ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

ジジイの余命

2015-12-26 02:04:46 | 日記
ジジイXが、そろそろ天に召されるらしい。

「素手で股間を洗え」のジジイXが
血痰や呼吸困難、その他さまざまな症状を訴えたことにより
とりあえず、の入院となった。

4日後、60の娘に支えられながらヨロヨロと退院してきた彼。
検査の結果
不整脈はあるがそれほど心配する必要はない
血痰はワーファリン(血液をサラサラにする薬)の効き過ぎであるという。

しかしジジイは病院でその説明を受けてもなお
自分は血を吐くほどの大病と信じてやまず
退院してウチに戻るタクシーの中で、娘に言ったのだそうだ。

「私の余命はあと2週間」と。

父親を崇めていた娘だが
「素手で股間を洗え」事件以来“くそじじい”呼ばわり。

退院時も
「このくそじじいが余命2週間だなんて言ってるんですよ。あはははは!」
と、耳の遠いジジイの腕をとりながら豪快に笑っていた。

さて、それから3日。
自ら宣告した余命も、残すところあと1週間だ。

明らかに弱っている。
ヘルパーをメイドと呼び
入浴援助の際は素手で股間を洗うよう要望し
慶応ボーイを鼻に掛けて障害を持つ高齢者をバカにし
気に入らないことがあると杖を振り回していたジジイが
借りてきた猫のようになっている。

死期が迫っていることをアピールしているのかもしれないが
これまでの悪行三昧に辟易している周囲の女性たちは
誰も、彼を労わろうとしない。
誰も、彼に声を掛けようとしない。

孤独なジジイX。
こうやって静かに消えていくのか。

いいや。そんな姿にだまされるものか。
自ら宣告した余命2週間を超えたら
ヤツはきっと、勢いをつけて復活するに違いない。

大丈夫。そんなに心配なさらないで。
アナタはまだまだ長生きします。

明日ヤツに会ったら
にっこり笑って慰めてあげよう。

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