どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

笠地蔵

2019年01月10日 | 昔話(日本)
               日本昔話百選/稲田浩二・稲田和子/三省堂/2003年改訂新版
               語り書き埼玉のむかしばなし/小沢重雄ぶん・北島新平え/さきたま出版会/1988年


 雪の降る暮れに、地蔵様に笠をかぶせてあげたおじいさんのところに、お礼に地蔵さまが、お米を届けてくれるという、寒さをふきとばしてくれるようなあたたかい話です。

 お正月のものを買うつもりででかけていったおじいさんが、雪で寒そうにたっている地蔵をかわいそうにおもって、笠をかぶせてあげます。お正月のものがなくても、このおじいさんを「ええことをした」とむかえておげるおばあさん。ここにでてくるおじいさん、おばあさんは底抜けにやさしい。

 ところで、三省堂版では、炭俵を編んで売りに行って、お正月用のお米をかうつもりが、笠とみのを買ってきて地蔵にかけてあげると、大みそかに米俵が家の軒下に積み上げられます。

 さきたま出版会版では、菅笠を売りにでかけていったおじいさんが、行く途中、お堂がなく木のかげはなしのふきっさらしで、寒そうな地蔵をみて笠をかぶせてあげる。大みそかには、米、粟、ひえ、きび、もろこしの餅の俵のほかに、にんじん、ごぼう、さらに大根のなますまでがやまなりに積み上げられます。

 三省堂版は、大分県の話となっているが、さきたま出版会版では、私の地元、埼玉県比企郡のお話になっています。地元びいきではないが、埼玉版は、もちつきのまねごとをするシーンや雪の状景もこまやかで、親しみやすくなっています。

 ところで、このあと絵本版をさがしていましたが、なかなか見つからず、やっと出会えたのが1967年出版のポプラ社の絵本。もう少し多いかとおもっていたのですが・・・。

               かさこじぞう/文・岩崎 京子 絵・新井 五郎/ポプラ社/1967年

 菅笠をつくるところからはじまり、大歳の風景、寒そうなお地蔵さまのようす、正月用の品々が細かく描写されています。

 昔話に欠かせない擬音語も効果的です。

 笠をそろえるのは”ざんざら”

 おじいさんおばあさんが、せめてもと餅つきを真似する場面
   こめの もちこ
   ひとうす ばったら
   あわの もちこ
   ひとうす ばったら

 お地蔵さまが正月のしなものを下す場面
   ずっさん ずっさん

 お地蔵さんがかえる場面
   じょいやさ じょいやさ

 こうしたリズムがないと、昔話の良さはつたわりません。
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文化
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