三分間で語れるお話/地球をぐるっと77編/マーガレット・リード・マクドナルド・著 佐藤涼子・訳 出久根育・画/編書房/2005年
小話風の昔話。
やせていて、うでっぷしは強くはないが、名人級の泥棒と、たくましいが、ただの泥棒のふたり。
名人の泥棒は金持ちの家に忍び込み、一万ルピーを盗みました。ただの泥棒は、名人から盗もうと、名人が寝てしまうとポケットをさぐりますが、お金は一ルピーもみつかりませんでした。
つぎの日も、名人はポケットを膨らませ、かえってきました。ただの泥棒は、名人の持ち物を隅々まで探りましたが、何も見つかりません。部屋の割れ目にも、屋根の裏にもお金は見つかりません。
朝になると泥棒は、お金の隠し場所を知りたくて、思わず名人にたずねます。「泥棒の名人、あなたはお金を夜どこにかくしたのですか?」
名人は、「泥棒には、手際のよさが必要なのだ。おまえさんがわしから盗もう押していたのは知っていた。それで、おまえさんが決して探そうとしないところに、金を隠したのさ」
ここから、聞き手にどこにお金をかくしたのか考えさせるという話。
少し長めのお話しのとちゅうに、こんな小話を はさんでいきたいもの。