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NHKスペシャルうつ病治療 ここまでやるの!

2012-02-15 10:21:37 | インポート
 2月12日(日)午後9時からNHKスペシャル「ここまできた!うつ病治療」をみました。最初の治療方法は磁気刺激によるものでした。うつ病患者は前頭葉の血流量が少なくなっているということでした。前頭葉の左側にあるDLPFC(背外側前頭前野)という意欲や判断をつかさどる機能を磁気刺激により活性化させ、不安や恐怖、悲しみなどの感情が過剰に活動している「扁桃体」を押さえ込むことで回復させる方法です。一日40分くらいの治療を継続することで回復していくようです。
 次の方法は、脳深部刺激DBSという方法で、胸元に埋め込んだ電源から電気を流し、うつ病のカギを握る神経回路の要である25野という部分に電気刺激を与えることで不安や悲しみの刺激を抑えるということでした。25野を刺激するとへんとう体やDLPFCにも作用し、脳を正常な状態に戻せるということでした。
 ここでは、「なぜ」うつ病になったかは問いません。医療としての「治療」です。胃が痛ければ胃薬を処方するというようなものです。カウンセラーとしてはなかなか納得しにくい方法です。すべての問題は本人の自己責任であり、そうなった環境については問わないのです。正直なところ、「ここまできた!」というよりは、「ここまでやるの!」と、ある意味では大変怖いと思いました。
 では、カウンセリングは無力なのでしょうか。番組では、最後に、軽度のうつ病には「認知行動療法」によるカウンセリングを行うことで、「磁気刺激」と同様の効果があることが紹介されています。つまり、考え方や行動パターンを自らが変えることで、環境に適応し、前頭葉の血流がよくなり、扁桃体の暴走を押さえることができるということです。「ことばの力」が「磁気刺激」同様の効果を脳に与えるということです。