Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

中山七里「さよならドビュッシー」

2013-01-03 12:19:22 | 読書感想文(国内ミステリー)


オビに「このミス」大賞受賞作&映画化決定(公式サイト)と書いてあるのを見て、ちょっと興味を持ったので読んでみました。


※ここから先は、極力ネタバレを避けますがそれでもやっぱりネタバレしてるかもしれませんのでご注意ください。








名古屋に住む音高志望の十五歳の少女・香月遥は、資産家の祖父と両親、フリーターの叔父、スマトラ島沖地震で
両親を亡くした従姉妹のルシアと暮らしている。しかし、音高入学を目前に控えたある日、遥は祖父とルシアとともに
火事に逢う。祖父と従姉妹は焼死し、ひとりだけ命が助かったものの、全身大やけどを負ってしまう。それでも、
天才ピアニストの岬洋介とともにコンクール優勝を目指して猛特訓に励むが、周囲では不吉な出来事が次々に起こり…






なるべくネタバレをしないように感想を書きたいと思いますが、まずは一言。

かーっ、だまされた!!

単純なトリックにひっかかって、最後の謎解きまでトリックに気づきませんでした!
ミステリーの基本中の基本、「この登場人物の役割は何か」を考えればすぐにわかることなのに…うう。
私の悪い癖ですが、自分が気に入った登場人物はつい贔屓目に見てしまって、怪しいと思ってもつい疑うのを
やめてしまうんですよね~ミステリーファン失格かも。今年はいいかげんこの癖をやめて、ミステリーに出てくる
人間はとりあえず全部疑ってかかるようにしようかな。それはそれで殺伐としすぎてて虚しい気もするけど。

それはさておき、クラシックがテーマのミステリーなので、作中にドビュッシーの「アラベスク」や「月の光」、
ベートーベンのピアノ協奏曲「皇帝」など、クラシックの名曲が色鮮やかに、まるでそこで鳴り響いてるかのように
活き活きと描写されてるのが面白かったです。まあ、クライマックスのコンクールで主人公が指の感覚を失いながら
ドビュッシーを引く場面は、ちょっと長すぎるんじゃないかな、とは思いましたが。映画化するとき、この場面を
どう演出するのか気になります。モノローグ入れたりスローモーションを多用したりしたら嫌かも。

資産家の孫娘という主人公の設定は、その優雅な生活ぶり(火事に遭った離れとか豪華すぎる)に「少女漫画かよ」と
突っ込みそうになりました。しかしその姫川亜弓のように優雅な生活が、火事以降一転して芝居のチケット欲しさに
冬の海に飛び込む北島マヤみたいにハードになるというギャップがあまりにすごくて、ぐいぐい話に引き込まれました。

しかし、残念なのは探偵役の岬洋介がピアニストとしても探偵としてもあまりに完璧すぎて、面白みに欠けていたところ。
もっとも、この「さよならドビュッシー」は、ピアニスト探偵岬洋介の活躍を描くシリーズ第1作らしいので、岬洋介の
キャラクターが他の登場人物から浮き上がってるのも仕方ないかもしれません。いま、続編の「おやすみラフマニノフ」を
読んでいるので、これを読み終わったら岬洋介に対する感想もまた違ってくると思います。

映画「さよならドビュッシー」は、公式サイトのあらすじを読んだところ、原作をだいぶアレンジしてありました。
原作を読んでて「これはちょっとひどすぎるんじゃないの」とひっかかったところが少しソフトに変えてあるみたいなので、
劇中で使われる音楽にも興味があるし、もし近場で公開されたら見に行くかもしれません。

ところで、映画で岬洋介を演じるのはピアニストの清塚信也氏だそうですが、演技のほうはどうなんでしょうね。
演奏シーンは期待大なんですが…。
コメント (4)   この記事についてブログを書く
« 新年あけましておめでとうご... | トップ | ジャンボフェリーでお買い物... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も読みました。 (ぱたぱたまま)
2013-01-04 21:24:42
もちきちさん、こんばんは。私も読んだので、感想が聞けてとても嬉しいです。しかも、私もものの見事にだまされたので私だけではないと思って、ほっとしました。これ映画化されるんですね。知らなかった。ねたばれするとなーんだと思う作品ですが、音楽がきれいなのでいいのかな。だけど、コンクールの作品が二つのアラベスクはあまりにもしょぼすぎないですか。実はむかーしピアノを習っていてこの作品を発表会で弾いたことがあります。私レベルで弾ける作品をコンクールでというのはちょっと厳しいかも。正月に太ってしまい、ここでダイエットすることを誓います。もちきちさんも、頑張ってくださいね。
私もです! (もちきち)
2013-01-05 00:09:34
>ぱたぱたままさん
こんばんは。コメントありがとうございます。

>ねたばれするとなーんだと思う作品
そうなんですよね。小説だとこのトリックにまだ納得できるけど、映画だと見終わってからいろいろすっきりしないんじゃないかと思います。
その分、音楽でフォローするのかもしれませんね。

>コンクールの作品が二つのアラベスクはあまりにもしょぼすぎないですか。
そうそう、私もそれは思ってました。実は私も中学生の時、発表会で「アラベスク」を弾いたんです。
多分、コンクールに出る人は私よりもずーっと上手く弾くんでしょうけど、それでもこの曲で「ラ・カンパネラ」を弾く人に勝つのは無理がある気がします。

私もいま正月太りがかなりキているので、掃蕩焦っています。一緒にがんばりましょうね。
Unknown (とおりすがり)
2013-01-13 02:38:22
先日のプレミア上映会で映画を観て、すごく気に入ってしまい、他に観た方が感想書かれていないかと思って探したところ、偶然辿り着きました。

もちきち様が気にされている点は全部回避してまして、原作を超えたと思いました。駄目な要素を省いて、ほんと上手くまとめたなーと。(原作はトリック等々、だいぶ無茶してるイメージだったので……)。

清塚氏は面白みのある岬先生を見事演じていて、新人賞取るんじゃないかと思いました。レッスンの様子なんかは、本職だけ有って原作より面白いです。

すいません熱く語りましたw
安心しました (もちきち)
2013-01-14 19:44:21
>とおりすがりさん
コメントありがとうございます。もう映画を観られたんですね。

映画は原作を超えた、と評価されてるとのことで、映画を見に行く気持ちが強くなりました。
近場の映画館で公開されるといいのですが…。

清塚氏の岬先生、演技もよかったんですね。演奏シーン、どんな風なのか気になります。

情報ありがとうございました(^.^)

コメントを投稿

読書感想文(国内ミステリー)」カテゴリの最新記事