「夜行観覧車」第1話。

TBSドラマ「夜行観覧車」の第1話を見ました。原作を読んだばかりだし、ドラマもドロドロしてるに
違いないだろうから、見ようかどうか迷ったけど結局見ました。予想通り、シンプルな原作を
連続ドラマにできるようにかなり肉づけしている感じでしたが、これはこれで面白そうなので、別物だと思って
見ることにします。

第1話は、高橋家の父親が何者かに後頭部を殴られて、救急車で運ばれるところから始まりました。
それから一気にドラマは4年前の、遠藤家がひばりが丘に引っ越してきたときに戻って、遠藤家の彩花が
受験に失敗するまでと事件が起きた4年後の現在とが交互に出てくる構成になってました。ちょっとややこしいけど、
メリハリが効いててよかったです。

驚いた、というかドン引いたのが、原作を読んだときにイメージしていた以上に、ひばりが丘が高級住宅街だったこと。
こんな居心地の悪そうな場所に、ド庶民の遠藤家がよくまあ引っ越してこようと思ったもんだと、フィクションとはいえ
唖然としました。不動産屋もタチが悪い。事前にどんな街なのか教えてあげればいいものを。これじゃ詐欺です。
それと、自分がイメージしていた以上に、ひばりが丘の場所が坂の上過ぎたのも衝撃でした。こんな急な坂を毎日
上り下りするなんてどんな拷問だよと。確かに、神戸の山の手なんかはかなり急な坂の上にあるから、あそこから
海側の繁華街を見たらこんな感じなのかもしれないけど。（神戸の山側と海側はどちらも栄えてる印象ですが）

トゥーマッチなのはひばりが丘の設定だけでなく、婦人会の会長で遠藤家の裏側に住む小島さと子もすごかったです。
演じるのが夏木マリだから、さぞや恐ろしいことだろうと覚悟していたけど、その覚悟が軽く吹っ飛んでしまうほどの
怖さでした。私だったら、音楽会に呼ばれた時点で荷物まとめて夜逃げします。私立に落ちて荒んでしまった彩花の
気持ちがよくわかりました。こんな魑魅魍魎の跋扈する街にいて、まともな神経でいられるわけないですわ。

ひばりが丘で遠藤家が唯一仲良くできた高橋家は、なんかウザそうな父親と完璧主義の母親、理想の家族を演じるのに
疲れぎみの子供たちと、第1話から波乱の予感がびしばし伝わってきました。原作では遠藤家と高橋家は全然仲良く
なかったのに、ドラマのでは親同士子供同士で仲良くしてたので、きっとこれからこの２家族の距離はどんどん離れて、
事件の後にまた引き寄せられていくんでしょうね。この先の展開が楽しみです。鬱展開になることは間違いないけど。

ところで。事件当時、中学3年生だった彩花と慎司は、4年前にはまだ小学生でした。そう、小学生。小学生のはずなんです。

慎司、お前老けすぎや。

どっからどう見ても小学生には見えんぞ、コラ。それとも清修学院に入るのに浪人したのか。
…というのは冗談ですが、中川大志くん、14歳なのに身長のせいか大人びて見えますね。せめて4年前のシーンは、
髪型とかでもっと子供らしく見えるようにしたほうがよかったかも。そして実は彩花役の杉咲花ちゃん（どっかで見たと
思ったら、CookDoのCMでぐっさんと共演してた子だったのね）のほうが年上という…今日、普通にランドセル背負って
小学校行ってましたけど！違和感なかったですけど！小学生に見えたのは、彼女が小柄だからというのもあるけど、
うーん、女は怖い…。

原作では早い段階で淳子が「自分が夫を殺した」と自供しますが、ドラマでは淳子はまだ何も言っておらず、家族以外の
人間が犯人かもしれないというミスリードさえされてました。正直、そこまでしなくてもとは思いますが、これも
１クールもたせるためには必要なんでしょうかねぇ。家族の中で起きた事件、というのがミソなんだろ思ってたんですけど。

第2話では、彩花が公立中学校に進学して、家庭内でのヒステリーが始まるようです。彩花をいじめる志保訳は吉田里琴
ちゃん。いじめっ子役をやらせたら右に出る者はいない子なので（※個人の感想です）、どんないじめっ子キャラを
やってくれるのか、今からドキがムネムネです。

あと、原作読んだ時から思ってたけど、彩花はあのまま私立中学に受かってても、授業料が払えなくなってたんじゃ
ないでしょうか。あれだけ家計がひっ迫してたんだから。このへん、ドラマを見たリアルお受験経験者からツッコミが
入るかもしれませんね。