、花弁の先に黒点があるのが特徴。葉は厚く、濃い緑色で丸い。葉柄が刺が少なくつるつるしていて、黄色味があります。葉面もつるつる! 実の形も丸くて、かわいらしいです。
次は普蘭店蓮(ふらんてんはす)です。大賀一郎博士の運命を変えたのがこの中国の古代蓮との出会いです。当時でも数百年の間、土の中に埋まっていたと考えられた普蘭店蓮の種を発芽させることに成功した大賀博士だったからこそ、のちの1951年、千葉の検見川の地で「大賀蓮」の種の発掘に情熱と確信をもって取り組むことができたのです!

碧台蓮(へきだいれん)です。花弁数100‐120枚の白八重咲種。花色はやや緑色を帯び、花弁は少し厚め。花径は20センチ前後と中型です。

巨椋の炎(おぐらのほのお)です。かつて京都にあった巨椋池では多くの蓮の品種が生まれています。

下の蓮は、紫金花と巨椋の炎の交雑種です。
真如蓮です。端正な大型の白一重種。神々しくて近寄りがたいほどです!
西湖紅蓮です。

即非蓮です。花弁数20枚、花径12‐18センチの小・中型品種ですが、見本園では20センチほどの花を咲かせています! 花色は桃色、条線(花弁に走る筋)が鮮明で美しいです。花弁の先端がとがっていて、左右両側が少し折れ込んでいます。

中国からやってきた千弁蓮(せんべんれん)です。1995年中国湖北省当阻玉泉寺から導入されました。花弁数の多い、珍しい品種です。

千弁蓮の外弁は咲き始めが薄桃色で開花が進むと中心から濃紫紅の花弁が現れてきます。花托が分岐して2~5個位になることもあるし、分岐しないで咲く場合もあります。花弁は2000~4000枚!花径は24~26cm。
開花はじめの千弁蓮です。違う花のようですね! この品種は花が重いので支柱をたてています。

藤壷蓮(ふじつぼはす、とうこれん)です。桃一重大型有条。花弁は全体に桃色で弁先や縁辺が濃く、条線が鮮明です。弁の幅は広く、花つきもよい。江戸期の図譜にも描かれており紅蓮種では代表的な品種の一つ。

酔妃蓮(すいひれん)です。孫文蓮ともいいます。中・大型の爪紅種で、花色は白地に先端がピンク色の可憐な蓮です。開花初期は全体にピンク色をしていますが、しだいに白くなり、先端だけにピンクが残ります。あたかも酔っているお妃の顔のよう。

咲き誇る蓮のほんの一部しかご紹介できませんでしたが、ぜひ会場へ足を運んでいただければと思います。大賀ハスのふるさとの会のボランティア一同、お待ち申し上げております。


開花状況の報告は以上です。

(担当: れい)
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ハス品種見本園の近くで見られる大賀ハスのご紹介

2022-07-06 13:23:31 | ハス
7月9日からいよいよ今年のハス見本園の一般開放が始まりますが、現在ご近所の数か所で大賀ハスが見られます。

千葉市花見川区役所の近くのしらさぎ公園です。ここは千葉公園と同じように千葉市が管理しており、大賀ハスのみが育てられています。7月5日午前10時の様子です。たくさんの花が咲いています。

蕾もたくさんありますので、まだまだ楽しめますね。


しらさぎ公園のあと、隣にある千葉市立瑞穂小学校に向かいました。こちらでは4年生がレンコンの植え付け実習をしています。大賀ハスのふるさとの会もお手伝いしましたが、その時のことは2022年4月25日付のブログ記事をごらんください。
校庭の外から見てきました。

隣接する花見川区役所裏の駐車場から写真を撮りました。

品種の名前が確認できませんでしたが、知里の曙のようなピンクの花とか真っ白な花とか、葉っぱも大きく、たくさん咲いていました。

こちらは花見川区役所の中庭にある大賀ハスです。一本はすでに咲き終わっていますが、まだ蕾がありますので、これから咲いてくれるでしょう。


下は千葉市立花園公民館の大賀ハスです。今年も立派な花がたくさん咲いています。同じ7月5日午前9時40分の撮影です。


最後に千葉市立花園中学校のハス池です。「大賀ハス」と「知里の曙」と「スイレン」のマスがあります。そのうち大賀ハスは6月21日と29日に開花しました。これは6月29日早朝に撮った写真です。

右に見えているのが知里の曙の蕾です。
7月4日の朝にはその知里の曙の一本が開花していました。すでに咲き終わった知里の曙もあるようですね。


ハス品種見本園の一般公開にご来場くださる皆さま、またご近所にお住まいの皆さま、以上のようなところにも大賀ハスがたくさん咲いています。ぜひご覧になってくださいませ。

(担当: えむ)

追記(2022年7月7日):
今朝9時半ごろに花園中学校のハスを見に行きました。そしたらなんと、2本も開花していました。知里の曙です。上の写真(7/4)では蕾でした。2本も咲いていると豪華ですね。


(えむ)












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2022年3月28日 蓮の植替え作業

2022-04-01 19:31:49 | ハス
2022年3月28日、29日、30日、ハス品種見本園の一部の蓮を植え替えました!
蓮は3年に1回のペースで植え替えを行わないと、弱って咲かなくなります。さらに放っておくと、蓮根が腐ってしまいます。過去のデータを見ながら、どのマスのどの品種を植え替えるかが決められました。

予算の関係上、今年は厳選された12品種だけを植え替えることにしました。理想的には100品種以上ある蓮のうち、毎年35品種ほど植え替えたいところですが、資金不足のボランティア団体の力では、この規模の植え替えが精一杯です。
まずは中国から持ち込まれた貴重な普蘭店蓮(ふらんてんばす)とアメリカの黄色い蓮、バージニアを植え替えました。

植え替えの作業としては、マスの水抜きをして、重機を使って中央部分の泥を掻き出します。

次に、マスに入って壁に沿って成長した蓮根を手作業でていねいに掘り出します。この気を使う作業中、蓮根が折れるポキッという音がすると、ちょっと気まずいムードになります......!
新しい土はトラックで運び込みます。

蓮の土に最適なのは、荒木田(あらきだ)という田んぼの土をベースに、畑の黒土、腐葉土、化成肥料や鶏糞を加えて混ぜ合わせたものです。
混ぜ合わせた土に水を加えて良く搔き混ぜます。泥状になったマスのなかに、蓮根を植え付けます。今年は国内の貴重な品種である妙蓮を植え替えました。

植え付けるときは、蓮根の頂芽(ちょうが)を上に向けてそうっと水平に埋め込みます。2メートル四方のマスには、蓮根5~6本を植え付けます。
大賀蓮も植え替えました。

沈めた蓮根が浮いてこないように、やさしく水をさらに加えれば植え付けが完成です。
3日間にわたって作業を行った12のマスは次のとおりです。
普蘭店蓮、バージニア、漁山紅蓮、西施殿、千百万、玉繍蓮、八重茶碗蓮、ベトナム蓮(白)、大賀蓮、妙蓮、淀姫、不詳(交雑してしまったために新たに品種を植え付け)

蓮の植え替え時期は、桜の咲く頃です。敷地内のロータリーでは、きれいなソメイヨシノが咲いていました。

当会の顧問である南定雄先生をはじめ、重労働に携わったボランティアの皆様、お疲れ様でございました!

桜の写真をはじめ、この記事の多くの写真は当会のボランティアO氏が撮影したものです。ご提供ありがとうございました。

(担当: れい)
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2022年3月26日 ハス栽培講習会を行いました!

2022-03-29 13:03:54 | ハス
今年のハス栽培講習会は、多くの参加者とともに活発な雰囲気のなかでの開催となりました。気温18度の曇り空のもと、まずはご来場の皆様へ大賀ハスのふるさとの会からのご挨拶をさせていただきました。
(当会のボランティアO氏撮影)

屋外パネルの前では「ハス守りさん」による大賀ハスの説明がありました。「ハス守りさん」とは、大賀ハスに関する知識や栽培方法を習得し、大賀ハスの名所や栽培地における学習・栽培・ガイド・イベント等で活動するボランティア人材です。 当会にも数名のハス守りさんが在籍しています。

(O氏撮影)

大賀一郎博士と2000年の眠りから覚めた大賀ハスの発掘のドラマを紹介する紙芝居が披露されました。
(O氏撮影)

いよいよハスの栽培に関する講習です。大賀ハスのふるさとの会の顧問である南定雄先生による分かりやすい説明に、熱心に耳を傾ける参加者の皆様です。

(O氏撮影)

栽培方法の説明のあとは、実際の植え付けのデモンストレーションを行いました。


今回お渡しした小蓮の主な品種は、次の通りです。どの蓮を持ち帰ることになるのかは、受講後のお楽しみです。
八重茶碗(やえちゃわん)
小酔仙(しょうすいせん)
小寿星(しょうじゅせい)
粉霞(ふんか)
火花(ひばな)
娃娃蓮(あいあいれん)
揚州椀蓮(ようしゅうわんれん)


ハスの見本園には、ヤゴを咥えたハクセキレイがいました。千葉市検見川の里山のワンシーンです。
(O氏撮影)

本日の蓮を育てる講習会がハス文化を広めるきっかけになれば幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!


(担当: れい)
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2021年10月18日 花園公民館の大賀蓮がまだ咲いています!

2021-10-18 11:35:34 | ハス
10月も後半ですが、千葉市花園公民館では大賀蓮がまだ咲いています。下の写真は、本日の午前11時に撮った開花1日目のものです。

昨日は急に気温が13℃まで下がったので、咲くかどうか心配でした。下の写真は、同じ花の昨日の朝の状態です。

まだつぼみが2つ残っていますので、こちらも無事に咲くことを祈っています!

花園公民館の玄関前の池には、大賀蓮の説明書きがあります。その一部をご紹介します:
大賀ハス
1951年3月、東京大学総合運動場の地下より発見された3粒の種がその年の5月に発芽し、翌年7月18日に開花した古代ハスで、約2000年前のものと推定されている。
千葉県天然記念物/千葉市の花
大賀ハスの花期は、6月下旬から7月下旬とされています。今年の夏は猛暑だったとは言え、現在も咲いていることに驚いております。

こちらの蓮は、大賀ハスのふるさとの会のボランティアM氏が心を込めてお世話しています。ぜひ咲き終わる前にお立ち寄りくださいませ。


(担当: れい)
コメント (3)
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