どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

いたずらトロルと音楽隊

2019年01月12日 | 絵本(外国)

         いたずらトロルと音楽隊/アニタ・ローベル・作 安藤 紀子・訳/ロクリン社/2018年


 旅回りの五人の音楽隊。毎日、日の出とともにおき、一日中、楽器をかなでながら、あちこちまわっていました。どこへいっても、だれもが五人の演奏は、国中で一番だとおもっていました。

 ある夜、五人が森で眠っていると「月夜に音楽があれば最高だ。うたって、おどって、きっとたのしいぞ」とトロルがとおりかかり、五人を起こそうとしますが、一向に目を覚ましません。怒ったトロルは楽器に魔法をかけてしまいます。

 朝になって、町で演奏がはじまると、チューバは「モオーオー」
 トロンボーンは「ヒヒーン」
 チェロは「メエーエー」
 トランペットは「ガア、ガア」
 フルートは「コッコッ」 とおかしな音しかでてこないので、人々は、かんかんに怒り出し、五人に石ころまで投げる始末。

 ところが、牛はなかまがいるのかとおもって、たしかめにきます。
 子ひつじが友だちをさがしにやってきます。
 馬がかけてきて、がちょうがトランペットの音に耳を傾け、めんどりもくわわります。
 音楽隊の演奏がすきなのは、そばにいる動物たちだけでした。

 トロルにすてきな贈り物をして、魔法をといてもらおうと、五人は、動物たちに手伝ってもらって、ケーキを作り、ひつじの毛でセータを編み、花輪も作ってトロルをさがしにでかけていきます。

 ここにでてくるトロルは、昔話のトロルとはちがって、こびとに描かれ、おかみさんと三人のこどもがいます。しっぽがあるのがトロルらしいところです。

 トロルのおかみさん「魔法? おまえさん、また私にないしょで呪文をとなえてまわっていたのかい? この恥知らずめが!」と、夫の鼻にパンチをくらわす、いさましい存在。家庭では主導権をにぎっています。

 絵も派手さはありませんが、衣装、風景が楽しめます。そして縁飾りもページごとに違う凝りようです。

 巻末の作者紹介に、アーノルド・ローベルと結婚とありました。ご夫婦で絵本作家というのも素敵ですね。しかしポーランド生まれのアニタさん、10歳で弟と強制収容所送りになり、生き延びた方です。
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文化
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