ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

母の人生

2019-11-20 01:36:00 | 日記
実母の話。

私が9歳のときに若い男と駆け落ち(のちに結婚)した実母の話は
これまで何度も書いている。

今年になってその男が亡くなったと知らされたことも
この間書いた。

今回はその続編である。

細かい話は省くが
母の成年後見人となった男性から、先週、電話があった。

夫を亡くし
引き取ってくれる身寄りもなく
その上認知症による記憶障害が激しくなった母は
生活保護を受け
社会福祉士が成年後見人となって
今月からグループホームのお世話になっているという。

「亡くなったご主人の財産を整理したところ
1000万ほどの貯金がありまして」と、成年後見人。
そのうちの何割かを男の弟が相続し残りは母のものになるが
母は生活保護を受けているため
ほとんどが没収されるのだそうだ。

1000万円?
その額を聞いて、驚かずにいられない。

駆け落ちしてから10年ほど経って
母と男は東京に舞い戻ってきたが
男は仕事に恵まれず
決して裕福とはいえない生活を送ってきた。

たまに連絡を取っていたので知っているが
それは今の私からしても情けなくなるような
つましい暮らしぶりだった。

ところが、実は1000万円も貯金をしていたという。
子供を持たなかった二人は
老後に備えてコツコツ、コツコツとお金を貯めていたのだろう。

それが、結局は何の役にも立たなかった。
男は70代半ばで人生の幕を下ろし
母は何も理解できないまま
グループホームで余生を過ごすことになってしまった。

すべてを犠牲にした若き日の恋の逃避行。
その末路が、これか?

やりきれなくて涙も出ない。