驚いたなあ。四国お遍路さんを外国の方がしておられる。幾人も。女性の方も見かけた。それもお一人で。足摺岬の金剛福寺から次の札所のお寺までは75kmも離れている。そこを歩いて行かれる。寂しい道だ。「天の歴程」などがキリスト教の国でもあるから、神々を訪ねて遍歴をするというのはどの宗教にもあるだろうけれど。黙々と歩くことで思索が深まるのかも知れない。お遍路は「同行二人」と菅笠に書いてあるから、弘法大師と二人の求道の旅である。西洋の方だろうと東洋の方だろうと、「自己とはなんぞや」「何のために我は生きるや」「生かさるる我は何処に向かうや」「我がよろこびとすべきものとはなんぞ」。これらの疑問が噴出してくるのはいっしょなのかもしれない。