北海道札幌市北海道大学散策 平成31年1月29日実施 その3
エルム
札幌の街を歩いていると、時々「エルム」と書かれた看板等を見かけます。
「エルム」とはニレ属の樹木の総称、ハルニレの通称とのこと。
北海道大学の「旧昆虫学及養蚕学教室の裏手には「エルムの森」があり、大きなハルニレの木があります。
北大にとって、とても大切な木のようです。
どんな葉っぱなのでしょう。新緑の季節が来たら、見に行ってみようと思います。
散策マップ
- 冬季に見学の際はくれぐれも冬靴をご用意ください。
散策開始!
10.人工雪誕生の碑
「人工雪誕生の碑」は「レストランエルム」の出入口そばにあります。
ここにはかつて「常時低温研究室」という小さな研究室があり、中谷宇吉郎博士のもと、
世界で初めて雪の結晶を人工的に作り出すことに成功しました。
碑は角板型雪結晶を模っています。
北大の若者達に先駆的と言えるような研究への野心と情熱を燃やして欲しいという願いが込められているそうです。
11.新渡戸稲造像とポプラ並木
岩手県の盛岡城に続き、再び新渡戸稲造ゆかりの地にやって来ました。
ここ北大のキャンパスにも新渡戸稲造の顕彰碑があります。
新渡戸稲造は北大(札幌農学校)の出身者。教育者であり、思想家。
国際連盟事務次長を務めました。「武士道」は流麗な英文で書かれ、長年読み続けられているそうです。
お札になるほどの人物。
大学文書館には稲造の学生時代の様子が分かる資料が展示されています。
立ち寄られてみると良いでしょう。
その稲造の胸像の横には北大のシンボルであるポプラ並木があります。
幾度の危機を乗り越えて残されたポプラ達。
春の芽吹きが楽しみであります。
12.第二農場(重要文化財)
「第二農場」は札幌農学校初代教頭クラーク博士の提案によって造られた旧「農校園」であります。
第二農場は入口の事務所で受付を行います。
開拓使札幌官園の一部の移管を受けて開設されました。
製乳所。バターやチーズを製造する施設です。中の床も煉瓦となっていて、屋内の洗浄が容易となるよう造られています。
クラーク博士の構想に基づき、米国式畜舎を建設したり、畜力農具や外国種の牧草・家畜を導入したりして、
洋式農法を実現しました。
竃場。豚などの飼料を煮込んでいたそうです。学内では珍しい「札幌軟石」造り。
北海道畜産普及の拠点となった「第二農場」。
牝牛舎。
堅牢である反面、難点として冬期には床温度が上がらないとされている、当時、欧米で開発された新しいタイプの牛舎。
日本畜産の一発祥地として、かつ特殊な建築構造の価値が認められ、国の重要文化財に指定されました。
右から穀物室、収穫室、脱稃(ぷ)室、原動機室。
耕馬、産室、雑牛追込所(モデルバーン:模範家畜房)。
冬季であったため屋内見学はできませんでしたが、
それでも普通の家屋には見られない特徴的な部位はちょこっと分かりました。
家畜飼養にはそれに見合った施設が必要らしく、様々な理論があるらしいのですが、
「第二農場」で初めてそうした概念に触れたので、理解するのに骨が折れました。
冬期間の凍結防止や、搾乳効率の問題、火災防止、衛生、換気システム構築等々、テーマは色々あるようです。
私にはちょっと難しいのですが、それでも乳牛の繋ぎ飼い方式は対尻方式か、それとも対頭式か」議論や、
牛舎の換気システムについては頭に入れておいて、機会があるごとにチェックしてみようと思います。
日本最古の円筒形石造緑飼貯蔵室(サイロ)。札幌軟石で造られている。
穀物庫の1階には日本全国の鍬が集められ、展示されているそうです。
見学可能シーズンになったら、行ってみたいと思います。
参考資料
- 北海道大学「歴史的資産ガイドマップ」
- キャンパスに設置された説明板
- パンフレット「重要文化財・札幌農学校第2農場」
つづく≫