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“ 嵐が吹き消した 恵みのろうそくを 再び取り上げ、それに新しい明かりを灯さなければならぬ。” 教皇ヨハネ二十三世

file.no-80 『ロシアン・ジョーク』

2007-10-06 07:45:04 | 書籍
ロシアン・ジョーク
  著:酒井隆三  学研新書  2007年


ロシア、それは、かつてソ連と呼ばれ、人民に幸福をもたらすと謡われた「社会主義」という壮大な実験が行われた国の生まれ変わり。
結果的には、ソ連は人々に害悪しかもたらさず、老いさらばえ、すさまじい加齢臭を放ちながら、15年前に死にました。今となっては、ソ連は思い出の中にしか存在せず、たまに嫌悪感とともに思い出されるのみ。

現在のロシアは、まさに大戦後の戦後日本の高度経済成長を彷彿とさせる…いや、それ以上のスピードで経済的に大成功を収めつつあります。
豊富な天然資源、石油、とくに天然ガスの埋蔵量は「脅威的」で、パイプラインはEU諸国に張り巡らされ、各国は その供給に依存しつつあります。

各国への資源販売による利益は莫大なもので、販売企業が国営ということもあり、ロシアは2006年には、それまでの借金をすべて返済し、以後は「債権国」となることを認められております。
外貨準備高、2700億ドル強をすでに超えており、世界第3位の実力を有しています。(ちなみに、第1位は中国、2位は我が国・日本) 債務ゼロでの、この準備高の残高は、借金まみれの日本と比べ、その実質には大いに注意すべきものがあります。

…そんな経済大国・ロシア。彼らは、気質的にはどんな人々なのか。ネアカ?ネクラ?粘着?
堅苦しいことは抜きにして、彼らの間でやりとりされる、アネクドート(ロシアン・ジョーク)を聞いてみようではありませんか。
しばらく前に、日本人のジョークや、日本人に対する世界のジョークを扱った本が評判になっておりましたが、この本は、さにあらず。

先に引用した、
「この国に、ジョークなど必要ない。なぜなら、国家の存在自体がジョークだからだよ!」(ソ連書記長ブレジネフ、幻の珍発言)
…の例からもわかるように、ロシア人のジョークは、彼らの国家そのものが、世界の趨勢を決める無尽蔵の力を有するが故に、笑ってすますだけでは勿体ない。
彼らのジョークを耳にするとき、ロシアの歴史を、経済を併せて考えると、そのジョークは、たいへんエスプリの効いたものとなり、またあるいは大変アイロニーを示唆するものとなるのです。

(2007/10/07 本文欠落を修正)
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