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本と雑貨と手作りのブログ。

「三島由紀夫レター教室」

2007-04-26 | 小説
手紙好きの方々がオススメしていた本。山本容子さんが描いた表紙に惹かれて、手に取りました(中の挿絵は小さくて、ちょっと残念・・・)。

三島 由紀夫 / 筑摩書房(1991/12)
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  <文庫裏の説明文より>
職業も年齢も異なる5人の登場人物が繰りひろげるさまざまな出来事をすべて手紙形式で表現した異色小説。恋したりフラレたり、金を借りたり断わられたり、あざけり合ったり、憎み合ったりと、もつれた糸がこんがらかって…。山本容子のオシヤレな挿画を添えて、手紙を書くのが苦手なあなたに贈る枠な文例集。

全部、手紙だけで構成されていて、とても読みやすい内容。細かく章に分かれているのですが、そのタイトルが少し変わっています。例えば、「愛を裏切った男への脅迫状」「招待を断る手紙」「真相をあばく探偵の手紙」といった感じ。いろんな手紙がありますが、ちゃんと1つのストーリーにまとまっていて面白かったです!登場人物の名前も、「氷ママ子」「山トビ夫」「空ミツ子」「炎タケル」「丸トラ一」と独特でした。

手紙の文章は、実際には使えないかもしれませんが(現在とは時代も異なるので)、いろいろ勉強になるところもあったり。特に、「英文の手紙を書くコツ」という章は、今でも役立ちそうです。

三島作品ということで、やっぱり人間の黒い部分も見えるけれど、そんなに嫌な感じはしませんでした(他の作品は読んだことないですが)。そういえば、夏目漱石の「こころ」も好きなのですが、こちらも手紙(遺書)形式の部分があったな~。