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“ 嵐が吹き消した 恵みのろうそくを 再び取り上げ、それに新しい明かりを灯さなければならぬ。” 教皇ヨハネ二十三世

file.no-10 『 エマ ヴィクトリアンガイド 』

2005-03-23 00:41:49 | 書籍
今回は書籍です。・・・と言っても、ガイドブックの類ですが。

さて、今回は、
エマ ヴィクトリアンガイド
   森薫・村上リコ ( エンターブレイン ) ¥950+税 2003/12/5
についてです。

『エマ』という名前から、大多数の方はJ.オースティンの小説『エマ』を思い起されるかもしれません。
ですが、そのエマではありません。
これは、この本の共同執筆者である森薫さんが、月刊コミックビームで連載されている『エマ』というマンガ、そのガイドブックなのです。
マンガのガイドブックだからと、オタク的なモノと断じるのは早計というもの。

マンガ『エマ』は、19世紀英国ヴィクトリア時代が舞台。
雑役女中(メイド)のエマと、上流階級のウィリアムとの身分違いの恋愛物語。
不思議なほど、ヴィクトリア!と言いたくなるような雰囲気を醸しだす、あるいは再現している、そんなマンガです。
かつてバーネットの小説『秘密の花園』にハマり、シャーロック・ホームズにもハマッた私にとって、抗えない魅力を放射してくれるマンガです。
その『エマ』の作者である森薫さんは、「メイドフェチなんです」とご自分で放言するほどの、メイド好きの御方。
エマの時代背景について分かりやすく説明がなされたものを作ろうと、ライターの村上リコさんとタッグを組んで、情熱を注ぎ込んで制作されたのが、このガイドブックです。

何と言っても、日本人ですら明治以前の日本について熟知する人など少なく、ましてや英国ヴィクトリア時代など地理不案内のようなもの。
エマを読んでいて、ふとした疑問や興味を抱いても、それを解決する文献などなかなか手に入りません。
そんな読者、あるいは原作者、のニーズに応えてくれるのがこの本だと思います。

マンガを読んでいらっしゃらない方でも、英国ヴィクトリア時代について興味を持たれた方は読んでみるのも見聞を拡げるよいきっかけになるかと思います。
この本は、なかなか侮れませんよ? (笑)
ハイル・ヴィクトリアン☆
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