京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

家紋について

2007-09-21 17:26:15 | 仕事
昨日、喪服のお話をしましたが、そのついでに・・・


よくお客様から
「家紋は実家の紋をつけるのですか、嫁ぎ先の紋をつけるのですか?」
という質問を受けることがあります。

一般的には・・・
どちらという決まりはありません。
結婚前に作る場合は実家の紋でしょうし、
結婚してからつくる場合はご主人の紋をいれるのが自然でしょうか。


結婚が決まっている場合は、嫁ぎ先の紋をいれておかれてもいいですし
実家がわかるという意味で、わざと実家の紋をつけるという考えもあるようです。
また、こちらの紋のほうが好きだからとどちらかを選ばれてもいいと思います

地方によっては「女紋」という家紋とは違ったそのお家の女性がつける別の紋
がある場合も。
家紋がたとえば武士の流れの勇ましい感じのするものですと、女紋は
やさしい植物の紋だったりします。

紋も本当にたくさんの種類があって、少しでも違うと大変なことになり
私達も、よーくお伺いして間違えないように神経をつかいます。

マルがついてる・ついてない、線が細い・太い、重なりが右上・左上などなど
微妙に違うものがいっぱいあるのです

ただ、この頃は「家」という考え方も薄れてきて、「紋」に対してもこだわりなく
なんでもいいわというお客様もなかにはいらっしゃいます
(離婚したから、なんでもいいの・・・などと・・)
また、自分の家紋があまり好きではないという方もいらっしゃり、自由に好きな自分の紋を入れるということもひとつの考え方として、もしかしたらこれから増えていくかもしれませんね




ちなみに、私の場合
主人の家紋は「五三の桐」
実家は「角立四ツ目」で
実家の母が結婚するかしないかも定かでない娘のため”嫁入り道具”として
私の知らない間に作ってくれた喪服一式は、
女紋であり、どこへ嫁いでも差し障りがないだろうと「五三の桐」がついてます。
(実家のある関西では、「五三の桐」は貸衣装にもよくついているほど
たいへんポピュラーな紋なのです・・・

私としては、あまりにポピュラーすぎてつまらない?ので、色無地には菱からちらっと桐が覗いている「菱に覗き桐」をつけています

お店にある「紋帖」に載っている綺麗でかわいい花の紋をみて、こんな家紋だったら「かわいいのに~ 」とつぶやいてみたり・・・

それにしても、紋帖のいろんな紋を見ていると、昔の日本人のデザイン力ってすごいな~
と感心します。
あの小さな円の中に、花や蝶、道具、自然などをバランスよくデザインし、なおかつコンピューターなどない時代に精密に筆で描いたのですから・・・
「家紋」は世界に誇っていいデザインだと思います






コメント
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