今夜宴す。今日まで生きてこられた、それをお祝いして祝盃三百杯

「旅は道連れ、世は情け。袖振り合うも多生の縁」でございますよ、あなた様と私とは。世の中には、離れよう断ち切ろうとしても切れない、おぞましい腐れ縁なんてのもあって、悩んでおられる向きもありますけれどね。人生は旅。私たちは宇宙を旅をしている宇宙人。この地球へは団体修学旅行をしてふらりと降り立っています。団体さんなのです。みんな此処では道連れなんです。しかもこうして何度も顔をつき合わせている仲。仲良くなれているんです。声を掛けていることが情けを掛けていること。目を掛けているから、イヤラシイ言い方をすれば、互いはまあお目掛けさん的存在。お金の遣り取りはないんですがね。袖振り合うも多生の縁として、はらりさらり袖を振り合ってもいます。縁は薄いようでいて、深い。生まれてくる度に、何度もこうして出逢ってきている。ひょっとしたら、案外、お互い貸し借りがあるのかもしれません。何処から何処までの道連れなんでしょう。冥土の地獄極楽三丁目まで続いているのかもしれませんね。それまでは楽しく行きましょう。楽しく行きましょう。情けを掛け合って楽しく行きましょうね。われらは今夜宴す。祝いの宴す。今日まで生きてこられた、しかもここであなたにこうして出逢っている。これを祝おう。きみに勧む、さらに尽くせ、祝盃の盃の三百杯。