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コツコツ歩き隊!

お花で一休み(106) ハグマノキ

美しい花の観賞はウォーキングの楽しみ。
花の名前を覚えるというのも立派なウォーキング・テーマであります。
街ならではの花もあり、面白い発見があったりします。


この木を見た時、「スモークツリーなのでは?」と思いました。
次に「なぜスモークツリーだと思ったのだろう?」と不思議に思いました。
もしかすると、花屋さんで見かけていて、ネーミングに感心し、覚えていたのかもしれません。
だとすれば、街中で「スモークツリー」を見るのは初めてということになります。
よって、記事として取り上げることにしました。 



「スモークツリー」またの名を「ハグマノキ」ないし「ケムリノキ」と言います。
(他にも名前あり。)
ウルシ科でヨーロッパ、ヒマラヤ地域、中国が原産の木であります。
雌雄異株(しゆういしゅ)で煙がくすぶっているように見える花を咲かすのは雌木。
故に切花や庭木として植栽されるのは雌木の方だそうです。 



「ハグマ(白熊)」とは中国産の「ヤク(牛の仲間)」の尾の白い毛で、払子 (ほっす) や、槍・旗などの飾りに用いるそうです。
「ハグマノキ」はヤク(白熊)の尻尾の毛を束ねてつくられた仏具の払子(ほっす)に似ていることが名前の由来となっています。

←こちらを覚えておいて下さい。
楽天市場より借用

幹からは専用の染料が採れ、中国では黄櫨染(こうろぜん)の原料として皇帝の衣服を染めたそうです。


黄櫨染ってこんな色。

まさかこんなうんちくが隠れているとは。
やはり色々調べてみるものですね。
気を良くしたので、今回は、さらにもうちょっと調べてみることにしました。

「払子」について。

「払子」はネットで購入できるようで、お安くて27,500円(但し、携帯用)、お高いと22万円くらいで手に入ります。
ヤクの毛から作られるものもあれば、本熊毛(=馬毛)や麻で作られるものもあります。
「ヤク」が用いられるのは、「厄を払う」から。
お手入れのための専用の櫛やリンスがあります。

「払子」はサンスクリット語「ビヤジャナ」の訳で、元々の単語は「扇」という意味でした。
仏教発祥の地であるインドで、蚊やハエなどの虫を殺さず追い払うために使われていました。 

仏教が各地に伝わっていく中で、「払子」がお釈迦様の髪の毛に見立てられ、煩悩や穢れを祓うためや、修行者を導くための道具として扱われたりするようになりました。

現在の日本では、お坊さんが威儀を正すため、やや形式的な目的で使用されています。 
浄土真宗以外の宗派で使われており、宗派ごとに使い方も異なるそうです。

続いて「熊毛」について。

馬毛、中でも「尻尾の中の方にあって成長していない毛」のことを関東では熊毛と言うそうです。 

なぜ、「熊毛」というのか。
「駒毛」から来ているのではないか、と言われています。
「駒」は子馬を意味することから、成長していない毛を「駒毛」と言っていたのが、いつしか「熊毛」に転じたとのこと。

今回、この「熊毛」の調査が一番大変で、相当苦労しました。
一度はあきらめましたからね。
無事、納得できる答えが見つかって良かったです。
(スマホで調べるには限界があることが分かりました。PCの方が良い時があります。)

それにしましても、「スモークツリー」から実に色々なことが分かりました。非常に面白かったです。

<参考資料>
  • LOVE GREEN「植物図鑑/スモークツリーの育て方」
  • 植物写真鑑「ハグマノキ」
  • goo国語辞書「白熊(はぐま)」
  • いい仏壇「仏教・仏事の知識」>「払子とは」
  • コトバンク「払子」
  • 株式会社Conservation for Identity (cfid) 「和装本の虫損直し用の小刷毛を買いに」(2020年5月23日最終更新日時)

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