子供のころ、本宮ひろしのマンガのセリフ、「男ってのはなあ、普段何色だってかまいやしない。いざって時に銀色に輝けばいいんだ!!」にしびれ、そう思って若い時期を過ごした。
今、全然違う考えを抱いている。
瞬間的に、あるいは一時的に、無茶をして頑張ることもまたよし。 しかし、淡々とした毎日の中にこそ、本当の実力が潜んでいるのではないか。
たとえば。
写真を一枚撮るのに、メークを施し、機械のエフェクトを駆使すれば、芸能人のような写真を素人でも撮ることができる。
しかし、その奇跡の一枚をもってして「自分はこれほどイケメン/可愛い」とすることはできない。
他者の印象に残るのは、毎日の平均値だ。特別よそいきな表情は、長時間維持できるものではない。
自分を高めていくには、本当の意味で高めていくには、淡々とした毎日を、ていねいにレベルアップしていくしかない。
最大値がよければそれでいい、というのは、ドラマの世界だ。ドラマは、つまらない日常を描いても面白くないので、非日常的な要素を盛り込む。
現実は、平均値の方が大切だ。地味だが、それが現実だ、と思う。