どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

そらがおちてくる、この世のおわり、たいへんたいへん、にげろ!にげろ?

2020年08月04日 | 絵本(昔話・外国)

 いろいろな国に「空がおちてくる」と大騒ぎする話が数多くあります。


       そらがおちてくるんです/スリランカの昔話/福音館書店/2015年

 月刊予約絵本「こどものとも年中むき」。

 空がこわれておちてきたらどうなるかと、うとうとしていたうさぎ。
 何かが落ちる音がして、びっくりしたうさぎは飛び起きて走り出します。途中あったカメ、シカ、ゾウ、キリンさん。
「話す時間がない。空がおちてくるんだ」
 動物たちが
  ぴょん ぴょん ぴょん
  たっとこ たっとこ たっとこ
  どすん どすん どすん
  すたたた すたたた すたたた
 とみんな走ります。
 昼寝をしていたライオンの王さまがゆっくりと話をきいて、「きみは それを みたのかい? よし、では みんなで やしきのしたまで いってみよう」
 とみんなで、屋敷にいってみると、そこには木の実がひとつ落ちていただけ。

 シンプルな絵で、ライオンがネコのよう。


この世のおわり(世界のむかし話/瀬田貞二・訳 太田大八・絵/1971学習研究社 2000年のら書房)

 メンドリが森を歩いていると、ドングリが一つ落ちてきて、「空がこなごなになって落ちてきたんだわ。この世のおわりがきたんだわ」と思ったメンドリが、ぶたやめうし、犬、きつね、おおかみ、くまと森の洞穴にかくれます。
 しかしいつまでたってもなんにもおこらず、お腹をすかせた動物たちは、さわぎをはじめたメンドリを食べてしまいます。
 それでもまだ、お腹がすいてたので、ぶた、めうし、おんどりも食べられてしまいます。
 のこったのはくま、おおかみ、きつね。
 今度はきつねが食べられそうになりますが・・・・。
          

 「そらがおちてくるんです」は、事件はおきないのですが、「この世のおわり」では、食べられてしまう場面もでてきます。どちらが子どものこころをとらえられるか興味のあるところです。




        たいへん たいへん/渡辺 茂男・訳 長 新太・絵/福音館書店/1968年

 「こどものとも」1968年の発行で、イギリスの昔話です。

 ある日、めんどりが、とうもろこしばたけで とうもろこしを食べていると、ぽとん! なにかが、頭の上に落ちます。
 「おうさまにおしらせしなくちゃ」とかけだしためんどりは、おんどり、ぐわぐわがちょう、くっわくっわあひる、しちめんちょうにあって、そらがおちてくると大騒ぎ。
 みんなが走るさまが「はしりました。はしりましたとも」とリズミカルです。

 ところが、こんこんぎつねが、この道は、おうさまのところにはいかないから、道をおしえてあげるといって、案内したのは、ほそい、くらい穴。

 最初に入ったこんこんぎつねは、しちめんちょう、くっわくっわあひる、ぐわぐわがちょうを すぽん!となげて穴の中へならべます。
 ところが、おんどりのときは すいん!といっただけ。おんどりが危険?をめんどりにしらせると、めんどりは、くるりと しっぽをあげると 逃げて帰り、おうさまにおしらせできませんでした。

 きつねが、みんなを食べようとしたのが少し希薄なのがいまいちなのですが、そのへんは想像に任せているのかも知れません。

 長さんの絵もピッタリで、みんなが、走るさまが、いい味をだしていて楽しい絵本です。

めんどりペニー(夜ふけに読みたい不思議なイギリスのおとぎ話/吉澤康子・和爾桃子:編・訳/平凡社/2019年)

 渡辺 茂男訳とは、もとがちがっているのかも知れませんがイギリスの昔話。

 でてくる動物には、それぞれ名前が。めんどりはペニー。おんどりはロッキー、アヒルはダドルズ、がちょうはプーシー、七面鳥はラーキー、きつねはウオクシー。

 楽しいのはオチ。めんどりペニーは暗い穴に入ってすぐ、おんどりロッキーの鳴き声が聞こえたので「あらま、たいへん! 夜が明けちゃった。卵を産む時間だわよ」と、くるっと向きを変えて、自分の巣へあわてて走り出すところ。



空がおちてきた(たのしいどうぶつ昔話 じょうずなわにのかぞえかた/マーガレット・メイオ 再話 エミリー・ボーラム 絵 竹下 文子・訳/偕成社/1997年初版)

 ちびねずみが落ちてきたヤシの実に驚いて、「空がおちてきた。王さまにしらせなくちゃ」と大騒ぎ。
 おさぼさ犬、おしゃべりさる、のんびりとら、ぶつくさらくだ、のっそりぞうと、王さまライオンのところにいきます。
 ライオンはゆったり、どすんと音がしたところにでかけていきます。
 みんなはヤシの実が原因だっだとしって、さっさと帰っていきます。


       にげろ!にげろ?/絵:ジャン・ソーンヒル:再話・絵 青山 南・訳/光村教育図書/2008年

 心配性のうさぎが、うしろで おおきなおとがして、なにかが爆発したのだと思い、「せかいが こわれはじめた!」と走り始めます。

 ひたすらはしるうさぎのあとを、1000匹ものノウサギ、1000頭のイノシシ、1000頭のシカ、1000頭のトラ、1000頭のサイが。

 ただライオンだけは、冷静に原因となったヤシの葉におちたマンゴーを見つけます。

 インドのジャータカの話がもとになっています。

 何しろ森をうめつくす動物の躍動感は、絵本ならではです。

 他の絵本では集団で大騒ぎするさまが、あまりでてきませんが、この絵本のように1000頭もの大集団だと、集団心理の怖さが伝わってきます。

 原題は”うわさ”というのですが、なにが本当か、真実を見抜く目を養いたいと思っても、集団の中では流されてしまいそうです。


あわてウサギ(魔法のゆびわ/世界むかし話13インド/光吉夏弥・訳 畠中光亨・絵/ほるぷ出版/1979年)

 「大地がわれだした」と一番最初に騒ぎ立てたのはウサギ。
 十万匹ものウサギ、オオシカ、水牛、サイ、トラ、ライオン、ゾウなど、その長さは10km以上、最後はライオンの王さまが・・。

 「にげろ!にげろ?」も、もとはインド。10万匹と千頭よりもスケールが大きい。

 「ライオンの王さまがたすけてやらなかったら、けものたちはまだ走りつづけているか、それとも、西の海に飛び込んで死んでしまっていたかもしれません」と、結びがよくできています。


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