極楽写真倶楽部 「ゆ」

なんとなく撮って載せてみる写真のブログ from 北京。

西ジャワ~スンダの神秘 ジャイポン in Jakarta (インドネシアの音楽)

2009年10月09日 | 一眼レフ - 望遠/ズームレンズ


Panasonic DMC-G1 / G VARIO 1:3.5-5.6/14-45 ASPH. MEGA O.I.S.
ジャカルタ/インドネシア

こちら中国の「国慶節」休暇を利用し、一週間ほどインドネシアへ旅行に行きました。ジョグジャ(Yogyakarta)とジャカルタ、後おまけでシンガポール。今回の旅行のテーマは「ジャカルタのナイトライフ~音楽編」。実は昨年同じ時期に同じ目的でジャカルタに行ったのですが(この辺)、丁度ラマダン~イドゥル・フィトリ期間であり、ナイトライフどころかショッピング・モールさえろくに開いていない始末。悔しいのでリベンジのために再度ジャカルタに向かったのであります。このときは、ジャカルタがナイトライフ天国だなんて知らなかったし。

この記事ですが、西ジャワ、スンダ地方の芸能のひとつである「ジャイポン(Jaipong)」もしくは「ジャイポガン(Jaipongan)」のパフォーマンスに関するものです。JaipongとJaiponganの違いは全然わかっておらず、ご勘弁くださいませ。

1990年代前半のワールドミュージックのブームでは、音楽王国インドネシアも随分取り上げられ、まだ若かった私もそれでいろいろ知った口です。ダンドゥットやクロンチョンといった都会の音楽や、中央ジャワ、或いはバリの音楽が主だったように思いますが、西ジャワ=スンダについてもこのジャイポガンやカチャピ・スリン(琴と笛のアンサンブル)、ポップ・スンダ等の録音が、日本でも発売されていました、と記憶。そうそう、久保田真琴氏プロデュースのデティ・クルニア「ダリ・スンダ」は愛聴しました。

ジャイポン/ジャイポガンは、インドネシアの伝統楽器と舞踊による、即興的要素の強い芸能、と勝手に解釈しています... 違ってたらご指摘くださいませ。youtubeで探したらいろいろあるようですが、中国ではyoutubeは見せてくれないのでご案内できません。すみません。ジャカルタに行けば、CDとかVCDとか売ってます。

昨年西ジャワの代表的都市であるバンドゥンに旅行したときには、この手の音楽の生演奏を探し当てることができず残念に思っていたところ、ジャカルタのナイトライフに関するウェブサイトとしてはおそらく世界最高の量とクォリティーを誇る「Nightlife in Jakarta - Jakarta'$ 100 Best Bars!」(このサイトも中国から見れません。ググってみて下さい。)にて、このジャイポン・パフォーマンスが紹介されており、絶対行かなきゃと思って、行ってきました。前置き長くてすみあません。

場所は、ジャカルタ中心から南南西の方向、「Jatinegara」駅のそば。ジャティヌガラ駅までタクシーなりオジェッ(バイクタクシー)で行けば、その辺の人がきっと場所をご存知です。で、なんとかボッタくろうとするガラのよろしくないオジェッの運ちゃんにさえ三回くらい「この辺気をつけろよ」と何だかおどされるみたいにおろされたのが、この場所。


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ジャカルタ/インドネシア

とっても露天。いなたいです。でも、女子の皆様は衣装から髪型から正しくスンダテイスト。どきどきします。ちょっと離れて見てみましょう。


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ジャカルタ/インドネシア

上の方に高架が見えますか?ステージは橋の下、な趣き。客席はこの道路の向かい側。間を走る車やバイクの騒音をかき消すべく、真ん中に見えるスピーカーから流れる音はとってもラウド、っていうか割れまくり。器量はともかく明るくて、インドネシア語オンリーで攻めまくるお店の女の子にビールやらレディースドリンクやら勧められるうちに、夜10時前に開演。雰囲気はこの記事一枚目の写真でどうぞ。

ゆったりとした、テンポの変化するイントロ部から始まり、次第にアップテンポ、オンビートに。ジャイポンを歌うのはおばちゃんだけ(他にやるダンドゥットでは若いお嬢さんも歌う)。なんだか生き物のようにうねうねしたグルーブが、とても心地良いです。その辺りにいるおっちゃん、お兄さんが時々ステージの前で踊り...


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ジャカルタ/インドネシア

こんな風にチップを渡して...


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ジャカルタ/インドネシア

定位置に戻っていきます。残念ながら、VCDとかで見たジャイポンダンスを踊る女子はいませんでしたが、歌手・ダンサーは確か7人、バンドは6人、とダンドゥットやるときに登場するキーボード一名。これだけ人数がいるので、みなさんずっとパフォーマンスしてる訳ではなく、曲の途中でもこんな風に...


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ジャカルタ/インドネシア

チップの勘定したり、携帯メールしたり、なんか食べたり飲んだりしています。その間も音量はラウド。

楽器を見てみましょう。


Panasonic DMC-G1 / G VARIO 1:3.5-5.6/14-45 ASPH. MEGA O.I.S.
ジャカルタ/インドネシア

手前が両面太鼓のグンダン(クンダン?)。ダンドゥットのグンダンはタブラみたいにふたつに分かれていますが、この両面が多分オリジナルなスタイル。その奥が、名前わかんないけどタムみたいに音程の違う太鼓を並べたもの、その左に、シャカシャカいう金属板みたいな打楽器。その左のバチを持っている髭のお兄さんがゴング。


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ジャカルタ/インドネシア

ゴングの左が、擦弦楽器のルパブ。その左に隠れてますが、鉄琴のサロンで、8ビートのリフを刻みます。っつうか電話してるし(演奏中)。

こんなスンダの神秘ですが、彼等は生活のためにやっている訳で、観光客である私がヘラヘラとステージ前で踊れば、ステージのおばちゃんから「チップ寄こせ」攻撃満載。チップを渡すと、しっかり手を握ってくれます(おばちゃん)。小額紙幣のない方は、お店の人が両替してくれます(そのままステージに行って、チップでゲットした小額紙幣と交換してるだけ)。

お勘定は、飲み代(ビール2本、女の子にドリンク1杯、おつまみ落花生)とチップ込みで80,000ルピア(800円)くらい。ステージへのチップは50,000ルピア(500円)くらい使ったでしょうか... 明らかに観光客な私なので若干上乗せもあるでしょうが、千円ちょっとで2時間ほど楽しんで、十分でしょう。いいところです。また行きたいです。丸出しの俗っぽさが正に神秘。

営業時間(演奏時間?)は夜10時から夜中3時くらいまでとのこと。英語はまったく通じませんけど何とかなるでしょう。ワールドミュージッカー諸氏必見の場所ですが、夜遅くなるので、行かれる方は何かとお気をつけ下さいませ。そういえば、付近に似たようなお店がもう1軒ある、と言ってました(多分)。

コメント (5)
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