ひとつひまわり/小長谷 清実・文 福知 伸夫・絵/福音館書店/1998年
版画の絵が素敵な数え歌の絵本で、いちご、とうもろこし(とおで とうとう とうもろこし つぶつぶ びっしり びっくり ぎょうてん)、たいやきのおいしそうなこと。
みみずく(みっつ みみずく さんば よりそい ぎょろりんこ)、なまず(ななつ なまず なかまが あつまり そうだんしてる)もいい味です。
ひまわり、ふうりん、むぎわらぼうしと夏向きですが、やっこだこもでてきますから、夏に限定しなくてもよさそうです。
おおかみのこがはしってきて/文・寮 美千子 画・小林 敏也/パロル舎/1999年
この1月ロクリン社から復刊されています。
「ちいさな おおかみのこが はしってきて こおりのうえで つるんと ころんだ。ねえ どうして ころんだの?」
男の子がきくと、お父さんは「こおりが えらいからだよ。おおかみよりも ずうっとね。」と、こたえます。
男の子が「でも こおりはとけちゃうよ。ねえ どうして?」ときくと「それはね おひさまが えらいからだよ。こおりよりも ずうっとね。」とお父さんのこたえ。
おひさまより くも くもより かぜ・・・とつながって、「土がいちばんえらいからだよ。ねっこは みえないけれど ほんとは みんな つちから うまれた きょうだいなんだ。」と結びます。
日本だけでなく世界にみられる「ねずみのよめいり」型の昔話です。
とちゅうまで、ねずみのよめいりと同じとおもっていると、おわりのページのお父さんの衣装でアイヌの昔話というのがわかります。
このタイトルからは想像できない内容でした。
あとがきに「えらい」と「つよい」のちがいにふれられていて、アイヌの考え方も知ることができます。