田舎暮らしのつぶやきブログ

 どうでも良いような、つまらない、がらくたな雑記を書きながら、趣味で集めた雑器等をアップしていきます。

金融機関に勤めていると、いろいろなことがある 3

2022年04月10日 | オフィスベルウッド

☆38年ほど前、名古屋市内の店に異動した。

 渉外担当者として、自転車で住宅地を戸別訪問していた。

 当時の渉外担当者のメインの仕事は、預金集めだった。

 訪問担当地区の普通預金残高を調べていたら、Aさんの2,000万円の残高に吃驚した。

 当時は、バブル経済の少し前で、定期預金の1年定期も5.85%であったと思う。

 税引前の利息は、2,000万円×0.0585→117万円となる。

 2,000万円の定期預金が新規獲得できれば、1ヶ月の獲得目標の半分近くを獲得することになる。

 やった、と思って、地図で調べた住所へ粗品を持って出かけた。

 今ならグルーグルアースで調べられるが、当時は住宅地図で調べられるだけ。

 住宅地図では、小さな家かな?と思ったが、何と築50年以上の古い4軒平屋長屋の一軒だった。

 玄関の木製の引き戸も古くて建付が悪く、力を入れて引かないと開かないようだった。

 声を掛けたら、年寄りの女性が出てこられた。

 名刺を差し出し、定期預金の勧誘をしたが、「定期預金にすると、下ろしたいときに下ろせないから。」と固辞された。

 利息が税引前で117万円付きますよ、普通預金でしたら30万円ですが、とセールス。

 1ヶ月の獲得目標の半分が達成できるのだから、私も一生懸命だった。

 しかし、30分ほど勧誘したが、契約できずに諦めた。

 もし、定期預金にする時は、貴方に電話するから!、といわれて。

 私も、「もし普通預金を下ろされる時は、お電話を下さい。私が来ますから。」といって辞去した。

 もし定期預金にすれば、利息が増える分で、玄関戸も替えられるし、室内も改装できるのに、と思ったが、それはさすがにいえなかった。

 それから1年ほどで異動になったが、それまで電話も来なく残高も利息分で着実に増えていった。

 引継文書に、Aさんのことは書いておいたが、その後はわからない。

☆でも、どうして定期預金にして貰えなかったのだろうか?

 下ろしたいときに下ろしにくいから、それだけの理由ではないような気がするが、今でも真実はわからない。

 その2,000万円も毎年50万円前後で着実に増えていた金額で、なぜ定期預金にされなかったのだろうか?

 なかなか理解が、出来なかった。

 でも、最近ようやくわかるようになってきた。

 私が、Aさんの年齢に近付いてきたからかもしれない。

 今は、当時の定期預金金利と違って、1年定期も0.002%であるが。

 この歳になると、金利よりも使いたいときにすぐ使えることが、何よりだ。

 いつ何時、お金がいるかもしれない。

 その時、面倒なく下せるのは、普通預金だ。

 定期預金も面倒だし、株式も国債も面倒だ。

 きっと、Aさんも、今の私の心境と同じような心境だっただろう。

 (続く)

☆ノーマンロックウエル

 少年時代

 

 



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