がらくた雑記・器

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山一証券の倒産とサラリーマン人生の因果関係

2014年12月12日 | つぶやき

 「しんがり 山一證券最後の12人」のレビューの続き。

もう17年前の事で、山一証券の名前を知らない人も多い。

 1997.11.24(月)の3連休最後の休み、勤労感謝の振替休日に、山一證券は自主廃業を発表した。

 2日前の22日(土)に、日経新聞に「山一證券自主廃業へ 負債総額3兆円 戦後最大の倒産」とリークされて、社会をびっくりさせた。

 山一證券は、法人の山一といわれて法人取引に強く、野村証券、日興証券、大和証券の4大証券の筆頭と目されていた時もあるが、当時は野村証券に追い越され、そのシェアーは低下しプライドも傷ついていた。

 そんな中での業績の回復を図るべく積極経営を図るが、1965年には時の大蔵大臣田中角栄の英断により、日本銀行の特別融資により経営危機を乗り越える。

 この融資も、その後のいざなぎ景気による収益改善により、当初の予定よりも速く返済すると、その時の貴重な辛苦の経験を無にするように、また法人担当部署の暴走による業容の拡大を図った。

 1989年、法人運用一任運用勘定を積極的に扱ったことにより、600億円の損失を発生させてしまうが、これを表に出さずに1991年から飛ばしによる隠蔽を始める。

 トップを走っているサラリーマンの常かも知れないが、過去に見た夢は自分が在職中にもう一度見たいと思う夢でもある。

 そして、その業績を自分のサラリーマン人生の成果としても誇りたいもの。

 ところが、この一任取引等は規制当局から抑制及び法律的にも禁止されている取引であり、表に出す事はサラリーマンとしての会社キャリアを棒に振る事であるし、上司や同僚にも迷惑をかかる。

 何とか株式等の相場が回復すれば解消できるのでと、トップを含めての少数の者でお互いに庇いあい、他には漏らさないように子会社を使って経理処理をする。

 その簿外債務が、累積して約2,600億円。

 この取引も経営トップは指示をすればいいが、下はその指示に従て黙々と、同僚等には内緒で自分一人で処理をしなければならない。

 その苦痛に経営トップや上が報いてくれればいいが、何の見返りもなく、ひたすら苦痛と悲しみの忍耐に耐えるのが、サラリーマンの常。

 一度その不正に手を染めてしまえば、これに耐えなければ職場を失う事になる。

 しかし、いつまでも不正は隠し通せるものではない。

 1989.2 第一勧業銀行が総会屋である小池隆一に30億円の無担保融資をし、小池はこれを財源に4大証券会社に30万株の大口株主として、不正利益供与を強要する。

 4大証券は小池のダミー会社に対しての利益付替えで、経営トップの了承のもとに行うが、1996年に野村証券の内部告発により明るみに出る。

 この総会屋に対する不正取引を契機として、山一證券ではこの不正取引と飛ばしの巨額の損失を表ざたにせざるを得なくなる。

 責任を負わなければならないトップは、その地位による名誉と報酬を失いたくなく、陰で操り易い何も知らない役員を経営トップに就け院政を狙う。

 何も知らない新社長は、内心は喜び勇んで社長になるが、涙の自主廃業発表をせざるを得なくなる。

 サラリーマンの哀れさが漂う。

 しかし、なにも知らない筈はないだろう!

 何千万円という役員報酬の人参と、名誉に食らいついたのか!

 何も知らない筈はない!

 何も知らなければ代表権のある役員として当然失格だが、それでも多額の役員賞与を貰っていた筈で、当然に経営者としての多大な責任はある。

 もっとも哀れなのは、何も知らない末端の朝から夜まで一生懸命に働いてきた社員だ。

 だれが責任を取るのか!

 一生懸命に仕事をすれば、当然に何かを犠牲にしなければならず、それは家族との幸せの団欒かもしれない。

 その犠牲の責任を、誰が取るのか!

山一証券に限らず、どんな小さな規模の経営者でも、社員に対する責任は常に持って経営に邁進して欲しい。

 社員あってこその会社の筈!

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