京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

呉服屋の事情・・お持ち込みのお仕立て

2018-07-10 14:00:58 | 仕事
暑い日が続きますね。
西日本の豪雨がこんな被害になるとは、東京のお天気からは想像もつかず・・・

亡くなった方や、被害にあわれた方はもちろん、
この暑さの中、避難していらっしゃる方を思うと
こうして、冷房の中で涼しく平穏な日を過ごしていられることを
ありがたく申し訳ないような気になります。


いつ何時、自分がその立場になるか・・・そんなことを考えながらも
今の自分の生活に考えを戻して、今日は記事を書かせていただきます。


最近は、デパートの売り場や、商業施設に入っているチェーン店は見かけますが
当店のような街にある呉服店、ホントに見かけなくなりました。

そのせいか相談するところがなくてとお困りになって
お手入れやご相談にお越しくださるお客様も多いのですが
そんな中で、お手持ちの反物などのお仕立てのご依頼も時々あります。

お店によっては、自店で扱ったもの以外、お手入れも、ましてやお仕立てなどは
一切受け付けません・・というところもあるようですが・・・

当店の場合は、「着る人の心、大切に」が信条ですので
お手入れなどは喜んで、お受けしております。

ただ、お仕立てに関しては、お理解頂きたいな・・と思うことがあります。

基本的にお持ち込みの反物は、あまりお引き受けしたくない・・というのが本音です。



最近のことですが、こんなことがありました。
タンスに眠っていたとおっしゃる浴衣の反物でしたが、
急ぎでなくていつでもいいので・・という事で、お仕立てを承りました。

ところが、水通しを職人さんにお願いしたところ、生地が弱っていて
水に入れたとたん、裂けてしまったと、慌てて連絡が入りました。
まさかこんなに古くて劣化していたとは、考えが及ばず、私もよく拝見しなければと反省した一件でした。

そしてまた、別のお客様にお預かりした紬も、試してみると布が弱っていて
力を入れて引っ張ると破れてしまい、
お手持ちの反物をお預かりすることの怖さも、再認識・・という事が続きました。


意地悪ではないのです・・・

しり込みする理由を一言でいうと、責任とリスクがあるということになるかもしれません。


滅多にあることではありませんが、
その反物に対して何かミスがあったとき、当店でお求めいただいた物であれば、
代替品を考えられますが、それができないこと。

また、寸法までしっかり指定を出していただければいいのですが
私が、採寸、寸法を出し、仕立て屋さんに依頼しなければいけないのは
責任もあり負担です。

たとえば、もし、仕立て屋さんに寸法を間違って出して、出来上がってきた場合。
わかりやすく言いますと、袖丈を1尺3寸で出さなくてはいけないところ
おっちょこちょいの私が、1尺4寸と書き間違って、その通りにできてきたら
仕立屋さんには、また袖丈直しのお代を支払ってお直しをしてもらうことになります。

裏話になりますが、お買い上げいただいた反物には、その反物の利益が乗っています。
おっちょこちょいの私が、そうした間違いを犯しても
「ま、しょうがないね・・・、安く買っていただいたと考えよう」とあきらめ?もつきます。

お持ち込みの反物で、そんなミスをしたら、たいへん赤字になってしまうのです。
(あ、実は、今度のようなバーゲンでお買い上げいただいた反物も同じなのですが・・


そして、お持ち込みのお仕立てをお受けするとき
「何時でも、いいので」という事なら、お受けすることもありますが
そういうご依頼に限って、「いついつまでに・・」と日限や着用日があることが多いのです。

たとえば、今でしたら、浴衣を花火大会までに・・などという。

私は、いつもお越しくださるお客様をやっぱり大切に、優先したいと思っています。
お買い上げいただいた物でしたら、多少無理をしても
仕立屋さんに頼み込んでも、なんとか仕立てを間に合わせてお召しいただきたいと考えます。

まず、お客様に購入いただいたお品を優先的に、順に仕立てさせていただきたいのです。
特に、この時期、夏物が立て込んでいると、手一杯の場合もありますので
お持ち込みのものは、お断りさせていただきたいと思います。


こういうとき「忖度」が働くのは当然です。

日ごろからお付き合いのあるお客様の場合は、お持ち込みの反物もお引き受けしています。
たとえば、先日も
「旅行に行った産地で思わず買ってしまいました。仕立お願いできますか」
というお客様がいらっしゃいましたが、もちろんお仕立てさせて頂きました。
仕立の寸法も把握していますし、信頼関係が築けてますので
お客様も無理をおっしゃいませんし、仕立てもよそで頼むより安心と考えてのことと思います。
もしも、もしも
何かトラブルがあったとしても、きっとご相談や対応がさせて頂けます。


こんな呉服屋の事情や言い分もご理解頂きたいなと、今回は書いてみました。

さらに、これは私が言ってはいけないことかもしれませんが
お持ち込みのお品が、箪笥の中に眠っていたとか、頂き物で困って・・というのでしたら
まだわかりますが

考えたくはないですが
もしも、ネット販売やオークション、または閉店セールなどで安く手に入れたものを
仕立だけ、それもなるべく値段を比べて依頼しようという考え方などがあるのなら
やっぱり・・・、私はあまりいい気はしません。

当店のお客様なら、きっとこんな私の気持ちや思い、分かってくださるのでは・・・って思います。




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