どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

三人兄弟のよめえらび、かえるのよめ

2018年06月14日 | 昔話(外国)
 ヨーロッパでよくみられるパターンの昔話に、三人兄弟がでてきて、結婚相手を選ぶのに、末っ子が選んだ(選ばざるをえなかった)のは、かえるやねずみという物語。
 最後はかえるなどが、美しい娘になる結末。

・蛙嫁(イタリアの昔話/剣持弘子・編訳/三弥井書店/1992年初版)

 三人兄弟の若者が父親から「ボールを投げて、ボールがいった先に娘がいたら、その娘をよめにするといい」といわれ、末っ子が投げたボールは、ヒキガエル口にくわえてきます。

 父親は、おのおのが選んだ娘に子犬をそだてるように課題をだし、ヒキガエルの娘?はすばらしく美しい子犬に育てます。
 さらに糸を紡ぐ課題もヒキガエルはきれいな絹の糸を紡ぎます。

 父親は娘をつれてくるように末っ子に言いますが、末っ子は大慌て。なにしろ相手はヒキガエルなのですから。
 しかしヒキガエルのいるところにいってみると、そこには、魔法がとけて人間にもどった王女がいたのでした。

 この話で面白いのは末っ子とヒキガエルのやりとり。

 「カエルよ、ヒキガエルよ!」
 「わたしを呼ぶのはだあれ?」
 「おまえをちっとも愛していないジョヴァンニさ」
 「でも、わたしが美しくなったら、きっと わたしを愛してくださるわ!」
 この繰り返しが3回続きます。


・カメのおよめさん(ブルガリア 吸血鬼の花嫁/八百板洋子・編訳/福音館文庫/2005年初版)

 リンゴを投げて、落ちたところの娘と結婚するよう父親からいわれ、長兄は金持ちの坊さんの娘、二番目は、村長の娘がリンゴをひろいますが、末っ子の相手はカメ。

 他の話では、最後に登場するカメが、ブルガリア版では、すぐに登場します。上の二人からはばかにされるのですが、末っ子が一日中畑で働いて家にかえってみると、部屋はきれいに片づけられ、おいしそうな料理もできあがっています。
 何回かそんなことが続くので、末っ子が不思議に思って、こっそり部屋をのぞいてみると、カメがリンゴをかじると、甲羅がすっぽりとれ、月のように美しい娘に変わり、料理をつくりはじめます。

 末っ子は娘がまたカメになることが悲しくなり、甲羅を窓の外に投げ捨てると、タカが甲羅をつかんで、どこかへ飛んで行ってしまいます。

 この娘に横恋慕した王さまが、自分の妃にしようとしますが、末っ子はきっぱりとことわります。
 ここから、末っ子は棒でたたかれたり、無理難題をいいつけられます。

 最後、二人はしあわせにくらすことになるのですが・・・。

 この話でも楽しいのは無理難題を解決する場面。

 九つの穀物の袋の麦と米とキビをまぜあわせた粒をより分けることになります。
 九百万びきものアリの大群が穀物の山をより分けます。
 このアリを呼び出すには、カシの木を三べんたたき、
     古い森よ わたしの森よ
     黒い森に仲間を 九百万
     おおいそぎでたのむ!
 ととなえます。この繰り返しが2回続きます。


・森の花嫁(フィンランド おはなしのろうそく2/東京子ども図書館編/1973年)
 再話といいいます。

 百姓の父親から、木を切り倒し倒れた方角にいって、似合いの娘をさがすだすよういわれ、ベイッコという末っ子が見つけたのはネズミでした。
 世の中の不幸にくらべたら、ネズミを花嫁にするくらいなんでもないわ、と言われネズミを花嫁にすることに。
 父親は花嫁候補にパンをつくらせます。さらに自分の織った布の見本をもってくるようにいいます。
 もちろんこの二つを見事にこなしたネズミですが、父親からこの目で花嫁を見たいといわれ、兄弟は花嫁をつれてきます。
 ネズミも五頭立ての馬車でやってくるのですが、すぐに変身するのではなく、一人の男が、この馬車を川へ蹴り落してしまいます。

 ネズミは世にも美しいおひめさまとしてあらわれるのですが、おひめさまは「魔法にかかっていて、その魔法は、誰かがわたしをいいなずけにし、ほかのだれかがわたしをおぼれさせるまで、けっしてとけないことになっていました。」とわけを話します。そして王女さまの国で、結婚することになります。

 再話らしくパン作りや織物をするところが楽しくなっています。
 パン作りで、上の兄はライ麦のパン、二番目の兄は大麦のパンで、ベイッコは小麦のパンでした。
 織物で、上の兄は木綿の布、二番目の兄は木綿と麻をまぜて織ったもの、ベイッコはリネンでした。


・蛙の王女(ロシア ロシアの民話/アファーナーシエフ 金本源之助・訳/群像社2010年初版)

 王さまと三人の王子がでてきます。
 弓で矢を放ち、その矢を拾ってきたものを花嫁にしなさいという王さまの命令。

 末っ子のイワン王子の矢をもってきたのは、蛙でした。
 蛙と結婚できないとイワン王子はいうのですが、どうやら王さまの命令は絶対的だったのです。

 ここでも王さまは、三人の花嫁にルパシカを縫うよう言いつけます。
 次はパンづくり。そして今度は舞踏会です。
 舞踏会の日、蛙が自分の皮を脱ぎ捨てると美しくかわります。
 イワン王子は、一足先に帰ってくる蛙の皮を見つけ、焼き捨ててしまいます。
 すると花嫁は姿を消してしまいます。

 イワン王子は遠い遠い地の果てまで、花嫁を探す出す旅に出ます。
 そこで三人の老婆にあいます。
 三人目の老婆の助言で、花嫁のエレーナ姫にあうことができますが、エレーナ姫は、じつはほかの人に嫁ぐところでした。
 老婆から、空とぶじゅーたんをもらいうけた二人は、空高く舞い上がると飛び去っていきます。しかしその時、相手の花婿が二人を追っかけだします・・・・。

 蛙が、上の兄二人の花嫁を手玉にとる様子がほかの話とはことなります。やや策略めいていて、すききらいがでてきそうです。


・カエル嫁(世界むかし話 東欧 松岡享子・訳 ほるぷ出版)

 旧ユーゴスラビアの昔話。旧ユーゴはスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、コソボ、モンテネグロ、マケドニアとわかれていますから時代を感じさせます。といってもそんなに古いことではなく30年ほど前のはなしです。

 皇帝には三人の王子がいて、結婚相手をみつけるため、冠をなげて、その冠が落ちた家のむすめと結婚させることに。
 一番目の王子は、ある王さまの宮殿におちて、そこの王女と結婚。
 二番目の王子は、大臣のむすめと。
 三番目に冠が落ちたのは、湖の中。三度やっても同じ結果。
 末の王子は、小さなむすめカエルと一緒になります。

 上の二人は、カエルと暮らすのをいやがり、末の王子とカエルは城を追い出され、畑で働いたり、森で木を切ったりの暮らしをはじめます。

 夕方、王子が帰ってくると、食卓の用意はでき、着物はブラシをかけてアイロンがあててあります。

 不思議に思った王子が、木を切りにいくふりをして、小屋をのぞくと、カエルが皮をぬぎ、美しいむすめにかわります。そして夕方またカエルの皮をとりあげ、口の中でぶつぶつとなえると、むすめは、またカエルに。

 ここでも、王子は、カエルの皮を燃やしてしまいます。

 「ああ、あなた、なんということを!どうしてそんなことをなさったのです。いままでのようにしておいてくださったほうがずっとよかったのに。」という、カエルでしたが・・・。

 王子は精を出して働き金持ちになり、むすめのやさしさと美しさも遠くまでしれわたります。

 弟の成功をねたんだ上の王子は、皇帝に難題をださせます。

 「兵隊が一人残らず、腹いっぱい食べたあとも、まだスープがいっぱいという鍋」
 「軍隊全部が、そのうえで寝ることができ、毛布のように上からもすっぽりからだをつつむことができる布」
 「身の丈一インチ(2.54㎝)の男をつれてくること」

 カエルよめのお母さんが三つとも助けてくれます。

 楽しいのは三番目の”こびと”でしょうか。
 箱に入っているのですが、箱から出すとどんどんおおきくなります。もとにもどすための呪文は「ドゥル、じいさん!」。
 呪文をわすれた皇帝、二人の王子、兵士は、巨人になった”こびと”に、たおされてしまいます。

 カエルが美しいむすめ(ときには王子など)にかわるところから、さらに物語がつづいていきますが、国によって、さまざまな展開を楽しめる昔話でしょうか。




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