“初めて見た引っ越し先のアパートの裏は空き地で
引っ越し当日、片付かない段ボールの山の横で 夕食後お茶を飲んでいると 窓ガラスの向こうに カエルがペタリと張りついているのが目に入った。”
その当時のコンパクトダイアリーを広げると びっしりと書き込まれた細かな文字に驚く。
新しいこと慣れないこと分からないこと心細いこと…、怒涛の書き込みである。
アパートのお隣にはその日の夕方引っ越し挨拶に行っていて、翌日にはもう
そのおうちの小学生きょうだいがうちに遊びに来てくれている。
かんじんのうちの子どもは その時昼寝をしていたようで
「私が二人と話をした。いい子たち。」と書き込まれている。
そうだ、○○きょうだい ほんとにいい子たちだったなあ。話をしていて とても瑞々しいのであった。
その翌日、あんな手続こんな買い出し 幼児を連れまわしての外出から帰る頃
疲れてぐずっていた子どもから 目を離してしまったらしい、
「家の玄関ドアに(子ども)右手くすり指をはさんで、大泣き。あわてて、☆☆小児科へ行く。途中まで□号室の子ども2人がついてきてくれる。…(大泣きに驚いてしまっていたが)そうひどくなかった。」
と書き込まれている。
すっかり忘れてしまっていたことなのに
今思い出すと
夫が引っ越し先を決めてきたときに確認した小児科の位置/分かるけれど なにしろ行ったことがない(ここに越してきてまだ3日目だ!)/とにかく急ごう/子どもをベビーカーに乗せ外に出る/そこに○○きょうだい遊んでいて…。。。
その先を思い出そうとすると
○○きょうだいと私とベビーカーは なんだか空を飛んでいるような風景が現れて 現実の過去が浮かんでこない。思い出そうと何度も頭の中を巡るのだが 何度巡っても ベビーカー群は リニアモーターカーのようにふんわり浮きながら小児科めざして急いでいるのだった。
それじゃあ アニメみたいだなあ。
♪ 笑いながら泣くような日々を 泣きながら笑うような日々を
自分で そんな風に考えたいのだろうか。
でも
いまの
このまどいを
なんとしょう。