田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ゲティ家の身代金(All the Money in the World)

2018年07月07日 22時25分24秒 | 日記

「All the Money in the World」の画像検索結果

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 1973年に起こったアメリカの大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された事件を、「オデッセイ」「グラディエーター」など数々の名作を送り出してきた巨匠リドリー・スコット監督のメガホンで映画化したサスペンスドラマ。73年、石油王として巨大な富を手に入れた実業家ジャン・ポール・ゲティの17歳の孫ポールが、イタリアのローマで誘拐され、母親ゲイルのもとに、1700万ドルという巨額の身代金を要求する電話がかかってくる。しかし、希代の富豪であると同時に守銭奴としても知られたゲティは、身代金の支払いを拒否。ゲイルは息子を救うため、世界一の大富豪であるゲティとも対立しながら、誘拐犯と対峙することになる。ゲイル役をミシェル・ウィリアムズ、ゲイルのアドバイザーとなる元CIAの交渉人フレッチャー役でマーク・ウォールバーグが出演。ゲティ役をケビン・スペイシーが演じて撮影されたが、完成間近にスペイシーがスキャンダルによって降板。クリストファー・プラマーが代役を務めて再撮影が行われ、完成された。(映画.comより)

 

 

 

 映画通の方ならご存じの、ケビン・スペイシー曰く付きの映画。クリストファー・プラマーが引き受けてくれてよかったですね。これも巨匠リドリー・スコットのなせるわざか。しかし、こちらしか見ていない私は、最初からこの役はプラマーだったようにしか見えなかったのでした。

「ロスト・ハイウェイ」というデヴィッド・リンチの映画を見たときに、主演のバルサザール・ゲティは大金持ちゲティ家の御曹司だ、と聞きました。でもあんまりその筋のことを知らなかった私は「ふぅぅん」くらいにしか思わなかったのでした。今回の映画を見る限りでは、バルサザールは当事者ではなかったようですが、なるほどうなるほどの大金持ちだったわけですね!

しかし犯人もアホですよね、大金持ちだからその孫を誘拐しよう、なんて安易すぎますよね。すんなり行くとでも思ったのでしょうか。そんなにコトが簡単なら、とっくに誰かがやってるはずです(笑)。やるほうは単純に「金持ちだ」と思ってやるのでしょうが、現実はそれほど単純ではありません。一代たたき上げのプラマーは当然厳しく、息子はそのプレッシャーに耐えられなかったのか、あるいは元々ボンクラだったのか、最終的には廃人のようになってしまってます。その嫁ミシェル・ウィリアムズは地方検事の娘と言う出自で、自らも優秀な女性ですが、夫でさんざん苦労したあげく、離婚となると厳しい条件を出され、何ももらわず手ぶらで離婚し必死に働いている状況です。しかも息子が誘拐されて、その対応は日夜を徹して行われています。祖父はびた一文出さないし(そんなことに応じれば他の孫も狙われてしまう、という彼の言い分もわかる気がする)、「自分こそは犯人だから現金を持ってこい」という”自称犯人”がわんさか出てくるし、マスコミは「大金持ちのくせにお金を出さないケチな奴ら」と言わんばかりの報道をするし、しまいには母親の愛情や資質を疑うような報道も。でもね、お金があるのは本当に当主(クリストファー・プラマー)だけであって、離婚して必死に働いているシングルマザーにそんな大金、本当にないんです。みんな妬み・そねみが一緒くたになって、言いたい放題。殺生なもんです。

まぁ事件が事実である以上、結末は最初からわかっているわけですが、犯人グループの中にも金持ちのボンを憐れんで優しくしてくれる奴がいたり(その役がロマン・デュリスだったり!)、金になる男は悪人(?)同士で売買されたり(これには驚いた。よく考えるとなるほどだけど)、まぁいろいろなことが起きます。

マーク・ウォールバーグなど、普通の正義漢も出てくるのですが(それでも彼だけミシェルの5倍?50倍?のギャラで撮り直したと聞いたので素直に見れない)、基本”ヒトの悪の側面”ばかりがクローズアップされる映画なので、気をしっかり持って見ないといけません。それでも疲れてしまいますけど。元気なときに、どうぞ。

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