田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ベラミ 愛を弄ぶ男(bel ami)

2013年04月28日 17時18分42秒 | 日記

 

 美貌を武器に上流社会へ成りあがっていく男の姿を描いた文豪モーパッサンの小説を、「トワイライト」シリーズのロバート・パティンソン主演で映画化した文芸ドラマ。1890年のパリ。アルジェリア帰還兵で貧しい日々を送っていたジョルジュは、ふとしたきっかけで自分の美貌が有効な武器になることを知る。上流社会の夫人たちを次々に誘惑し、富を得たジョルジュは、何もかもが望みどおりだった。そんなある時、信頼していた新聞社の社長の裏切りを知り、ジョルジュは復讐を決意するが……。共演にユマ・サーマン、クリスティン・スコット・トーマス、クリスティーナ・リッチ。(映画.comより)

 

 

 

 こういうお話は昔から多々あれど、主人公が男性で、しかもそういうお話を文豪モーパッサンが書いていた、というのが意外でした。私は「トワイライト」サーガを見てないので、ロバート・パティンソンに思い入れはないのですが、映画館で予告を見るたび「そうかなぁ、男前なのかなぁ」とうっすら思っておりました(笑)。しかし、今回「ベラミ」の役をこんなにうまくこなせたのですから、やっぱりハンサムなのでしょうね。

舞台はフランス、パリ。でも登場人物は全員英語を話します。混乱しますが、あくまで舞台はパリです。

主人公のロバートは、アルジェリア戦線から帰国後、極貧の生活を強いられている男。ある時、なけなしの銀貨を握り締めて場末の酒場に向かうと、そこに騎兵隊時代の旧友フォレスチェが。あまりのみじめったらしさに同情したか、彼は貸衣装代まで出して、あくる日のディナーに招待してくれます。

今は羽振りよく、新聞社の政治部長として暮らす彼は、美しい妻マドレーヌ(ウマ・サーマン)と新聞社社長の妻ヴィルジニ(クリスティン・スコット・トーマス)、そしてまだ若い人妻クロチルド(クリスティーナ・リッチ)を紹介してくれます。見栄えのする若者、そして彼にとっては普通のことでも、アルジェリア戦線の話など、ご婦人方にとっては新鮮な話題で、見る間に気に入られたロバート、早速新聞社に職を紹介してもらいます。

そして、ウマはこの時代には珍しく、知的で聡明、そして野心もあることから、ロブの影となり日向となり助言を与え続け、彼にコラムを書かせます。しかも、「パリで権力を操っているのは男性ではありません。彼らの奥方なのよ」と教え、クロチルドの夫は留守がちだ、と余計なことまで教えます。

彼女の助言通りのコラムで成功したロブは、早速クロチルドを訪ね、すぐに陥落します。彼女も淋しかったのね・・・。

しかし、自分で書く能力がないのはやはり痛手で、社ではバカにされることもしばしば。ロブはそのたびにヴィルジニやウマに取り入り、事なきを得ていきます。

やがてウマの夫が結核で亡くなります。誰も見舞いに来ない中、ただひとりウマと一緒にそばに居続けたロブは、夫亡き後、「貴方は、僕を友にも弟にも夫にもできる。さぁ、身も心も捧げます」とウマに迫り、結局彼女と結婚してしまいます。

しかし、野心も旺盛な彼女、なかなか一筋縄ではいきません。何を企んでいるのか、政治家や老年の伯爵などとも交流があるようです。

そして、生まれや育ちが卑しいものは信頼できない、とばかりに、彼のみをのけものにして、ウマを含め新聞社全体に裏切られたとき、彼の復讐が始まります。

まずは浮気現場を押さえて妻(つまりウマ)を姦通罪で逮捕させ、離婚が成立。その後まとわりついていたヴィルジニを振り払い、その魅力のみで最後にゲットした女は・・・。

あっと驚く展開でした。なるほど・・・。ここで、この”最期の女性”が輝くような美人でないことがポイントです。まだ若く、落ちやすかったのだろうな、と。

可憐だったクリスティーナ・リッチ。彼には最後まで誠実でした。やり手すぎたウマと最後にボロボロっと崩れてしまったクリスティン・スコット・トーマス。女として、どの女性も他人事とは思えず、「う~ん、生きるって難しいな」って思ってしまいました。

そして、なんといっても、ロブがうまかった!すごい美男子でもないのに、綺麗に着飾り、女性を見るときのにやけた顔のいやらしかったこと。本人はそうではないだろうに、下卑たというか、本当にいやらしさ全開な表情をしていました。それでいて、なんとはなしに女性の気を惹くであろうことはわかるんですね、私も女ですから(笑)。

若いうちにこんな男に出会わなくてよかった(笑)。きっと簡単に落とされてる。いや、私も貧乏に育ちましたから、そんなことはあり得ないですけどね、もちろん。

ただ、貧乏な生活に戻りたくない、という気持ちはわかります。ロブの場合はそれが度を越していただけのことで。

豪華な調度品や衣装は、一見の価値ありです。

コメント
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