oceansidecompany

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第33話 ボー・アルーリンの執務室

2023-02-21 23:16:52 | エピローグ
215第33話ボー・アルーリンの執務室
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ
第33話

ボー・アルーリンの執務室

おおまかな銀河史

 本編を繙(ひもと)く前にこの物語に至る歴史の概要をお示しすることは読者には有益になるでしょう。

前史

地球暦12500年=銀河暦元年
 トランター帝国、銀河帝国となる。

銀河暦500年ごろ
 身代わりの天使出現。

銀河暦900年ごろ
 最後の地球残留人(ニフ人)、地球を去ってアルファ星に移住。

銀河暦2000年ごろ
 ダニール・オリヴォー、イオス星にロボット修理・製造工場を建設。

 偉大なるルエリス、穏和な統治システムを提唱。

銀河暦8789年
 惑星リゲインの「文芸復興」、8年で破綻。

銀河暦11865年
 女性型ロボットドース・ヴェナビリ、イオスで製造。

銀河暦11867年
 銀河系外の大マゼラン銀河の植民惑星が放棄される。

銀河暦11988年
 ダニール・オリヴォー、デマーゼルと名乗って、銀河帝国の宰相となる。

 クレオン一世、ハリ・セルダンの誕生。

銀河暦12028年
 ダニール・オリヴォー、首相を辞任。後継にハリ・セルダンを指名。

銀河暦12067年=ファウンデーション暦元年
 ガール・ドーニックら百科辞典財団、ターミナスへの計画決定。

 ハリ・セルダンに対する裁判の結果、公安委  員会は百科辞典財団をターミナスに放逐。ガール・ドーニックファウンデーションの51番目の委員になり、第1ファウンデーション全般を仕切る。ボー・アルーリン、ガールを補佐し、第2ファウンデーションとの繋がりを助ける。

 ダニール・オリヴォー、ガイアを計画。

銀河暦12038年 
 ハリ・セルダン、宰相を辞任。

銀河暦12040年 
 ウォンダ・セルダン生まれる。

銀河暦12048年 
 ドース・ヴェナビリ、死去。ベリス・セルダン生まれる。

 ハリ・セルダンの盟友ユーゴ・アマリル没。

銀河暦12066年
 ダニール・オリヴォーの地球探索

 ダニール・オリヴォー ガイアを計画

銀河暦12067年 
 ハリ・セルダンに対する裁判の結果、公安委員会は百科辞典財団をターミナスに放逐。ガール・ドーニックファウンデーションの51番目の委員になり、第1ファウンデーション全般を仕切る。
 ボー・アルーリン、ガールを補佐し、第2ファウンデーションとの繋がりを助ける。

(ほぼデイヴィッド・ブリンの銀河史の概略に従っております。)

あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。

 漂泊のシンナックス人は今や地球から見た場合の星座レチクル座付近の奥の大マゼラン銀河にさらなる次のターゲットを決めて、このダリバウやイフニアから出て行ったことをペイリーとアンセルムは同時に了解した。

 ミーターたちは、ハニスが投獄されているはずだったイフニアについた。

 ハニスは無事だった。その時点までにアンセルムが、イフニア政府をコントロールして、政府トップと内務省にまで浸透工作に成功させていたからであった。
 
 ただターミナス政府は、その偽装イフニア政府の実態にはまだ気がついていなかった。

 ファウンデーション連合では、既にサイレント革命(ペイリー・リャンがヤマブキ色のハンカチをミーターに捧げたのをきっかけとして、『ヤマブキ革命』と言われる)が徐々に進んでいった。

 それでも一つの危機的状況は依然として残った。改造帝国辞典編纂図書館が破壊されるとイルミナの機能が停止してしまうのだ。

 それを阻止するには二重のパスワードによるアンロックをされてしまうまでに時間霊廟のコントローラーと改造帝国辞典編纂図書館のコントローラーを同時にファー・スター2世号のコンピューターに移行させなければならない。

 それにはある移行措置が必要だとアンセルムは言う。

 しかも、その移行措置に必要な操作はミーターと関係があると言うのだ。

 そしてペイリーの流した涙にも。

 アンセルムは、おもむろにウォンダの3つのシリンダー・ペンダントについて語り出す。

 そして、彼の半生を語りはじめた。
 
 アンセルムは、いよいよ4人に分担して行動するように促す。

 ハニスとペイリーはターミナスのモーヴに向かう。


215

(元帝国辞書編纂図書館に通じるルイス・ピレンヌの像の地下室)

ハニス ペイリーさん、ここが、時間霊廟と元帝国辞書編纂図書館に通じるルイス・ピレンヌの地下室に通じる階段の入り口だ。

ペイリー 知っています。500年前のボー・アルーリンの執務室。ここが正真正銘のモーヴの中枢。

ハニス そりゃ凄いや、ペイリーさんは銀河の裏側にいたのに、私らが、やっと知った真実をどうやってご存じだったんですかねぇ?

ペイリー それについては秘密ですから。残念ですけど、お教えできません。

ハニス まあ、いいです。私にお話しできないこともあろうというものです。

ペイリー ごめんなさい。
 
 あっ、監視人が何人かともう一人!

コデル 待ってたぞ、ハニス!ようやくお前を捕まえられる。この日の来るのを楽しみにしてたぞ!

ハニス どうして、ここに、お前が?

コデル まんまと、引っ掛かりおって、腑抜け革命家が! ここに来ることはわかってた。

 だがもう一匹(?)はどうした?一匹の代わりに美しい貴婦人か?

ハニス どうしてわかったんだ、俺らがここに来ることを?

コデル チャーリー・チーフ捜査官、これらを捕らえろ!

チャーリー 公安委員長閣下、誰を捕らえるのですか?
 閣下、あなた様はだれとお話しになられておられるのですか?

 はい、わかりました。昨日言われました、コデル閣下とそっくりのこの人物ですね?

コデル チャーリー、気でも狂ったのか?
この俺じゃない、ここにいるもう一人の俺のソックリな男と女だぞ!

チャーリー すみません、あなた様一人ですよ、そして我々捜査官だけですよ、ここにいるのは。

コデル 馬鹿者めら!お前ら全員節穴か?俺に手錠をかけてどうする。お前ら、ただじゃおかないからな!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ハニス やれやれ、どうなっているんですか、ペイリーさん?

ペイリー 大丈夫ですよ、ハニスさん。
 ちょっとした手品ですから。

ハニス なんだかわからないけど、有難いとするか!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(二人は秘密の連結場所に到達した。)

ペイリー これが、その部分!

ハニス そうです。これが連結部分です。ここにあなたがもっておられるシリンダー・ペンダントを嵌めこんでください。

ペイリー はい、承知しました。

ハニス それで結構です。この瞬間が、新たな時代の分かれ目。

 ところで、あなたは、先ほど、コデルらが我らを捕まえようとされた時、何をされたのですか?

ペイリー ははは、気がつかれましたか?あれはちょっとした脳シナプスの運動ですよ。気にされなくてもいいです、ハニスさん。

ハニス もしや、それが、あなた方一族の能力?

 それだったら、私が凝った変装も必要なかったんじゃないのですか?

ペイリー そうだったのでしょうか?
 あなたのその変装も相手を錯乱させるのには十分有効だったと思いますよ。

ハニス 大変な皮肉ですね!

ペイリー では、ハニスさん、最初からあなた様にお話ししていましたら、あなた様は私の言うことに従わられましたか?

ハニス なるほど!



最新の画像もっと見る

コメントを投稿