Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

映画「殺人者の記憶法」「マンハント」(2月10日)

2018-02-11 18:04:27 | 映画


みなさんこんにちは。
平昌オリンピックが始まりましたね。開会式面白かったです。
私はといえば、開会式より先に始まったフィギュア団体の男子ショートで、ネイサンが信じられないミスをしてしまったことがショックで、いまだに引きずっています。いくらファンだからと言って、私が気にしてもしゃーないんだけど。

そういうわけで(?)、気分転換がてらいつものように映画を見て来ました。ホールソレイユで韓国スリラー「殺人者の記憶法」、イオンシネマ高松東で福山雅治主演&ジョン・ウー監督の「マンハント」の2本です。

「殺人者の記憶法」は、再編集して内容も少し変えた「殺人者の記憶法:新しい記憶」という映画が都市部で公開されているそうですが、こちらではまだです。「新しい記憶」のほうもホールソレイユで上映してくれないかなー。

映画のあらすじは、獣医で元連続殺人鬼の男キム・ビョンス(ソル・ギョング)と、警官で現役殺人鬼のミン・テジュ(キム・ナムギル)が偶然出会い、ビョンスの娘のウンヒ(キム・ソリョン)がテジュに命を狙われるという、これだけ読んだら超シンプルな内容です。シンプルじゃないのは、ビョンスがアルツハイマーで記憶が途切れがちで、彼の頭の中では妄想と現実が混在しているため、スクリーンの中で行われていることが真実かどうか、見ていて惑わされてしまうということです。落ち着いてじっくり見れば、そこここにヒントがあるらしいのですが、初見ではそこまで追うことはできませんでした。

ビョンスはテジュのことを、最近起きている連続殺人事件の犯人だと確信しているのですが、テジュは尻尾を出さず、ウンヒからは逆にビョンスが犯人なのではと疑われる始末。というのも、テジュは偶然を装ってウンヒに近づき、彼女と交際してビョンスが犯人ではとほのめかしていたから。根回し上手ですね。ちなみに、テジュ役のキム・ナムギルは、この映画では不気味だけど他の作品ではとってもハンサムです。わざと太って顔をむくませたのかな?

ビョンスが過去に殺してきた人は、ビョンス自身が「生きている価値のないクズ」だと判断した人たち。ひらたく言うとブラックエンジェルズに殺されそうな、腐れ外道な人たちです。最初の殺人は、家族に暴力をふるう父親でした。父親を殺すことで、ビョンスは母親と姉を守ろうとしたのですが、それが招いた結果が終盤に明らかになった時は悲しかったです。

血なまぐさい殺人鬼VS殺人鬼の死闘が繰り広げる中に、時折出てくる父と娘のほのぼのとか、テジュを殺すために一生懸命体を鍛えるビョンスお父さんとか、時折ユーモアを挟んでくるのが油断なりませんでした。いや、笑えるか笑えないかは別ですが。ビョンスはウンヒの勧めでカルチャースクールの詩の教室に通うのですが、同じ教室の生徒でビョンスに気があるチョさんとか、地元の警察署長のアンさんとかコメディ担当のキャラもいて、意識して笑わせようとしているのはよくわかりました。アン所長は殺伐としたストーリーの中で唯一の癒しでした。

2時間弱の映画でしたが、観客を意図的に混乱させる脚本と演出のせいか、途中ちょっと中だるみを感じる場面もありました。「新しい記憶」のほうが上映時間が長いらしいですが、再編集して映像も追加されているそうなので、逆にすっきりわかりやすくなっているかも。

クライマックスで、ビョンスとテジュが対決するシーンはアクションが圧巻で、しかも途中からウンヒも参加するので、この後見る「マンハント」が物足りなくなるんじゃないかとちょっぴり心配になりました。まあ、それは杞憂だったんですけどねー。

残虐な方法で人が死んだり、具体的な説明は避けますがペットボトルに入った薄茶色い液体が飲めなくなるような場面があったり、なかなかハードな映画でしたが、最終的にはビョンスお父さんが好きにならずにはいられない映画でした。私が一番ときめいたのはウンヒと一緒ににこにこしながら肉まん食べる場面でしたが、りんごを握りつぶそうと必死になってる場面もかわいかったです。ウンヒがお父さんを施設にいれられなかった気持ち、わかるわー。

あと、オ・ダルス演じるアン署長の癒しパワーが絶大だったので、署長を主役にしたスピンオフが見たいです。韓国の地方の警察署の雰囲気も結構好きなので。「コクソン」の時もよかったし。


次は「マンハント」です。予備知識を入れずに見たので、なかなか大変でした。

映画のあらすじは、

弁護士のドゥ・チゥ(チャン・ハンユー)が、顧問をしている天神製薬のパーティの翌朝、ベッドで目を覚ますと隣に天神製薬の社長秘書・希子の死体があった。身に覚えのない殺人事件の容疑者になったドゥは警察に連行されそうになるが、その場から逃走する。大阪府警の刑事・矢村聡(福山雅治)は部下の百田里香(桜庭ななみ)とともにドゥを追うが、調べていくうちにドゥの犯人説への違和感を覚えるようになる。一方、ドゥはパーティで出会った真由美(チー・ウェイ)と落ち合い、天神製薬の秘密を知る。天神製薬の社長の酒井(國村隼)は、息子で次期社長の宏(池内博之)とともに危険な新薬を開発しており、それを知った真由美の婚約者の正樹(田中圭)を死に追いやったというのだ。やがて、追うものと追われるものだった矢村とドゥは、ともに力を合わせて天神製薬に立ち向かうことになるのだが…

みたいな感じですが、ストーリーを追うより冒頭からエンディングまで力技が続くので、そっちに身を任せた方が映画を楽しめるんじゃないかと思います。大体、公開したばかりの映画の感想を書くときは、ネタバレしたらいけないんじゃないかと気をつけながら書くものですが、この映画に関してはその心配はないと思って安心してます。

そんなわけで、感想をざっくり言うと

・大阪超すごい。
・主人公の弁護士の弁護士に見えない感すごい。
・監督のとにかく鳩を飛ばしたい感すごい。
・二丁拳銃の出し惜しみなさすごい。
・國村隼が死んだと信じられない感すごい。

でした。冒頭からもう「突っ込んだら負け」な場面の連続で、大体30分くらいで感覚が麻痺してしまい、結果こういう感想になりました。大阪は何度も行ったことあるけど、今まで私が見てきた大阪は異世界だったんじゃないかなと思えるくらい、見たことのない大阪でした。ロケ地巡りをしてみたいところですが、大阪の地下巡りは難しそうですね。近鉄の地下の線路をたどっていけばいいのかしら(やめなさい)

映画の冒頭からもう二丁拳銃を背中合わせでぶっ放したり、鳩の出方が強引だったりと、「観客の見たいものを見せてやる」という監督のサービス精神がひしひしと感じられました。その結果、映画が面白いか面白くないかは別の問題ですが。

福山雅治はものすごく頑張ってたので、こういうアクション路線で別の作品も見たくなりました。演技の幅が広がった感はあまりなかったけど。桜庭ななみは、他の女優たちに比べて存在感がなくて、もしかしたらいなくてもよかったんじゃないかと思えたのが残念です。というか、周りが濃すぎるから仕方ないのか…。

終時半笑いで見てしまいましたが、監督が抱いている日本映画へのノスタルジーを映画にしたらこうなったのかな、と思うとどこか懐かしい気持ちになれ…るかな、うん。多分。

あと、映画の最初のほうに斎藤工と吉沢悠が出てましたが、彼らよりもホームレスの坂口を演じた倉田保昭さんのほうが強烈に印象に残りました。
あの2人、なんで出たんだろう…いや、斎藤工好きだけど。

ツッコミどころが多い映画は、SNSで実況しながら見ると楽しいので、地上波で放送されるのが待ち遠しいです。福山雅治の次回作が公開される頃には、やってくれるかな~。


コメントを投稿