相談内容 50歳代 男性 川越市
膠原病(注)の一種である多発性筋炎で会社を退職せざるを得なくなった。日常生活にも支障があり、障害年金は受給できないかとの相談でした。
多発性筋炎は難病指定されており、筋肉の炎症により、筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、痛んだりする病気です。皮膚に腫れぼったい紅斑ができる場合は
皮膚筋炎と呼ばれ、そうでない場合には多発性筋炎と呼ばれます。有効な治療方法は確立されておらず、相談を受けたときには、自力で歩くことはできず、屋外は杖をついて数十mやっと歩ける状態でした。普段は車椅子でした。手にも力が入らないのでかなり不自由でした。又動くと痛みがあり辛そうでした。
経過
初診日については、当初からの病院を変更されておらず、すぐに決まりました。30年近く同じ会社で就業されており、保険料納付要件も問題はありませんでした。
筋肉の炎症により、腕を上げる、立ち上がる、座る、歩くといった日常生活に必須の動作に支障があり、「肢体の機能の障害」として診断書を記載していただくことにしました。
日常生活の動作について、詳しく記載した資料を添付して、作成を依頼しました。しかし主治医が皮膚科の先生であったせいか、1ヶ月近くたって、未記入箇所が多い診断書ができてきました。 その後何回か病院に行き、診断書の修正、再作成を依頼しました。最終的には、リハビリの先生の意見で作成されたようです。
結局、診断書の作成に2ヶ月近くかかりました。
結果
3ヶ月くらい経過した後、障害厚生年金3級が遡及適用で決定しました。
屋外は杖が無ければほとんど歩くことができず、2級でも不思議ではない症状でした。障害認定基準と、診断書の記載内容を詳細にチェックすると、2級であるはずだ。2級でなければならない。と思い審査請求を行いました。しかし信じられない理由で棄却されましたので、再度、審査請求とほぼ同じ内容で再審査請求を行いました。公開審理の連絡がきた直後、社会保険審査会から再審査請求を取り下げるよう連絡があり、結果的には審査請求が認められた形となりました。
これにより、2級で、5年の遡及適用となりました。
注)膠原病とは
膠原病には、多発性筋炎・皮膚筋炎以外に、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、結節性多発動脈炎などの血管炎やリウマチ熱が含まれます。コラーゲンと膠原は同じです。近年これらの病気は、コラーゲンの異常だろうと判断されて膠原病と総称されるようになりました。この病気の筋肉、関節、皮膚等に対するいろいろな症状は自分の臓器に免疫反応が起きていることが原因とわかっていますが、有効な治療方法は確立されていません。
うつ病など精神障害での障害年金はお任せください。
〒358-0002 埼玉県入間市東町1-1-35
特定社会保険労務士 小木曽 弘司
tel 04-2937-6856
e-mail ogiso0827@oregano.ocn.ne.jp
URL http://ogiso-sharoshi.com/
相談内容 40代 女性 川越市
数年前、うつ病で障害年金を申請したが、初診日が10年以上前で当時のカルテや診療記録が何もなく、はっきりしないまま自分で裁定請求したが、そのことが理由で不支給になった。第三者証明ができそうなので何とかならないか?との相談内容でした。
経過
最初に、前回申請した資料が何もなかったので、年金事務所に受診状況等証明書、診断書等の控えを請求しました。
その内容から
〇 3番目に受診したクリニックの受診状況等証明書で、初診の病院の名称、受診のおおよその時期が記載されていたので、重要な参考資料になる。
〇 数年前だが診断書の記載内容から、現在の症状が大きく変わらなければ、3級に認定されるか可能性が高い。
平成27年9月に 「障害年金の初診日を明らかにすることのできる書類を添えることができない場合の取り扱いについて」において厚生年金保険の施行規則が一部改正された。
この中で
「請求の5年以上前に医療機関が作成した資料(診療録等)に請求者申し立ての初診日が記載されている場合には、初診日と認めることができることとする。」
「資料により初診日のある年月までは特定できるが、日付が特定されない場合には保険料の納付要件を認定する時点や遺族年金における取り扱いを踏まえ、当該月の末日を初診日とする。
とされている。
従って、3番目、4番目に受診した時のカルテの開示請求をしたところ、はっきりとした日は不明だが、年月までは記載されており、上記の条件に当てはまることを確認しました。
よって、第三者証明は不要と判断し、開示請求したカルテを添付して裁定請求しました。
ただ認定日の頃の診療録は無かったで、現在の症状のみの診断書(事後重症)でした。
結果
約3か月後、障害厚生年金3級に決定の連絡がありました。添付したカルテは、非常に判読しにくく、明らかな誤記もあって、少なからず不安もありましたが、何の問い合わせもなく、意外と早く決定されました。初診日に限らず、諸規則は頻繁に改正されます。一度不支給になった事案でも専門家に相談してみることをお勧めします。
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