ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

私のスーパースター

2019-09-05 01:05:08 | 日記
前回書いた「シークレット・スーパースター」の余談。

他にも一人、アーミル・カーンの映画の大ファンがいる。
介護学校で一緒に学んだ51歳の女性Kだ。

Kは去年、一人でインドを旅した。
行く先々でアーミル・カーンのファンだと言ったら
それだけで大歓迎されたという。
(インドでは国宝とも言われている彼、さすがである)

そのKに、「シークレット・スーパースター」を観てきたよ
と、ラインしたら
もちろん観てきたよ~!と、すかさず返事が。

そしてそのメッセージのあとにこう書かれていた。

「いま空港。これから一人でベトナム旅行に行ってきます」

彼女は現在、訪問介護のヘルパー。
未婚で、決して高いはずのない給料で一人暮らしをしている。

介護学校にいたとき
私は彼女の生活は大変だろうと思っていた。
(人の心配をしている場合ではなかったが)
ところがどうやってヤリクリしているのか
彼女は暇さえあれば美術館に足を運び
映画や演劇を楽しみ
年に一度は一人で海外を旅しているのだ。

出会ってから6年にもなるのに
去年、初めて聞いた。
実は彼女
父親がいない中で母・弟と生活保護を受けながら暮らし
商業高校を卒業して就職したものの
大学進学の夢を捨てきれず、早大を受験。
合格してからはバイトと勉学に明け暮れて
「思い出したくないくらい悲惨な大学時代」を送ったという。

その後もいろいろな仕事、いろいろな出会いを繰り返し
50手前で介護職に。

それだけ聞くと「大変だね、頑張れ!」と言いたくなるだろうが
とんでもない。
彼女は今、実に豊かだ。
私の周りの誰よりも輝いている。

映画「シークレット・スーパースター」の話から
友人Kの話になったが
彼女は私にとって、紛れもなく“スーパースター”である。