【 亥・猪の文字の語源 】
「亥」・・・豕(いのこ・ぶた)の象形文字。
「核」と同義語
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(次代の種(たね)となる意味があり、
新しい生命の内蔵を表す)
鋳方貞亮著『日本古代家畜史』によれば、
猪の吠声が“ウィー”または“ウー”なので、
これから「イ」となったようである。
音読みは“カイ”
『説文』によると、「亥は古文の豕なり、豕と同じ」
『説文解字』によると、亥は、上を表す「亠(とう・ず)」
下は男女が二人並んで何事かをはらんでいる姿を表している。
「亥」・・・十二支の第12番目
〔方角〕 北北西
〔時刻〕 午後10時(または午後9時~午後11時の間)
「猪」・・・猪は俗字であって、本字は
「豬」と豕偏になっている。
「猪」は我が国では、
“イノシシ”というのが普通であるが、
“イノコ”とか単に“シシ”とも呼ばれる。
「猪と豚」
イノシシのシシは、肉のことで、昔は獣類全般の通称
であったが、特に猪の肉が美味であるとして、
シシの代名詞となった。
イノシシとブタの違いは、猪は野生のもの、
豚は家畜で食糧とされるものとなっているが、
豚という字を書いてイノシシをあらわしていることが多い。
「豚」という字は日本独自の漢字。
(中国で豚肉=猪肉)
俗に「イノシシ」と呼ばれる十円札に“表猪”と”裏猪”がある。
“表猪”・・・明治23年 (1890年) に発行。
日本銀行兌換券で、表に和気清麻呂の肖像と
その外枠の上段に6匹、下段に2匹、計8匹の
イノシシが、思い思いの格好で描かれている。
“裏猪”・・・明治32年、亥年にちなんで発行。
表には右に清麻呂像、左に清麻呂を祀る
京都護王神社の社殿とその前に置かれている
狛犬がわりの狛猪の石像の絵が入っており、
今まで表に8匹いたうちの一匹が減って、裏面の
中央に左向きの猪が一匹大きく書かれている。
もうひとつ、「亥の子(いのこ)」
について書いていたんですが、
「亥の子餅」って聞いたことなくて調べていたら
いろんなのが出てきて面白かったので、別にしました。
「亥の子(いのこ)」の記事は→こちら
こ狛犬が「」まいぬ
いのこ
「イノシ「」シ紙幣」いのし
『十二支のE~話』『(続)十二支のE~話』
戸出 武著より