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“ 嵐が吹き消した 恵みのろうそくを 再び取り上げ、それに新しい明かりを灯さなければならぬ。” 教皇ヨハネ二十三世

file.no-41 『 チャングム 』三部作

2005-08-12 04:33:18 | 書籍
久々の更新となりますが、今回は歴史小説のレヴューです。

『 チャングム
  ① 宮廷篇  ② 追放篇  ③ 医女篇 』

 著:キム・サンホン  訳:米津篤八 
  ハヤカワ文庫  2005年

『 チャングム 』という名前に聞き覚えはありませんか?
NHKのBSで放送されている韓国ドラマ『宮廷女官 チャングムの誓い』のヒロイン、チャングムの事を思い出される方が多いのではないでしょうか?
そう、主題歌が、オナラ、オナラ~♪で始まるインパクトの強い歌のアレです。

チャングム、14世紀の李氏朝鮮の時代に実在した女性。
彼女をテーマにしたものが、韓国ドラマ『チャングムの誓い』であり、今回扱う小説『チャングム』です。
さて、実在した女性といえど、チャングムは謎多き人。
李氏朝鮮について記された史書、『朝鮮王朝実録』(日本では『李朝実録』と呼ばれる)にもわずか数行ほどにしか記載が無い。
経歴も出身地も、一切が不明の女性。
そんな彼女について、空想力だか妄想力だかをフル稼働して、その世界を広げたのだから、小説にしろドラマにしろ大したものです。

さて、小説はBSで放映されているドラマとは、まったくストーリー展開が異なります。
小説でも、チャングムは波乱万丈の人生を送りますが、彼女は医療の才を序盤から発揮します。
ドラマでは、料理人の才を発揮し、まるで美味しんぼのような展開を見せます。
小説では、幼少の頃から、チャングムは医術を学び、まさしくERの展開。
宦官の怪我の手当てに始まって、最後には両性具有の幼馴染みの手術まで。まさに医療スペクタル!
ついに、宮廷女医の最高位『御医女』となったチャングムは、生涯を漢方医術を駆使して医療に携わり続けるのです。
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