オドフラン ~いつもどこかに「なるほど」を~

誰かのためになるようなことを、書き込んだり、書き込まなかったり

女子児童がSNSで「友達がおぼれた」と投稿が不謹慎と批判されているが、いざ本当に自分に降り掛かってきたら『それも重要な選択肢』って話。

2023-07-22 06:04:33 | 日記

「多くの人に知らせることが吉」、って話。

 

先日、女の子の児童が川で遊んでて、友達がおぼれたことをソーシャルメディアに投稿したことが

「ありえない」「こわっ!」など批難の対象になっているようだ。

 

それについて、ちょっと自分の実体験を踏まえて。

実は自分、少々昔の話になるが、中学生のころ、山火事のボヤの第一発見者になったことがあるので、その経験から話したいと思う。

 

ちょうどこれくらいの夏休みだったと記憶している。

夏休みも毎日、普段は部活で家にいないのだが、

その日はたまたま部活が休みだったので、部屋(自宅の2階)でボーっとしていた。

裏山が近くにあるのだが、2階の窓から、ちょうど見晴らしもよくって良く見える。

裏山のふもとに、畑があって(田舎にはよくある)

そこで、近所のお婆ちゃん(畑の持ち主)が、何やら焚き火のようなことをしているように中学生の自分には見えた。

 

キャンプや焚き火のような経験が無い自分には、

遠くからとはいえ、いい暇つぶしと言わんばかりに

ずーっと見てられる光景だった。

(※最近は減ったと思うが、当時の田舎では、自分の畑でちょっとしたものを燃やしたりするのは時おり見かけたので、その時点ではさほど不思議とも思わなかった。)

 

ところが、『これ、焚き火か?』

と中学生ながら疑問が出てきた。

お婆ちゃん、やたらバケツで水をかけている。

動きは遅いが慌てているようだ。

 

そして、火は徐々に広まっていく。

なんなら、ちょっとずつ山の方に近づいて行っている。

 

「これ!火事や!!」

 

急いで、1Fにオカンと、うちのお婆ちゃんがいたので知らせた。

そして、そこからは早かった。

自分とオカンは、とにかく近所中に叫んで広めた。

「火事です火事です!!!燃えてます!!誰か来てください!」

田舎なので、一軒一軒が離れてる。

とにかく大声を出さないと広まらないのだ。(真夏でエアコンで窓を閉じてる家庭ならなおさら)

 

そして、うちのお婆ちゃんは、とにかく電話帳で、知り合いに電話をかけまくった。

いや・・・お婆ちゃん、気持ちはわかるけど、電話は意味ないよ・・・。苦笑

 

すると、大声を上げたのが功を奏したのか、有志が集まってきて

バケツを持ってくる人、スコップで畑の火元に砂をかけるもの、

ホースが届かないか、水源を探すもの、「今、消防車呼んでおきました!」と報告してくれる者。

たくさん協力者が現れた。

※もちろん、野次馬も異常なくらい現れた。(こんな田舎のどこにこんな人がいたんだと)

 

しかし消防車もすぐには来てくれないので、とりあえず自分たちでその場をしのがなければいけない。

と、その中に一人、すぐさま消火器を持ってきてくれる人がいた。

「これだ!!!」

 

意外かもしれないが、こういう時、とっさに消火器を持ってくるという発想も無いんだなと思った。

(頭の中に「消火器」というワードが近くにないから、知ってはいるけど「とっさに思いつかない」のだ。特に中学生くらいの自分には。)

 

さあ、消化器の登場!これでイケる!!

と思いきや。

誰も消火器を使ったことがない。

 

「あれ?グッと握れば、シューって出るんだっけ?」

「ピン抜くんじゃない?」

「ピンってどれ?」

「これ?ここ強く握らなくていいの?」

 

 

ボヤとは言え、目の前で火事が起きていると、人間パニクる。焦る。

ちょっとした手順がわからない。

そして、素人ばかりが「あーだ、こーだ」言うから、とにかくまとまらない。。。

 

 

そうこうしているうちに「元警察官」の人が現れた。

「お婆ちゃんの知り合いだ!!!」

 

そう。さっき、お婆ちゃんが手あたり次第に電話している人の中に、元警察官の人がいたのだ。

 

ここからは速かった。その人を中心に統率がとれ、全てが上手く回っていった。

消火器をシューってやって、ホースが届くようになったので、家庭用のホースで小さな消火活動。

ものの数分で消防車も来てはくれたが、結果的にご近所さんたちだけの自力で

ボヤを消すことができた。

 

さて。今日の本題。

非常事態をソーシャルメディアに投稿するのは不謹慎なのかって話だが。

自分の経験上。「異常事態で、自分一人の手ではどうしようもないときは、とにかく広く知らせよ」です。

自分とオカンだけではボヤと言えども、山火事なんてどうすることもできない。

で、大声でご近所さんにとにかく広めて集めて、それはそれで大きな解決にはつながったのだが

決定的な決め手となったのは「うちのお婆ちゃんが手あたり次第に電話した電話帳の中に、元警察官の人がいた」ということ。

不特定多数に知らせる。当時『ソーシャルメディア』なんてことばはなかったが、やってることは今で言うところのソーシャルメディアだ。

 

最初は横で見ながら「いや、お婆ちゃん、電話はちょっと違うから・・・」

とは思っていたが、結果的に「誰でもいいから広く知らせる(緊急事態はマジできれいごと言ってられない)」ことで、

事なきを得たわけです。

 

東日本大震災の時、生存の報告をSNSに投稿したら、それを見た一般ユーザーが拡散して

その声が都庁にまで届き、ヘリが出動して救助された、みたいな話も聞きました。

 

【今日のひとこと】

緊急時には綺麗事はどうでもいいから、とにかく広く知らせるが吉。