以前にも記事にしていますが、虫歯を赤く染める「う蝕検知液」という薬剤があります。
随分と昔からある歯科材料ですが、今でも重宝して使っています。
特に虫歯が深くて神経に近くて、思いっきり歯を削ることができないときに使用します。
銀歯を外した歯です。それほど虫歯になっていないように見えます。
まずは虫歯になっていると思われる、歯のやわらかくなっているところを削りました。
黒いところがありますが、硬いので虫歯ではないと判断しました。
そこで、う蝕検知液の登場です。
歯全体に液を塗ります。
少し赤くなっているところがあります。これが虫歯の取り残しです。
黒いところは赤く染まりませんので、やはり虫歯ではないと判断します。
赤いところを丁寧に削って、もう一度液を塗ります。
(これを何回か繰り返すこともあります。)
もう赤く染まらないことを確認して虫歯を削り取る治療は終了です。
この後に歯をつくる治療に移ります。
う蝕検知液は古くからある薬剤ですが、虫歯を最小限に確実に取るにはかなり有用です。
デジタル全盛の時代でも、こういうアナログ的な治療が優ることもあります。
小幡歯科医院