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参院外交防衛委員会で質問を聞く（左から）安倍首相、岸田外相、小野寺防衛相＝２９日、国会で |
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安倍晋三首相は二十九日、集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲に関する参院外交防衛委員会の集中審議に出席し、二十八日の衆院予算委員会を含め た二日間の国会論戦を終えた。外務・防衛の担当閣僚と比べると踏み込んだ内容や感情的な発言が目立ち、閣内でも解釈改憲に突出して熱心な姿勢が鮮明になっ た。 （新開浩）
首相と閣僚の答弁が異なったのは、集団的自衛権などに関する自民、公明両党の与党協議が合意する時期の見通しだ。
首相は二十九日午前の審議で、日米防衛協力のための指針（ガイドライン）を年末までに見直す方針に触れ「それに間に合うように方針が固まっていくことが理想的だ」と、与党協議が進むよう期待を示した。
これに対し、首相が退席した午後の審議では、小野寺五典（いつのり）防衛相が「期限を設けているわけではない」と述べるにとどめた。
集団的自衛権行使で他国を守ることで戦争に巻き込まれる懸念について、首相は一九六〇年の日米安保条約改定時の世論を例に挙げ「（当時も）アメリ カの戦争に巻き込まれるという強い反対があったが、日本は巻き込まれていない」と強調。ただし、行使した場合にその危険性がないとの根拠までは示さなかっ た。
一方、岸田文雄外相は「国民の命を守るため、国際社会と連携して抑止力を高める議論をしている」と、原則論で応じた。
論戦では、首相が声を荒らげる場面も。政府が与党に検討を求めた集団的自衛権に関する事例のうち、邦人輸送中の米艦防護について、野党委員が「ありえない」と批判すると、「こういう事態を排除する考え方は、嫌なことは見たくないというのと同じ」と激しい言葉で応じた。
