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人工透析で障害基礎年金2級(初診日を確定させるために半年以上かかりました)

2022年06月14日 18時32分55秒 | 障害年金

所沢市 40代  女性

相談内容

若い頃から長く潰瘍性大腸炎で苦しんできた。7~8年前潰瘍性大腸炎で障害年金を申請したが不支給だった。これとは別に10年くらい前から腎臓の検査数値の悪化を指摘されるようになった数年前から徐々に腎不全が悪化し、最近人工透析をせざるを得ない状況になった。障害年金の申請をして欲しいという依頼でした。保険料の納付状況は二十歳からほとんど未納は無かったが、一部の期間で3年以上後納していた期間があったので初診日を確定させる必要があった。

但し彼女は既にこれとは全く別の障害で障害基礎年金2級を受給中で、今回の人工透析が認められても、障害等級が2級→1級となるだけで受給金額は年額20万円程度しか上がらないので、私への報酬は、増額分の2月分程度の約束をしました。

経過

彼女は二十歳前から潰瘍性大腸炎で苦しんではきたが、腎不全の症状の初診日はいつか?

当初は10年ほど前に行った漢方のクリニックで腎機能の低下を指摘されたとのことだったしかし、現在透析を受けている病院で診断書を記載していただくと、同じ病院で15年ほど前に腎機能の低下を指摘された入院記録があったので、その日を初診日として申請した。

申請時にその入院記録を添付したが、その中で、前医で既に腎機能の悪化を指摘されていたような記載があったので、年金事務所の担当者が、前医が初診日の可能性が高いので前医で初診の証明をしてもらうよう指示された。

前医である東京都内の某大学病院行くと、書類の受付だけで2時間近く待たされた。1月後書類の受け取りに行くと、受け取るだけで1時間近く待たされだ。片道2時間近くかかるので1日仕事になってしまいます。

この頃依頼者からは手続きはどうなっているのか、もう止めたいと言った電話が何回かあったが、何とか彼女に状況を説明して納得してもらった。

ここで言われたのが、潰瘍性大腸炎で治療はしているが、腎臓関係では治療していないし、腎機能の悪化を指摘はしていないとのことだった。確かに検査数値は悪いが、自覚症状は出ないレベルでした。

その旨年金事務所に伝えると、入院記録では前医で腎機能の低下を指摘されている。と書いてあるので、絶対に記録があるはずだ。無いなら、無い証明が必要だ。との指摘があった。

仕方が無いので、その某大学病院でのカルテの開示請求をすることになってしまった。さらに1月待って紙袋一杯のカルテを受領した。そこでカルテを入念にチェックすると、潰瘍性大腸炎の治療薬で検査数値が悪化し、その薬を止めると症状が改善した指摘があった。

従って、この大学病院では腎機能の悪化を指摘していないと判断し、当初の漢方のクリニックを初診として申請することにした。しかしこの漢方のクリニックにもカルテは残っておらず、他のいろいろな資料を付けてやっと申請が受理された。

申請して2月くらい経過すると、年金事務所から初診日は潰瘍性大腸炎の初診日が妥当であるから、不足する資料を整えるように指示がありました。何年か前に依頼人自ら潰瘍性大腸炎で申請し不支給になったことがあったので、その時の資料を参考にして、不足する資料を整えました。結局初診日は二十歳前となりました。

結果

暫くして障害基礎年金2級が決定しました。 ただ今回の報酬は増額分の2月分(約4万円)となり、これまで私の経験では、1回目の請求(裁定請求)では最も時間がかかり、訪問した病院はかなりの遠隔地を含めて10か所以上になって、大赤字でした。

受給が決まった時彼女から「ありがとうございました」の声が救いです。

 

うつ病など精神障害での障害年金はお任せください。

〒358-0002 埼玉県入間市東町1-1-35

特定社会保険労務士 小木曽 弘司

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森田療法について

2022年06月09日 10時42分39秒 | 障害年金

2~3年前、障害年金の手続きをした方が、かつて森田療法で治療を受けていたことを知りました。障害年金に係わるようになって精神疾患で手続される方が非常に多い中で、森田療法での治療経験があるはほとんどありませんでした。しかし森田療法についていろいろ調べていくうちに、薬物療法ではなく、精神療法に重きを置き心の自然治癒力を高める森田療法について知っていただきたいと思うようになり、障害年金とは直接関係がありませんが、ここで簡単に紹介しておきます。

 

1 「かくあるべき」 から 「あるがまま」へ

  森田療法の基本原理は 自分らしく「あるがままに」です。

  不安や恐れ、落ち込みが増大するのは「かくあるべき」こうあるべき、と言った思いにとらわれて、自分を責めたり、その状況から逃避した   くなったりすることから来ることが多い。例えば「いい人と思われたい」「期待に答えたい」「うまくやりたい」と言った「かくあるべき」と言った思いが、達成できなかつたり、自分の思いがかなわなかったとき無理にそこから脱却するために何とかしようともがくのではなく、今の「あるがまま」の自分と付き合ってみようと考えて、自分をよりよく生かしていくことを目標にしています。

2 薬物療法ではなく、精神療法を基本とする。

  精神療法とは薬物によって脳の神経伝達物質等をコントロールする方法と違い、精神症状を引き起こす根本にアプローチする治療法です。昨今ほとんどの精神科医が薬物療法を基本的な治療方法としています。それほど重度とは思えない方に、10種類以上のお薬が処方されていることも多々あります。 精神疾患の薬には特効薬はなく、必ず副作用もあり、できることならあまり薬を使わず、自力で治したいと考えている方も多いのではないでしょうか?

  森田療法では薬を使わないわけではないですが、限られた範囲で薬物療法がおこなわれるようです。

 

3 森田療法が効果的な病気

  一般的には神経症と言われる、不安症、強迫症、恐怖症、身体症状症、パニック障害、

 潔癖症、うつ病、一部の心身症等が効果的とされています。統合失調症、パーソナル障害、依存症などはあまり治療を行わないようです。

 

4  入院療法が基本ですが、外来療法も受けることができます。

  入院療法は一般的には2~3月必要とされていますが、1月程度の短期入院も効果をあげているようです。入院が難しい方は外来療法もしています。日記療法等森田療法独自の治療方法がとられます。

 

5 森田療法医療機関 (関東地区)

  慈恵医科大学病院 森田療法センター (入院可能)

  東邦大学医療センター大森病院   (入院可能)

  その他 15か所程度のクリニック等(外来のみ)

 

 森田療法は森田療法学会認定医、認定心理療法士等によって行われます。

 

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高次脳機能障害、もやもや病 で障害厚生年金2級

2022年06月04日 10時54分21秒 | 障害年金

40代 女性 所沢市

相談内容

女性のご主人から話がありました。10年くらい前から妻が難病指定されているもやもや病だが、最近これが原因で脳梗塞も併発し、一時期会話が全くできなくなってしまった。今は何とか会話ができるようにはなったが、体にも麻痺があり、病院のケースワーカーから障害年金が受給できるかもしれないと言われたとのことでした。

経過

10年以上前から、いびき、短時間の意識消失のどのてんかんの症状で脳神経内科、精神科に通院していたが、7年ほど前に脳の精密検査を受けた方が良いと言われて、頭部CT,血管造影検査等を行ったところ、難病指定されているもやもや病と診断された。その後、脳神経外科で手術を行い、症状は比較的安定していたが、軽度の失語症があり会話がうまくできなくなって、軽い清掃程度の仕事しかできなくなっていた。最近なって、脳梗塞も併発し、一時的ではあったが、全く会話ができなくなってしまった。半身の麻痺も残って、動作も緩慢になっていた。ここで問題になるのは①初診日はいつか②失語症、肢体の障害もあり傷病名を何にして、診断書は精神で良いのか? と言いうことでした。

  • 初診日について・・・ 10年以上前から精神科に通院しているが、7年ほど前に脳の精密検査の結果もやもや病と診断された。 よってこの日を初診日として申請することにした。

但し、この日を初診日とする理由を資料と共に添付した。

  • 診断書について・・・ 脳梗塞を含めて脳の機能障害による症状と考えられるので高次脳機能障害と考えて精神の診断書を使用することとした。

診断書は精神科ではなく、脳神経外科で、リハビリの先生に検査等をしていただいた。

叉保険料の納付要件については初診日以前10年以上厚生年金に加入されていて、全く問題はありませんでした。

結果

障害厚生年金2級が決定しました。 

精神の障害等級の目安として「精神障害に係わる等級判定ガイドライン」(通称ガイドライン)がありますが、その目安から今回のケースは3級相当でしたので、2級の判定には驚きました。おそらく、失語症、肢体の不自由を考えての結果と考えられます。

 

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