やまんばあかちゃん/富安陽子・文 大島妙子・絵/理論社/2011年初版
富士山の噴火で大きな岩がポーンととびだし、森のなかへ
大きな岩がまっぷたつにわれてでてきたのはやまんばのあかちゃん
びっくりした大イノシシがやまんばちゃんに突進して、でっかいキバでやまんばちゃんをつきあげるが、やまんばちゃんはおおよろこび
もう一度もういちどもういちどとおねだりされた大イノシシは、なんと103回もほうりあげてやらなくちゃならなくなる
森の動物たは、やまんばちゃんをどうするか相談
フクロウのおばあさん提案で、動物たちに順番に里親になることに
大イノシシが最初の里親に
大イノシシのもとで5日もたつとやまんばちゃんは、たったの26分で富士山を往復することに
イノシシお父さんは、巨大な岩も、たおれた大木もこっぱみじんにする“とっしん・ドーン”のわざをおしえる
二番目に里親になった森のボスザルのもとで、5日もたつと森の木という木のてっぺんまでスルスルのぼれるようになったやまんばちゃん
ボスザルお父さんは、高い木の上のてっぺんの枝につかまって、その枝をゆらしてはずみをつけ、別の木の枝にびゅーんととびうつる“ゆさゆさ・ビューン”のわざをおしえる
カワセミおばあさんからは“ヒュ-ン・バシャン・パクリ”のわざを
フクロウおばあちゃん森のルールを
野ネズミじいさんはじょうずなかくれかたを、野ウサギのかあさんはとおくのものの音のききわけかたを
カエルとうさんはたかくジャンプする方法、リスかあさんはおいしいどんぐりの集め方、タヌキとうさんは上手な死んだぶりを
やがてやまんばちゃんは、クマかあさんの家で、冬を越すことに
やまんばは昔話では損な役割が多いが、この絵本ではあかちゃんやまんばが動物たちと交流しながらたくましく生きていくありさまがえがかれ、痛快そのもの。
フクロウおばあさんの顔や、大きく描かれたやまんばちゃんの緑の目玉が印象に残る。天衣無縫のやまんばちゃん、このあとどうなることやら。