かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

執念は会社を生き残らせる。

2013-04-17 | 事例
「そんな馬鹿な。今時1年間、仕事が無くても潰れなかった会社なんかある筈が有りません よ。」
「本当ですよ。」横から税理士が口を挟みます。
「私、この会社の事は何年間も見させて頂いて居りますが、前期1年、収入らしい収入は有 りませんでした。
 それで居てリストラはして居る訳でないし、銀行返済も約定通りして居ります。それだけの蓄えも有りました。
 其れがリーマンショック後ストーンと来て。」

「今期になって、若干注文は入って居りますが、必要資金の半分にもなっていません。
 今月は返済は何とかできますが、来月、月初めの給料と手形だどうにもなりません。
 破産するより他、手は無いものでしょうか。」
さすが社長も元気が有りません。

「それで社長はどうしたいの?」
「どんな犠牲を払っても続けたいです。内と同じ技術を持った会社は日本でも少ないと思います。
 私はこの芽を枯らしたく有りません。今回は、この技術さえ有ればお客はある筈だと一寸自惚れて居たのが原因でした。
 この経験を生かしても、会社は続けたいです。」

会社中、技術技術で走ってきたせいか、資金の事は幼稚園生です。
漸く、支払手形と人件費をを半分にし、返済は金利だけ、にすると今月と来月は回りそう
と云う事が詠めて来ました。
其の後は受注次第です。3分の1は前金ですから受注が有れば助かりますが、甘い予想でも
半分にも満ちません。

「普通の人が見れば破産でしょうね。でもひょっとすると助かります。
 辛いですよ。我慢出来ますか。それでも成功するとは 限りませんよ。」
「やります。どんな事でもやります。」
続かない見通しの方が強いな。でもやれるだけやってみるか。私の腹の中でした。

その場で日繰表を作りました。
必用な支出の半分以上カットが必要です。
手形の切り替え、給料の遅配。銀行との折衝。今まで何一つ経験のない、技術屋にやらせます。
私の結論は決まって居ました。
社長の交渉が失敗しても払わないだけです。
万一手形が不渡りになっても、工場が競売で売れるまで2年は有るだろうと読んで居ます。
社員は半分以下にする予定ですから、辞める者が出ても構わないという考えです。

こうした私の腹のうちが見えたのか、社長も頑張りました。
私の注文を全てやって除けたのです。
その間、何回、私に怒鳴られたか、でも必ず再生するんだと云う意識が成功させたの
でしょう。

後はこんな交渉ばかりが続きました。
3ヶ月目が一番きつかったです。どうやっても不足です。
15%の金利を覚悟して探しました。
借りる交渉は社長です。
宣伝文句は出鱈目、貸せないのですが、それでも若干は借りれました。

彼は昔の同窓生、何人にも頭を下げたらしいです。
「駄目でした。でも私は、直ぐに彼らに追いつきますよ。」
笑うような泣くような表情が忘れません。

こんな調子で、5-6ヶ月は乗り切りました。
全然楽になりません。彼が見込んでいた受注が無いからです。
ラインの自動化の促進設備です。定期的に受注がある仕事では有りません。
詰り注文見込みが希望的でした。見込みは用心しても甘くなるものです。
宣伝をする費用は有りません。せいぜいホームページが背一杯です。

こんな時、彼は県の中小企業の再生支援を何処から聞いてきました。
「つい最近まで中小企業再生支援協議会と云うところが力になると云いながら、
 最初に調査して多額の調査料をとって居ます。其れと違うならば話を聞くのは結構です。」
直ぐに現なまになりそうでも有りません。
悠長な事はやって居れないが、まあ仕方ないなと云う思いでした。
ところが最後にここが救ってくれたのです。

県の100%援助で東南アジアの見本市に出品できたのです。
此処でこの社の技術が一躍注目を浴びたのです。
問い合わせや引き合いが急に増えました。
勿論直ちに成立にはなりませんが見込みが出来たのです。
県も喜び、なおも力になってくれることを約束してくれました。

一方其の頃、会社はもうどうしようも無い状態でした。
県にぶちあけ、県からの融資をお願いしよう。駄目だったら倒産だ。腹を決めた時、
思いがけなく、大手企業から受注が入りました。あの海外の展示会の時に知り合った
所です。前金で何とか繋がります。
彼の執念が憑きを呼んだとしか思われません。

之を期に国内のオファーも増え始めたんです。

最初、社長と話し合った時から2年あまり過ぎて居ました。
従業員は4分の1になり、且つ遅配です。公租公課も延ばせるだケ延ばして居ます。
満身創痍ですが、何とか再生できそうだと云う雰囲気は生まれました。

社長の行動が日繰表に左右されないようにはまだ1年以上懸かるでしょう。
しかし今度は本物です。筋金も入りました。
社長の会社に対すれう執着心。人一倍強い執着心がそうさせたと思います。


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4月16日(火)のつぶやき

2013-04-17 | 事例

いきなり支払督促の訴状、放って置いたら近くの金融機関の3行の差押。空振りした。そしたら今度は訪問予告と云う書類を送ってきた。このサービサー、やることが逆と思うな。先ず話し合いの訪問を第一にして壊れたら訴訟にするのが普通だ。一寸舐めたやり方、素直に話し合う気持ちになれない。


保証人が債務者と連名の残高支払いの契約書が出てきた。保証人が作ったものだ。之がなければ時効間違いない。保証人がこんな事をした理由はさて置き、サインはワードだが印は債務者のもの。債務額4億超だから時効にしたい。裁判にしたが、世の中考えられない事が発生する。