sky-sky!diary

横浜在住Tuba吹きの小さな日常。Don't worry,be happy.

これは本当の普及ではない。

2005-01-11 23:05:43 | 思事日々
Gさんの奥さんがスキー中に怪我をしたそう。スノーボーダーが足を引っかけてしまって転んだのが原因。そのスノーボーダーは、自分の落ち度を認識していない様子。Gさんの「これだからスノーボーダーは・・・」という気持ちは、よく分かります。自分もスキーヤーであり、スノーボーダーの一人でもあるからこそ、なおさら・・・。と同時に、とても悲しい気持ちでもあります。未だに「これだからスノーボーダーは・・・」とスキーヤーに言われてしまう。

前にも書きましたが、僕がスノーボードを始めた13~4年前は、日本でスノーボードの滑走を許可してくれているスキー場というのは、数えるほどしかありませんでした。だから、滑走可能なスキー場は本当に貴重で、なにかトラブルを起こして滑走禁止・・・なんて事にならないように気を使ったものでした。

ゲレンデの真ん中に座り込まない。
止まってしまったらなるべくすぐ滑り出す。
やむを得ず止まる場合はコースの端に寄る。
リフトを降りたらどんどん前に進み、ビンディングを付ける時はスキーヤーの邪魔にならない。
ボードを脱いでゲレンデを歩き回らない。
滑走禁止区域には入らない。
リフトに乗る時は、係員の方に挨拶を忘れない等々・・・。

当時はみんな当たり前に守っていた約束事でした。それはスキー場を滑らせてもらってるんだという気持ちから来ていました。専門誌でも「日本にスノーボードを普及させよう。その為にスノーボーダーのみんなが約束事を守ろう」と呼びかけていました。でもスキーヤーからすれば、突然自分のテリトリーに侵入してきた外様に良い気がする訳がありません。ちょっとトラブルがあると、すぐ「これだからスノーボーダーは・・・」と言われたものでした。でもそんな目に負けずに、スノーボードを楽しめるようにする為みんな頑張ったのでした。

そんな秩序が崩れたのは、爆発的にスノーボードブームが巻き起こった頃から。スノーボードのアイデンティティである「自由」という気風が、間違った解釈をされてしまったのが、最大の不幸でした。スノーボードが自由であるというのは、「スノーボードに決まった楽しみ方なんて無い。それはそれぞれの自由で、自分の楽しみ方がその人のスタイルなんだ」という考え方です。それが何故か「スノーボーダーはゲレンデでは何をしても良い」と解釈されてしまった。確かに海外の有名なスノーボーダーが、崖を飛び降りたり、オフピステを滑ったり、とんでもないジャンプをしてみたりしていますが、あれはプロが何度も安全を確認して、初めてチャレンジする危険なシチュエーションであって、誰でも出来る訳ではないし、誰でもやって良いという訳でもない。そんな簡単な事が、理解されていない。そういう行為が、どれだけ周囲に危険と迷惑を振り蒔いているか想像する事すら出来ない人が多い。あと人口比率が一気にスキーヤーを上回ってしまったのも、悪い勢いを増してしまったのかも知れません。

日本にスノーボードが普及し始めてから約20年。爆発的に流行してから10年くらいかな?まだまだ文化として定着したとは言えないでしょうね。スキーはもう文化と言えるかもしれませんが、スノーボードはファッションとして捉えられている感がまだ強い。スノーボードをする事に舞い上がっちゃってる人が多いんだと思います。

リフトに乗っている時、眼下に見えるゲレンデは、見ていてため息が出る場面が多い。お前ら一度死ねって思っちゃう。お前らが傍若無人を楽しむために、俺たちは頑張ってきた訳じゃない。こんな普及の仕方をしてほしかった訳じゃない。

今回の件は、スノーボーダーのモラルが・・・というよりも、人としてどうなの?という感じですが、ともあれ、スノーボーダーを代表して、お詫び申し上げます。
スノーボードを嫌いにならないで下さい。

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