ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

永平寺に泊まった18歳の私

2018-10-06 23:45:24 | 日記
NHKオンデマンド放送で
「永平寺ー禅の世界」という番組を見た。

こう見えても(見えてはいないが)
仏教や禅には興味があり
その分野の本だけは結構読んできた。
ほとんど覚えていないし何も学べていないのが
なんとも残念ではあるが…。

番組は素晴らしかった。
私語も許されぬ厳かな雰囲気の中
若い雲水たちがひたすら修行を積む。
食べるのも寝るのも、すべて修行のうち。
寝る姿勢すら決まりがあるのだから
だらしない生活を送っている私からしたら
とんでもない話である。

実はそのとんでもなくだらしない生活を送っている私が
18歳のときにユースホステルを使っての北陸一人旅を計画し
こともあろうか
寺の中にユースホステルを設けていた永平寺に
宿泊を希望したのである。

18歳。
怖いものは何もなかった。

今はどうか知らないが
当時のユースホステルはまず会員になり
指定された宿泊先に直接、宿泊希望を書いた往復葉書を送る。
了解の旨が返信葉書で届いたら
それで手続き完了である。

しかし私は、この手続きをすっ飛ばした。
泊まりに行きます、よろしくお願いします!と
往復葉書を出したはいいが
返事を待たずに3泊4日の北陸の旅に出たのだ。

なんとまあ…
永平寺の担当者は、どんなに驚いたことだろう。

金沢の街や東尋坊を見て周り
いよいよ最終日は永平寺宿泊。
精進料理をいただきいて眠りにつき
朝は雲水が鈴を鳴らしながら廊下を走る音に目覚めてから
観光気分満載で永平寺の境内を歩き
楽しかったわ~!と能天気に家に戻る。

すると、そこに
今にも泣きそうな顔をして私を待つ義母がいた。

「心配してたのよ。永平寺の方から電話があって
お返事を出す前に出発されたようですが
とりあえずお泊めしますからご安心くださいって」

あっちゃ~!
義母にも心配をかけたが
そんなこととは露知らず、永平寺さん、ごめんなさ~い。

それから42年。
永平寺の歴史を知り
先日の番組で若き雲水たちが
そこで並々ならぬ修行の日々を送っていると知り
改めて、深く、私は反省した。

旅のついでにお寺に泊まっちゃおう!
そんな軽い気持ちで行けるところではないのだよ。

若き日の体験が今の私の基礎になっているとは思う。
でも
若き日の無謀さ、勝手さが
今振り返ると怖ろしい。

この場を借りて
あのとき永平寺で修行していた方々にお詫びしよう。

修行の邪魔をして
申し訳ありませんでした。