がらくた雑記・器

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参考点依存性と借入金利の現実 現実は理論に勝る

2018年10月07日 | お立寄り

前回紹介した新書本、「経済学の不都合な話」に出ていた、プロスペクト理論の参考点依存性とは。

 参考点依存性では、価値は参照点からの変化、または、それとの比較によって判断され、絶対的な基準が価値を決めるわけではない、としている。

 購買者は、スーパーで150円のものが50円に100円値引きされていれば、お買い得と感じる。

 しかし、1500円のものが1400円に100円が値引きされていても、たいしてお買い得ではない、と感じる。

 同じ100円の値引きでも、元の値段の大きさで、お得と感じたり、たいしてお得とも感じない。

 すなわち、値段が小さいと、消費者は価格の変化に敏感になるが、値段が大きいと感度は低減してくる。

 人間の気持ちというか感覚は、経済学的な算術では測りきれない、とするもの。

信用金庫から借入している、Aさんは現在の借入金利が2.75%で、Bさんは1.50%。

 さて、信用金庫が市場金利の低下を受けて、一律に0.25%の引き下げをした。

 Aさんは2.75%から2.50%に、Bさんは1.50%から1.25%に。

 参考点依存性から考えれば、Aさんはもっと下げてくれれば良いのに、と感じるし、Bさんはよく下げてくれたものだ、と感じることになる。

 ところが現実は、そうはいかない。

 Aさんの借入金利が2.75%ということは、会社の経営内容が良くないので、現在の平均的な借入金利水準から言えば高い。

 だから、よく下げてくれた、とありがたく思う。

 Bさんは、経営内容が安定していて1.25%で借入をしているので、他金融機関からも融資肩代わりの案件も来ている。

 だから、なんだ0.25%かと不満感も感じ、他金融機関に肩代わりを検討するかもしれない。

信用金庫は一律に0.25%引き下げたので、貸出金が1,000億円なら2億5千万円の金利収益減少となる。

 しかし、2億5千万円の金利収益を減少させても、AさんとBさんとでは、大きく金利引き下げに対する感じ方が違う。

 信用金庫が戦略的に考えれば、2.75%のAさんは他金融機関に逃げられることはないので金利を引き下げず、Bさんを0.50%引き下げて1.00%にして、逃げられないようにする。

 今、経営不振で利息支払いにも苦労しているAさんの借入金利を引き下げた方が、Aさんの資金繰りや経営を支援することになり、信用金庫の存在感を引き上げるのだが、現実はそうはいかない。

A顧問先の借入金利がこの1年間で、1.50%から2.75%に1.25%引き上げられた。

 赤字が連続して資金繰りにも苦慮し、確かに少額の返済しかできていないが、役員の給与も減額し、不要不急な資産は売却も進めている。

 そんな状況にもかかわらず、借入金利を上昇させている。(リスク金利かもしれない。)

 資産を売った金で、利息を支払っている。(金融機関は、当然にその事実を熟知している。)

 B顧問先は、経営計画書を策定して資金繰りを安定化させたら、取引のない金融機関から新規取引攻勢を受けるようになった。

 途端に、借入金利が2.00%から1.00%に1.00%も引き下がった。

 この違いは何だろうか?

 経済学理論なんて、机上の理論で、現実は理論に勝る!

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