つぶやき・のおと

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「二重の空」  邦楽とのこぎり

2007年10月04日 | 音楽・演奏とか
先日の発表会で、久々に邦楽曲に挑戦した。
タイトルは「二重の空」。合奏した原先生のオリジナルだ。

原先生との合奏はこれで3曲目。「春の海」「明鏡」そして「二重の空」。
それに使う邦楽器は、「箏」「三絃」そして「胡弓」。あ、なんか一通り?(笑)

今回の合奏にあたっていえば、「のこぎり演奏教室の発表会」であるが故に、まず「胡弓」を演奏していただきたかった。
それは、以前何人かの方に「のこぎりって胡弓の音に似てる」と言われたこともあり(おそらくは二胡と間違えての事とも思うのだが)、実際には「擦奏楽器」「フレットレス」「哀調ある音(これは私も原さんも素直に肯きたくない面もあるのだが)」と、共通部分も多い。
で、胡弓をお願いする一方で、やはりのこぎりを邦楽と合わせたいという欲求もあるわけです。ただし、邦楽に明るくない私としては、「胡弓とのこぎり」に相当する合奏曲があるのかどうかなどとわからない。
そんな中、原先生のHPを拝見したら、自作曲で「胡弓と沖縄胡弓の二重奏曲」というのが記述されていた。
「コレだ!」(沖縄胡弓なんて知らないが、この際それは考えるまい・笑)

いただいた楽譜は、平行調による沖縄音階と都節音階の合奏。(ともに♭3つ)
とりあえず、ピアノで音の確認。 面白い!
当然のこぎりが沖縄胡弓を担当します。

全体的には沖縄音階と都節音階が交互に旋律を奏でるのですが、最後にはそれが同時に発音されるので、正直つられます。
今回、わずかな練習時間しかなかったのですが、どうにかこうにか本番は形にすることが出来ました。これは、昨年結構必死に「明鏡」に取り組んだお陰だと思ってます。

私の場合、何れの曲も5線譜で読みますが、邦楽曲(雅楽や民謡もそうですが)の場合、いわゆる12音階で奏でても、面白くもなんともありません。
平均律では表せない微妙な音階の変化。揺らぎ。
更に実際にはその中に譜面に表れない「緩急」が多く含まれます。


私は調律をやる所為なのかもしれませんが、どうも耳が平均律に固定されてしまっている感があります。
その為に古典調律の美しいハーモニーのハズが、主旋律3度のズレを気持ち悪く拾って聴いてしまうということが、度々あります。すごく悲しい・・・

しかし、幸いなことに邦楽に関してはそれが当てはまらない。
むしろ、ズレたところに気持ちよさを感じたりします。これはウレシイ。。。


のこぎりはご存じのように完全なるレガートな楽器なので、西洋音楽では気になる微妙なズレが邦楽では存分に生かせる。(デタラメではいけませんが)
(もっとも、西洋音楽でも気持ちよいズレというのは多数存在してるし、私もそれを認識した上で気持ちよく聴いてる曲も多数あります)
ズレでないにしろ、半音(それ以上)の『ウワン』という移動(スラー)を思うままに鳴らすことが出来る。このパフォーマンス性はひょっとしたら胡弓や尺八以上かもしれないとさえ思えます。

私も以前三味線(地唄)を習ったことがありますが、それは楽器に興味があったからで、演奏表現そのものは未だに素人です。
だから、上記3曲も結局今のところは、自己流に過ぎないのですが(といっても、多少のお稽古はつけていただいたので無手勝流と言うことはないと思います)、現時点で思うことは「のこぎりは邦楽と非常に相性がよい」です。

せっかく日本人としてのこぎりに出会えたんだから、「和」の音の世界をもっと広げられたらなと思う今日この頃です。

ちなみに先日の「二重の空」で、私なりに沖縄音階と都節音階を弾き分けてみたんですが分かった人いる?