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“ 嵐が吹き消した 恵みのろうそくを 再び取り上げ、それに新しい明かりを灯さなければならぬ。” 教皇ヨハネ二十三世

ライス長官をいじめては、ダメ!

2005-04-02 21:05:38 | Essay
合衆国のコンドリーザ・ライス国務長官の初の来日が無事終わりました。
各紙、またネット上で、牛肉輸入再開問題の解決を迫るライス長官の記事をみかけました。
( 画像は、American Clergy より転載 )

今回あらためて感じたのは、長官に対する中傷が、度が過ぎてはいないか?という点です。
というのも、牛肉輸入再開問題についてですが、米畜産業界が米議会に対して、通商法301条の発動を日本に対して行うように働きかけており、これを回避するために長官が小泉首相に輸入を解禁するように説得を行っただけでしょう。
日米のこれ以上の摩擦を回避するために行動した長官がなぜ非難される謂れがあるのでしょう?
また、長官が先のスマトラ沖地震の津波災害に関しての発言、

"I do agree that the tsunami was a wonderful opportunity to show not just the US government, but the heart of the American people, and I think it has paid great dividends for us."

これに対して、
「津波は米国政府だけでなく、アメリカ国民のハートを示すための素晴らしい機会となったことはまちがいありません。私達にとって大きな見返りをもたらすことでしょう。」
と訳して、彼女を悪人呼ばわりをしている。
たしかに、"dividend"は、「利益・配当」を意味しますが、
"Honesty pays dividends." あるいは、 "Honesty pays a good dividend." で、
「 正直にしているとよいことがある。」あるいは「 正直の頭に神宿る。」
と諺にも言うように、ここでは肯定的な意味の「善い事」を指している、と考えるべきなのでは?

「津波は、米国政府というよりも合衆国国民の思いやりを示すための素晴らしい機会となったと本当に思います。( 善い事をした )私達に思いがけない( 神様からの )善い事があるでしょう。」

こう、訳すべきではないでしょうか? ( 翻訳って、むずかしい~! )
どう考えても、
オホホホ、被害に事寄せて、合衆国から被災国へ援助と言う手段で大きな貸しを作れた。この見返りはしっかり貰うわよぉ~!
・・・なんて仄めかす様な発言ではないでしょう?

辞書を引けば、ライス長官の発言がキリスト教徒らしい深い意味のあるものだった事ぐらいすぐ察しがつこうものです。
ネットを大雑把に見ても、長官の発言の曲解について訂正している記事がないので、今回取り上げてみました。

ブッシュ政権にいるというだけで、一個の人間を容易く中傷するなどと・・・恥を知りなさい!
そう、私は言いたい。
攻撃を仕掛けるにしても、相手は本当に悪人かどうかをよくよく見極めなければ。
過ちを怖れず、誠実さを持って異論を叫ぶ男性がいないことに私は歯がゆさを覚えます。
私たちの祖父祖母、父母が、戦後60年をかけて、あの焼け野原から、握り飯を食べてひもじさに耐えて日本を建て直してきたのは何のためだったのでしょう?
少なくとも、小さい見識だけを持って、礼儀を弁える事もなく他人を侮辱する男たちを育てるためではなかったはず。
日本人は、もっと恥を知る人たちだったはずです。

もう一度、矜持を取り戻すよう、私は声を大にして男たちに言いたい・・・!

(2005-03-20 23:36:10に投稿したものを再録)
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