
もう いいかい/岡野薫子・作 太田大八・画/復刊ドットコム/2019年
おにのカオルが、「もう いいかい」というと、走っていく音。「まあだだよ。」という声もだんだん遠くなって・・・。
「もういいよ」といわれ、カオルが ふりむくと みたこともない 男の子。ぼさぼさのちゃいろのかみのけ男の子は、みんなの話から カオルの名前をしっていました。男の子から誘われて、立ち入り禁止の空き地へ。男の子は、「みんなは、おまえを おいてけぼりにして かえちゃったんだぞ。かわいそうだから、おれ、ここへ つれてきて やたんだよ。」といいました。
大きなくすのきの裏側に、男の子の小屋がありました。男の子が、小さな太鼓をたたくと、それはうつたびに おおきくなりはじめました。重くなった太鼓を、外でたたいていると、男の子に、ちいさな つのが。
男の子から、「おにになってやる。ひゃくかぞえるあいだに どんなところにかくれても いいぞ。」といわれ、にげだしたカオル。カオルをおいかけるように、おおつぶの 雨がふりだし、夕立になって、かみなりの音も。
ともだちは、ほんとうにカオルを一人にしてかえってしまったのか? それともオニの子がカオルと 遊びたかったのか? オニが おにになりたかったのか。不思議な出会いでした。
いまは、おにごっこの風景も見られなくなりました。1976年講談社発行の復刊ですが、50年たち、”おにごっこ”も死語になるのでしょうか?。